ハイ。lightさんの新作「Dies irae Also sprach Zarathustra」-die Wiederkunft-の感想です。
名づけて「帰ってきたぜ!だけど完成したぜ!が正しいかも」


さあ。lightさんといえばタペストリーで感動させてもらったブランドさん。

その、タペストリーよりも前に発売されていた作品が、この「Dies irae」。
ディエス・イレ、と読みます。
モーツァルトでそんな曲なかったっけ?
伝奇バトル作品といってもいいかもしれません。

その、2007年発売版に、シナリオが大幅に加筆修正されたものが、今回のdie Wiederkunftです。

うん、正直判りづらい。
未だにね、アペンド版とどう違うのか教えてくれ、という気持ちでいっぱいです。


主人公である藤井蓮は、親友の遊佐司狼と真剣に殴りあうケンカをする。
殴りあうというより、それは相手が倒れるまで壊すようなものだった。
普通の暮らしが好きで、穏やかな高校生活を送りたかった藤井蓮の望みは、この日絶たれる。
失った親友との関係。
2ヶ月後、綾瀬香純が退院の日に迎えに来た…。

…というところからお話は始まりますけどね。


OPムービーはこんな感じで、2007年発売にしては気合い入ってていいですよね。
でも、2009年版も同じなんだけどな。

基本的には、2007年発売のものを半分くらい手直ししているといった風味でした。
だから、ストーリーとしては完成していますし、新規で起こされたCGも美麗です。
演出もすごいですね。見てて、現在放映中のアニメよりもいいと感じるところは多い。
テキストもいいですね。読んでいてつっかえる所がない。
そこはさすが、としかいいようがない。

シナリオルートも絞ってあって、そういうのは正しいと思う。
正史だけしか存在しない形は素晴らしい。

ただ、新規で追加された所がある分だけ、初期版から変えてない部分が目立つ。
立ち絵に多いですね。CGは新しいのが多いのですけど。
なんてーのかな、原画のGユウスケさんが、この数年間でレベルアップしちゃってて、
そのCGとの差がすごいのね(笑

あと、音楽がちょっと古い感じがしますね。

それと、システム周りがちょっと使いづらい。
具体的には、ログですぐ直前の音声を聞き直したい時ってあるじゃないですか?
そういう時に、少し先まで進めないと聞きなおすことが出来ない。
こりゃちょっとアレですね。

ストーリーが重厚なので、結構しっかりテキスト読みたい感じの作品なのですよ。
だから必死に読んでて、セリフをちょっと聞き取りづらくなることがあります。
そうなった時に、少し先まで進めないとリプレイできないってのもアレだなーと。

要するに、以前と変えてないところがよろしくない。

ストーリーそのものでいうと、聖槍十三騎士団って物凄く超人集団です。
それと戦うには非常に貧弱な主人公。

圧倒的すぎて、これじゃ斃せないんじゃないかね?
こんなコレで瀕死だと…という感じがずっと続いてまして。

ただ、そのまま蹂躪される未来じゃない形では終わるんですが、
それは「プレッシャーを与えられたものが解消してよかった」という感じで。
いいエンディングを迎えた、という感じじゃないんですよ。
それがなんというかね。

作品の流れによると思うんです。
例えば、映画「ドーン・オブ・ザ・デッド」がいいエンディングになるわけもない。
侵略系の物語がいいエンディングだと視聴者の心に残すことはない。
…ちょっと例えが微妙ですけど、近いのはそういう印象かな。


男性声優さんの声もシヴい方が多いんですが、女性ヒロインもだいぶ絞ってあるので、
非常にいい感じです。
トム・クノレーズさんとか先割れスプーンさんとかルネッサンス山田さんとか、
杉崎和哉さんとか青島刃さんとかね。
男性キャラかっこいいのが多くてね、ほんとに。

ヒロインでいうと、櫻井蛍役のかわりまりのさんが良かったかな。


作品以外の部分でいうと。
冒頭でも書きましたけど、アペンド版とか、完全版とか、新装版とか、
意味がわかりません。
明確ではないですよね。特に発売前はやっぱり明確じゃなかった。

以前も書きましたが、そんな状態のところで、
発売後一週間経過してからの「特報」ってなんですかと。
狙いすぎでしょう、どう考えても。

発売前に告知をきちんとやったほうが、ユーザーは納得すると思いますけどね…。
逆に、あの「特報」って記事、商売とはいえ酷いなーと思った方のほうが多いはず。

作品はいい感じになったのに、ね。

むしろ、はじめて触れる方には、「いい作品じゃない!?これ!」と
驚きをもって好感抱かせてくれる作品になったと思うんですよね。
それくらいのいいテキストになっているし、いい設定だし、
いい話の流れになっていて、面白いんです。

ただ、申し訳ないけど。lightさんを応援したいとは思わなくなった。
利益を追求する形は正しいんです。会社だもんね。
だけど、基本は、何か世の中に提供したいものがある、という姿勢があってこそだと思うから。
その先のエンドユーザーをみて、与えるものはモノじゃないと思うから。
Dies irae Also sprach Zarathustra -die Wiederkunft-
Dies irae Also sprach Zarathustra -die Wiederkunft-