PULLTOPさんの「この大空に、翼をひろげて」感想です。
『この大空に、翼をひろげて』たった一つの青春がここに― 羽々音小鳥Ver
やっぱびゅーちーさんバナーで!


5月期待の作品といえば、PULLTOPさんの「この大空に翼をひろげて」。
略称はころげて?
すごいなと思ったのが、体験版を終わり、振り返ってみて、中だるみしたシーンがなかったということ。
体験版は7時間あまりに及んだのですが、ここまで読んで垂れることがないって、すごいと思うのです。
逆に、ちょっと駆け足かな…プロセス飛ばしてないかな…と思っていたくらいです。
各人が優秀すぎるというかね。

優秀という意味では、主人公の碧のキャラクタ。元(というか直前まで)スポーツマン。
幼なじみとの距離感を保ちつつ、でもお互いに成長しているから、
距離感が変わろうとしている、意識してしまう部分もある…みたいなね。
ここまで嫌じゃない主人公というのは本当に珍しくて。

そんな主人公が出会うのが、紙飛行機を飛ばした彼女―小鳥。
彼女は、車椅子が立ち往生してしまい、助けを求めるために紙飛行機を飛ばしたのだった。
…という印象的な出会い。


体験版の時から、システムに対する不満はありました。
グライダーや風車の動画部分(と書きますけど)の負荷が高く、
必要な演出だとは思うけれど、何かもう少しなかったかなと。
3Dで動かしているから納得できる表現になっているかと言うと違うと思うんですね。
2Dでも十分できることあるんじゃないかな。

それと。ウィンドウ可変が効かなくて、ちょっと辛いです。
もう少し小さくできる設定があると良かったのに。
結果、負荷が高くなってしまって。
新エンジンとのことですが、あまり目立った新エンジンらしさを感じられなかったです。
雲を抜ける演出は、しろくまベルスターズでも行われていましたよね。

また、エンディングに曲が特段用意されていなくてびっくり。
印象的なオープニング曲かといわれるとちょっと違う。
空を飛び続けているようなゆったりとした、でも心踊るテンポで、いい曲なのですけどね。
たぶん、このテンションが一番、この作品を表しているともいえます。

製品版でのストーリーは…。

何ていうか、自然なのですよね。
教師の岩岡さん以外は。自然に受け入れられるキャラクタとして描かれています。

(会長さんも超いいですね)

モーニンググローリーを目指すという流れがあって。
荒唐無稽じゃない、キャラクタたちの成長で到達できる、魔法のない展開が続きます。
それは、空を飛ぶという部分。
これって、とっても魅力的な青春ストーリーに仕上がってます。

キャラクタ原画と配役。これが素晴らしかった。
変に受けを狙ったデザインでないとか、ありがちというか無茶なドタバタをさせないところとかも含めて。
ヒロインキャラクタがどれも、リアリティがあるというか、
学園生として、非常に"らしい"。等身大といってもいい。魅力的。ここは体験版のままでした。

何より、小鳥シナリオ。これ本当にオススメ。
足が不自由になった小鳥が紙飛行機を飛ばしたあの日。二人の空にさしたグライダーの影を追いかけ、空を飛ぶに至るまで。
びゅーちーさんはどうしてびゅーちーさんになったのか。
過去のことを交え、これからを綴っていく。
これは本当に面白かったです。与えるアクシデントも良くて、うまい。

この時、小鳥は万感の思いだったのでは…と。星咲イリアさんが好演。

天音ちゃんシナリオ。
モーニング・グローリーの写真を持ち込んだ人、そして伝説の先輩天音をも動かした、イスカと、岩岡先生について語られます。
天音ちゃんは、ずっとソアリング部に一人居続けた…というか、縛り付けられていた。
その思いに対する答えは、モーニンググローリーによってもたらされるのか。
天音ちゃんの性格上、ぼんやりしていますので、のめりこみやすく、周囲に鈍感で、深いところでは思いを抱え込みやすく打たれ弱い。そんなところが出ていたように思います。

珍しいメガネオン。

あげはルートでの最初のシチュエーションはあれでよかったのか、とても疑問です。
なし崩し的?
冷静に考えれば、仲が良い二人が、お互いに少しずつ意識しあったとしても、
アクシデントが無い限り進展が難しいのはわかります。
けれど、あの程度のことで、あげはがあんな風に思い切った行動ができるとは思わない。
他のことならともかく、碧とのことで。
「もしかして私、結構愛されてる?」とか。
「子供の頃みたいにはいかないねぇ」なんて妙に達観したようなことを言いつつ、
自分が何を思っているのかわからない、繋がらない、という認識なのに。

キャラクタとしてのあげはは素晴らしいと思うんですよね。
あげはが居るから等身大学園生らしさがぐっと出ている気がしています。
このデザインと萌花ちょこさんの声が超マッチしてると思うんですよね。
「あ~いぼうっ!」って背中叩かれてみたい願望すら抱く。
細かい話ですけど、幼い頃の秘密基地。幼い頃の思い出。あげはがしようとしたこと…。
そして、すれ違い。

(ほたるかわいーね)
もう少しテキスト費やして、グラフィックも盛り込むべきだと思いますよ。
少なくともそれを描きたいのならば、ですが。
そこまでこじれることかなぁ?という印象を強く持ちました。

双子はどこまでいってもサブキャラクタですね。
体験版で登場がなかった双子はどう関わるのかなと思っていたんですが、
重要なキーは持ちつつ、だけれど、あくまでも一つ外側にいるというか。

特に双子のお姉ちゃん。あの子だけなんだよね。届かないの…。
まあ、全部のシナリオが良い作品って作れませんし。と自分を納得させるしか

進め方として。
天音ちゃんは最初選択できないみたいなので、びゅーちーさんを見てから選ぶといいのかも。
(残りのあげは、双子になると急に落差が激しくて、おすすめしにくい)

この落差は、ライターさんの差なのかな。
どうやら企画と共通、小鳥、天音は紺野アスタさんということなのだけれど。
まとめ役さんが機能していなかったのかしら。

という疑問はあるのですが、プレイして損のないクオリティが迎えてくれますよ。
やってよかったなぁ、という作品です。

そうそう、全く関係ないけれど、
モーニンググローリーの動画がありまして。
何かのテレビ番組かしら。

画像検索したモーニンググローリー
エウレカー!じゃなかった。
プレイ後にみると、もっとモーニンググローリーを描くべきだったんじゃないかな?と思ったりします。
そりゃ一瞬しか使わないかもしれないけど、必要だったと思う。
だって、一応これを最初から最後まで目指していたんだもん。
「ラピュタは本当にあったんだ!」って時、すごく時間費やしているじゃない。
ああいう感じが必要だったかも。

影ながら支えてくれる佳奈子さん。

次は、新エンジンを活かしたものにしてほしい。
CGのクオリティは凄まじくて、HDの効果もあると思います。
グライダーコクピットにいる天音、小鳥のCGは素敵。自転車小鳥もかわいい。
あげはにも何か欲しかった…かも。

BGMが雄大で、流していると空を見上げたくなります。

あ。ハット先輩に声が入っていたのは素晴らしいと思いますよ。

パッケージのハット先輩。ぐゎ~。
しろくまベルスターズでも入れるべきだったと思ってます。

部分部分で用意されているCGも印象的で、グッと来るシーンもあります。
これは夏ノ雨の再来…いや、超えているかもしれません。
ぜひ、体験版を。

この大空に、翼をひろげて 初回限定版【予約特典:「SweetLoveパッチ」ディスク付き】
この大空に、翼をひろげて 初回限定版【予約特典:「SweetLoveパッチ」ディスク付き】