CUBEさんの「恋する彼女の不器用な舞台」感想です。
【恋する彼女の不器用な舞台】


CUBEさんはブランドとして考えていくと統一感が見えにくいのですが、
主軸にしているのは、やっぱりカントクさんの原画なのでしょうか。

有名子役だった幼なじみの十川真優が電撃引退して、
人目を避けるように過ごしていた。
学園には通うものの、ほぼ身内だけといえる文芸部室以外に居ようとはしない。
宮国一悟は、そんな真優に無理はさせず、大事にしてきた。
そんな折、文化祭で、部誌を100部売らなければならないノルマが課されて……。

という導入でしたが、体験版ではとにかくキャラクタビジュアルの良さが目立っていた様に思いました。

さて、それでは感想です。
あまりネタバレはない予定です。

思ったよりも、共通パートがよく、さらに個別パートにおいても、
キャラクタがどのような形でつまづき、乗り越えさせるかという部分が、良かったと思います。

いや、グラフィックやインターフェイス、システム面はもういうことないでしょう。
セーブファイルは豊富で、いいシーンがあるとつい保存したくなります。
つまり、自信があるってことだと思うんですよね。

画面演出も凄まじい。
笑顔が弾ける!ということなのでしょうけど、この泡がぱーっと弾ける演出とか、本当に凄いですよね。
キャラクタの可愛らしさを引き立てます。

というか、彩色もすごくいいですよね。
キャラクタがわかりやすく、背景とマッチして浮いていない。

音楽もすごくいいですね。落ち着く。
「朝は前向きな気持ちで」のフルートの素直な音色。
その後のストリングスで、なんていうかな、真優を一悟が背負っている雰囲気があります。

何より。
こんなにレベルの高いグラフィックを見せつけられて、文句がいえるはずもない。
とにかくキャラクタが可愛らしい。
立ち絵、手の動きは似通ってはいるものの、
キャラクタがよくつかめていて、いいですね。

それぞれのキャラクタに合ったファーストシーンの流れを上手く作れていると思います。
ナタリーは自らの勉強のため、百花はがんばりたいことと体のことと。
その辺りがうまかったかな。

ここを大事にできるというのは、キャラクタそのものに対し、
いいイメージを持てますから、いいことですよね。

どのヒロインたちにも、不器用。
不器用だけれど、それぞれの舞台が用意されている。

自分は天才じゃない。努力しているだけ。たまたま運が良かっただけ。
そう考えているナタリーこと七瀬千奈(小早川みやさん)は、
最終的に天才の側にいる、真優から挑まれる。
こういう作品ですと、誰かが誰かを打ち負かす展開は良くなくて、
今回のように相手のことを知ることで認め合う……良い展開ですね。

最後に真優ルートに入ったのですが。
あれですね、最後にしてよかったのかも。
ほんわかする。

体験版では、ちょっと依存が強すぎるように見えた真憂ですが、
くるくる変わる表情、それに合わせた声を聞いていたら、
「あ、かわいいもんだ」と思えてくるから不思議。
それに、やる時はきっちり決めてくれますし。

少しずつ進もうとする姿は、OP曲「Dreamer」の歌詞そのもの。
”真っ新な、世界はあって”あたりから。
舞台に立っていた真優が新たな一歩を踏み出すイメージもありますね。
”このままじゃだめと”……。

真優の理由。
一悟の理由。ちゃんと表現されていました。

何を望んでいる?何のためにやっている?
そこをきちんと進めているように思えましたので、良かったです。

最初はこの幼なじみ、ちょっと手がかかるなぁ、面倒そうだなぁ、と思っていたのですが、
ちゃんと可愛くなるようにあれこれしている。

こう、曲調とすごくあう、穏やかな展開は、
演劇の舞台へ続く赤いカーペットの柔らかさのよう。
一歩ずつゆっくり踏みしめていく。
そういう進み方です。
良かったですね。

幼なじみは、恋人になれるのか。
自分のことを見て欲しい。こう見て欲しい。そういう真優の気持ち、伝わってきました。

会長のシナリオがちょっともったいなかったかなと。
思ったより即物事が起きて、解決してしまうので。
でもやっぱりかわいいなー。
こう、真優の存在があるからか、幼い頃の思い出のボリュームが足りない気がするし、
もっと大事に描いても良かったのかも。
でもそれだと一悟が忘れすぎ、ということにもなるし。難しかったかな。

ここ最近のCUBE作品の中では一番だったと思います。
グラフィック、システム、音楽音声、シナリオ。
全てが高いレベルで合致して、いい作品に思えました。
やっぱり期待していいブランドさんなのかも。

最初は、榎本知紗先生(卯衣さん)、ファンディスク要員かなと思っていたのですが。
ほら、だって合宿風呂のシーン、一人だけ居なかったですし。
ところがありましたよ。メイドさんと共に。
九重真里亜(神辺ちせさん)は、体験版の時から妙に存在感がありましたよね。

この立ち絵表情はやり過ぎかなと思っていたのですが、
声で見事に上品さを備えていますよね。素晴らしい。

また構図がとてもしっかりしていて、なんていうかそそります。
すごく体のバランスがいいですよね。
ちゃんと全体を描いているからこそ出来るのだと思います。

あと、思ったよりえっちでした。
カントクさんデザインですから、全体的にスリム体型のキャラクタばかりなんですが、
構図がいいですね。
しっかり組み敷いてて、それを受け入れてて、というか。
ちょっとびっくりしましたよ。
かわいいとえっちは共存できる、と。
ボリュームもしっかりしているなと思います。
こう、フィニッシュタイミングカウントがついていたのですが、
作品に合わせたものか、ゲージ式になっていて。
雰囲気壊さないでいいですよね。
こういうちょっとした所への気遣いがあるところがいいですよね。

演劇というのは、難しい題材だと思いますが、
様々な素材のクオリティが高くて、とても良い仕上がり。

ということで、CUBEさんの、ココ最近では一番の作品になっていると思います。
恋する彼女の不器用な舞台 初回限定版
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