ALcot Honey Combさんの「キミのとなりで恋してる!」感想です。
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ALcot Honey Combさんのキてる!こと「キミのとなりで恋してる!」。

陸上のエースだった主人公がコーチとして過ごす学園。
長距離走で有名な学園からトップランナーが転入してくる。
それも、主人公のお見合い相手として、同居するというのだ。

それは祖母の差し金。

両親の結婚を失敗だと思った祖母が、孫の行く末を心配したためだが、
さすがに見合いはまだ早い。
ところが祖母は、一週間以内に嫁にふさわしい相手を連れてこい、と告げて……。

それでは感想です。
少々ネタバレがあります。

システムは相変わらず使いやすいです。
が、なんかここのところ、音声バランスが非常に良くないですよね。
キャラクタの音声は小さめ。
逆に、バックグランドボイス?みたいなものはなんか大きく感じます。

シナリオについては、なんともいえないところです。
ちょっと不満だというか、あれ?と空振り感を味わうところが多かったです。
そのくせ、ハニカムさんのさらさらと流れていく展開で、
気づいたら終わっていた、なんてこともありました。


まずは、そうですね。
祖母の行動の整合性なんて……考えたらいけないのかな。
例えば知花涼香(香山いちごさん)のルートで、親に対して態度が酷いから、
嫁候補として認めない、みたいなところがあるんですが

生みの親を大事にしていない、しなくていい、という教えをしているのは、
千代さん、あなたもでは、ありませんか。

あと……主人公の妹の恵(あじ秋刀魚さん)ですが、
かわいくないです。
かわいい必要はありませんが、ちょっと、気になるというか、目につきます。
色々と面倒というか、なんでしょうね。
引っかき回し役のようです。

エクストラエピソードの「そんなの、秋人くんらしくない!」と、なぎさが怒るところ。
すごく首を傾げるんですが……そういうものなんですかね?
だって理由が「わたしがあとから誘ったせいで恵ちゃんの先約がなかったことにされるって我慢ができなかったから……」って。
意味が、わかりませんけれど。
「義務だと思ってほしくない」って。
なんていうか、相手のことも自分のことも理解していない人、なんだなと。

まあ、この後の秋人の対応もおかしいと思います。
「恵との約束があったのに、なぎさを優先させるのはおかしかった」
おかしい……でしょうか……?

ちょっと理解できなかった、ですね。

”ねえ、恋ってどこから芽生えるか知ってる?”というテーマを掲げています。
体験版で、それを果たしてこなせるのか不安だったわけですが、
案の定、というか。

その答えが、ストーリー上では、成り行きで、人に獲られそうだから、後悔があるから、
……の三通りというのが、なんとも残念なところでした。

まず、知花先輩。
このルート入る前の選択肢だと、知花先輩を選ぶだけの理由を感じられないです。
相手側からの告白にYesかNoか、だというのに、
このキャラクタを選びたい、と思って選ぶことができない。

知花先輩の側も、気持ちの盛り上がり方が突発的すぎるかな。
恵に振り回される程度に、急におばかになってしまうのは、ちょっとよくわかりませんでした。
頭の良い感じを受けましたから、なおさら。

星野なぎさ(歩サラさん)とは、なぎさの頑張りゆえに、という感じ。
やや情にほだされるというか。過去にちゃんとできなかったから、という。

引っ込み思案で周囲の様子を見てしまう、自己主張と自己評価が低いタイプのキャラクタで、
こういってしまうと失礼ですが、ありがちと呼べる範囲、かな。
ただ、こういうヒロインが、エンディングやサイドストーリーでは少しずつ前向きになれる、というのは、
ありがちだとしても、いいお話だとは思います。

小松莉奈(秋野花さん)は、距離感が一番いいですね。
他の男と付き合っているという噂を聞く。
そこでたまらず走りに出る秋人。
当然ながらフォームもばらばら。うまくはしれない。違和感と焦燥感。

フィールドで倒れている秋人に、飲み物を持ってくる莉奈。
聞いてみたら、まったくの別人の話で……。

この莉奈というキャラクタは、他のルートでも頼りがいがあります。
わかってる。だからがんばってくれている。

ただ、莉奈そのものの引っかかりの行く末が、期待と違う展開だったかな。

それと、このルートだと、秋人が唐突にベタベタしすぎかな。
妹と一緒に風呂に入っていても、きれいな嫁候補二人からキスされていても、
何も反応しなかったのに、なんて思ったり。

秋野花さんの演技が、萌えというか外連味を排除して、男友達風に仕上げているところは、
とても面白かったですね。

親友役の瀬古勝彦(古河徹人さん)が非常に良い味出していて、
これだったら主人公も声入っていた方が良かったんじゃないかな、とも。

グラフィック面については、もとみやみつきさんのキャラクタと、
あおなまさおさんのSDとで、彩色も良く、楽しめたのですが。

全体的に見ると、とっちらかっていて、なんだった?と思ったり。
テキスト上で力を入れるのでなく、ほら、いい話でしょ?という押しつけっぽいところを感じてしまうのは、
ちょっと穿った見方、でしょうかね。

サツコイ」のほうが余程、いい恋が表現されていたように思ったり。
好みの問題だとは、思うのですが。それでもね。


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