minoriさんの「罪ノ光ランデヴー」体験版プレイしました。


minoriさんの新作は「罪ノ光ランデヴー」。

「ゆうとくん、お絵かきもぬりえもじょうずだよね」
昔、女の子に褒められた。
その時は、恥ずかしくて顔を上げることも出来なかった。
女の子と話しているだなんて、まわりにからかわれる。

けれど、今の野々村優人が絵を描くことを続けているとしたら、その時のことが理由だと思う――。

東京だが、山に程近い、小さな村。
珠里に住む優人は、電灯の下に立てたイーゼルを目の前にしていた。
不審者扱いされることもないのは、珠里村ならでは、なのかもしれなかった。

そこへ。
遠くから近づく足音が聞こえる。
優人が顔を上げると、トンネルの入り口前、いや、優人の目の前に、女の子が立っていた。
「だれ……」
こんな時間の村境、出歩く人間も少なく、早い時間に灯りを消す家が多い。

その女の子と目があった瞬間、優人の体をビリビリとした、電気のようなものが貫いた。
「絵本の中から出てきたみたいだ!」
「……えっ?」
女の子を戸惑わせ、優人は笑顔を要求し、そしてモデルにデッサンを続ける。
優人が描いていた、人魚にピッタリだったのだ。

場繋ぎのために会話を繰り出す優人。
そうしていると、女の子が言い出したことは……。
「わたしは、”罪人”です。遠い昔に、罪を犯しました」

体験版は1.87GBでした。

今作では、体験版がだいぶプレイしやすくなりました。
体験版をそのまま解凍すると、ファイルが散らばることもなく、フォルダに一つに。
その中のexeを実行すれば、動作します。

また手間かな、と思って後回しにしてしまっていたわけなんですけども。

今回便利だなーと思ったのが、ジェスチャ機能。
マウスで横に線を引くだけでも使えるこの機能で、
セーブしてからAUTOモードへの以降が楽になりました。
セーブ画面呼び出しも、何か割り当てがあると、なお良かったかも。

今作も、まばたき、口元の動きがあります。

セーブファイルをロード時点でパラメータエラーが出ていましたね。
ロード画面を喚び出しても最終セーブページが表示されなかったりとか。

キャラクターデザインは、柚子奈ひよさん、sataりすくさん、水野早桜さん。

シナリオは、花見田ひかるさん、御厨みくりさん、伝野てつさん、鋏鷺さんとなっており、
このうち、花見田ひかるさんが、メインのようですね。

今回は、製品概要に、前作のような意気込みは記されていません。

が、かわりに、別な場所に、ありました。

>周囲と同じように “ 大人になってゆく ” こと。
>それぞれの準備の有無に関わらず、始まる青春という物語。
>そして、その先に見える “ ほのかな光 ”。

>それらが織り成す波を「かいくぐり、進むという事」を描くのが、本作『罪ノ光ランデヴー』です。

>これまで培った全ての表現力に、これまでの作品で成し得た “18禁” 作品としてのエネルギー。
>そして『ソレヨリノ前奏詩』で描き出した「恋愛というはじまり」の、その先へ。
>「人を好きになる者」が放つ「前へ進む」という煌きを、
>余す事無く映す “ 18禁PCゲーム ” という名の物語に、どうぞご期待ください。

美麗なグラフィックと、登場人物たちが抱える、大きな心理的マイナスと呼ぶべき何か。
それがminoriさんの作品であるように思えています。
それは今作も継続されていて、真澄あいと、野々村優人と、
それから、二人の周囲の人たちとの物語であるように感じました。

ただ、どうしてでしょうか。
3回プレイしてみたのですが、どうにも楽しめません。

ふと、思ったのは、真澄あい(入江望愛さん)を、どう扱えばいいのかわからなくなっている、ということ。
それは、主人公優人のように、ではなくて、
これは、ヒロインとして扱って良いのかどうか、と感じてしまっているんですね。

そう考えると、なんとなくですけど、
夏空のペルセウス」の沢渡透香と雰囲気が似通っているように感じます。

あいは、優人の過去と繋がっていた。
そのことを全く思い出せずにいた優人。
恋人となってから記憶は戻り、そして向き合うことに決める……のですが。


しかし罪というのならば、その罪は、罪であるように感じられないと。
確かに罪だとは思いますが、重さがもう少し表現されたほうが良いかな。

それと、こう、真澄あいという存在への、誘導が気になるんですよね。

最初から、この登場人物には何かありますと、とにかくとにかく設えてきていますよね。
最初の出会いもそうだし、ルビ点もそうだし、その他、その他も……。

あいは、最後にあんなことを言い、優人から離れていこうとする。

それは、あいに対して、優人は失敗してしまったんです。決定的に。
……それが全くわからない。

何か別なことができたか、というと、やっぱり覚悟を決めて近づくことだけだったと思います。
それは、椿風香あたりからアドバイス頂けたものと同じであり、
優人の独りよがりというわけではない。
恐らくは、一般的な、でも最大の対応だったと思います。

でも、あいは、去った。
細部が誤っていたのか、気に入られなかったのか……そこは不明ですけれども。
最初から、気持ちが繋がった後も、あいは決めていたんだと思います。

失敗したのでなければ、やっぱり周囲を(結果的にしろ)振り回すだけの、
厄介な人なんじゃないか、とか。

それを、二人だけでなく、周囲に撒き散らして、引っ掻き回している、とも。
「楽しんでいるところにいきなりこんな話……ごめんなさい」
謝っては居るんだろうけど、とても空々しく感じます。
2回めプレイ以降は、さらにそう思う。

たぶん、おっかなびっくり、なのです。
本当は、最初にトンネル前で出会った時から、気づいて欲しかっただけ。
でも、気づいて欲しかったけれど、気づいてもらったらどうするの……?
そういう、ことなんだと思います。

そして、主人公に示された、”罪ノ光”に手を伸ばして。
だから、告白した。手を、伸ばした。

そういうこと、なんでしょうけれど。

彼女の心理を思うと、ジェットコースターのようで、よく耐えていられたな、と。
それでいて、過ごす日々は、(少なくとも外見上は)明るく過ごしていて。

DIY部とか、「(肉まんはDIYに)含まれます♪」という会話ができるのって、
少し、納得いかないところもあって。
(このやり取り、好きなんですけどね)

キャラクタの作り方としては、正しいのかな、とは思います。
けれど、キャラクタをどう見せるか、のところかな。

このキャラクタを見てね。
このキャラクタには何かあるよ。

そういう調理の仕方でなければ……違ったかもですけど。


椿風香のほうが、魅力的に見えてしまうのは、どうしてなんだろう。

過去作、「夏空のペルセウス」の沢渡透香と似ているかも、なんて思った当初。
けれど、あの子の方が分かりやすい。
苛む痛みに耐え、豹変する理由は、とてもわかり易かった。
そこが、大きく違うのかな、とか。


ちょっと、この作品に関しては、保留かな。

……と、思った4回目のプレイをして、なるほど。
やっぱり、あいと、優人の物語、ですね。

どちらかといえば、それでも好きになって、想いを捨てられない優人が、
それからどう過ごしていくのか。
あいに、もう一度想いは届くのか……そこを確かめるためにプレイするのも、
結構アリだという気がしています。

周囲の人たちは、少なくとも優人を、とても支えてくれようとしています。
迷えば、村長のような大人が道を、倒れたら椿風香が身体を休ませてくれます。

彼は、それでも求めているから。

どうしてあいは、戻ってきたのか。
優人は、どうしていくのか。
本当に何を欲しているのかだなんて、彼らにだって、まだ分からない。


椿風香(くすはらゆいさん)も、気になりますね。
本当に家出してきたのか。その理由は。
あいと離れた優人では、支えられない半生とは、何か……。

ところで。
通常であれば、主人公視点で寝ている、それを覗き込んでいるヒロインのグラフィックなんて、
通常立ち絵を横から見せるだけ、だと思うんですが、minoriさんはそうしない。

ちょっとした要素に過ぎないとしても。必要であれば用意する。
そのこだわりが、物語へ引き込んでくれる。
それが、minnoriさんですね。
罪ノ光ランデヴー 豪華版
罪ノ光ランデヴー 豪華版

2016年2月26日(金)発売予定です。

豪華版は、サウンドトラックと小冊子。
前作はすごくパッケージ凝ってたので、今作も楽しみです。