CIRCUSさんの「D.S. -Dal Segno-」体験版プレイしました。
D.S. -Dal Segno-


サーカスさんの新作は、”こそばゆい学園恋愛アドベンチャー”「D.S. -Dal Segno-」


今が11月の終わりだと信じられないくらい、夏真っ盛りにしか見えない空と海。
水平線の向こうにしか見えない東京。
風南島は、海洋調査が行われ、後に国に研究、教育用特区として指定を受けた島。
現在では、観光や住居としても発展し、何より大規模な学園都市を備えている。

商業施設や厚生施設だけでなく、奨学制度があり、寮が格安。
『この島に来た者は、誰も不幸になることがない楽園』。
そんなキャッチフレーズみたいなものを、高村敦也は聞いていた。
ここなら、そう思えるのかもしれない……、

「あの~、どうかしましたか?」
「ああ……初めてここへ来たから、空が綺麗だなあと、眺めていただけで」
「そうだったんですか!ではでは、改めまして、楽園にようこそ!」
敦也に声を掛けた少女は、満面の笑み。
保守管理をしている少女型人工知能だという。
どうみても普通の女の子にしか見えないが。
「それでしたら道なりで、残り1418メートルです。道草なしで、徒歩18分程度の想定になりますね」
せっかくだから道を聞いてみたら、意外に細かい答えが返ってきた。

事前に従妹から聞いてはいたが、道案内をしてくれると言う。
ありがたく着いていくことにした。

鼻歌を歌いながら先を行く少女は、
敦也が何かを見つけると、即座に解説してくれる。
人工知能なのかどうかはともかく、優秀な案内役であることは間違いなかった。
となると、自分以外の人のお世話をしてもらったほうが良さそうだった。
「本当は、忙しかったりするんじゃないのか?道順さえ聞けば、一人でも大丈夫だぞ?」
「お気遣いは不要ですよ。天は、全ての人を幸せにするための存在なんです!」
少女は、明るく宣言する。
……が、勢いが付きすぎたのか、振り返るまま、道を踏み外し海の方へ。
落ちかけた少女に手を伸ばし、掴んだ。
「は!?」
――と思った手が、そのまますり抜けて……、敦也は、海へ落ちてしまった……。

体験版は、433MBでした。

うん、結構面白い。
故あって転校してきた主人公ですが、
原因は分かりませんが、この島の保守担当と同じように、
島に住む人々の幸福度数値が、見えるようになってしまいます。
幸福度は、天枷教授が発見した指標を元にしたもの。

主人公が、結構しっかりした人物で、恐らく努力でそれを為しえている型。
朝はちゃんと起きるし、片付けはできるし、トラブルがあっても予習をきちんとこなすし、
ややポエマ―。割と素直。好人物です。
周囲からは天然といわれることもありますが、
画面のこちら側でも、ある程度は、その感覚を共有できるので、問題無さそう。
親戚に頼って生きてきたようで、そのことを何とかしたいという思いもあり、
ここへの転入を決めたようですね。
妹がいます。妹もかわいい。

それでいて、どのキャラクタも、ちょっと変わっていて面白いですね。

普通、変わったキャラクタって、その特異性だけが目立ってしまって、
キャラクタの魅力にまで、感覚がシフトできないところがあるんですが、
ちゃんと魅力的に見せてくれています。
また、どのキャラクタも、声の担当が良い感じですね。
合ってないなとか、こっちのキャラクタをやってもらったほうがいいかな、ということも無い。

「ほんと、面白い人だよね、キミ」
朝宮ひまり(結城ほのかさん)

学園には、出席だけ取ってもらったら、帰ってしまう自由人。
日頃は何となく気怠そうな雰囲気を纏っている。
朝が少し弱い。
目に見えない精霊と話ができると噂されている。

実際には、被っている不思議な帽子のめです(上田朱音さん)と喋っており、
その時は気怠そうでもない。
他の人には聞こえないのか、主人公がめですとの会話が聞こえることに驚く。

使われていない灯台のあたりから、よく空と海を眺めており、
島に訪れた主人公が、海に落ちたのを助けた一人。

不思議なのは、見えない、という発言ですね。
幸福値は低く、12。


「飯盒炊爨……フフフ」
神月依愛(遥そらさん)

自称、魔王の娘。
改造したゴスロリ風制服を着て、それっぽい言葉を喋る。
主人公は、それも何となく通じるのか、たまに通訳代わりになる事も。

昼休みは屋上で、タブレットを使い、チャットをしている様子。

季節外れの転入生である主人公のことを、”輝く者”と呼び、
また非公式新聞部である辻谷大和(原田友貴さん)のことを”黒の番人”と呼んでいる。
輝く者への興味は尽きない様子。

幸福値は15程度。

「そうです。おあいこです」
邑崎遥月(夏野こおりさん)

風南学園の理事長の娘で、生徒会長。
手伝いとして、理事長代理も行っている。

生徒会長は様々な問題を持ち込まれ、それの対処で昼食の時間がない。
また、好待遇を得ようとの狙いか、遥月の元を訪れる生徒は、どうもおべっかが多いようで、
それがやや不快に思っている様子。
そのことに気づいた主人公が、転入生である立場を利用して、
強制的に休みを取らせた。

すると、「楽しんでいるように見せている」と、自らのことを打ち明け、
笑顔を見せてくれます。

幸福値は高く100台。
ですが、これも見せている、だけなのだとしたら。

「わかってなーいっ!!」
藤白乃絵里(澤田なつさん)

主人公の従妹。
何かと世話を焼こうとするものの、主人公が自分で済ませてしまった後で、
いつも不満の声を上げることに。

従妹なのだけれど、妹に何か思い入れがあるのか、
妹と呼ばせようとする。
主人公は頑なに否定する。

乃絵里と接しているときは、やや振り回されがちな主人公ですが、
理不尽だと思っても、悲しませたくは無いらしく、結局折衷案を出してしまったり。

変な歌かわいい。

幸福値は40台。
一番幸福度が分かりやすく上下するタイプですね。

というか、元気系妹キャラの澤田なつさん、いいですね。

「この島の全ての人に幸せになっていただくのが、天の役目ですから!」
天(姫原ゆうさん)

楽園こと、風南島の保守管理を行う、少女型人工知能。
ホログラムであり、呼ばれるとすぐに出てきてくれるが、
同時に呼ばれるとどうなるのかは、不明。

島に対する知識が豊富で、案内に非常に向いているが、
たまに、パンフレットの文言そのままを話すこともあったり。

感情豊かで、冗談も言うし、怯んでみせたりもします。

そんな天が存在するのは、この島に”楽園システム”があるため。
誰も不幸にならないことをコンセプトに、幸福度を割り出します。
数値が下がっている人物を見かけると、天がお手伝いに出向く、というもの。
この数値、人工知能である天には出現しない。

何かと主人公を気にかけてくれて、あれこれしようとしてくれます。
……ということは、主人公の頭上にも、数値は出ていない、ということかな?

制服を着ているグラフィックがあることから、
もしかしたら、学園に入っちゃう、みたいな展開もあるのかも。
少なくともミスコンに推せる可能性はありますね。

体験版を通してみて、あれっ、思ったより面白い、という感想でした。

実はこのシリーズ初めてでして、これまであえて手を出していませんでした。
それこそ、体験版すらも。

でも、プレイしてみると、雰囲気は明るいし、ちゃんと萌えもある。

ただ、話によれば、過去作品との繋がりが多いキャラクタがいるようですので、
過去作品に触れたことのない人にもきちんとアプローチができているかな、というところが、
ちょっと心配ではありますね。
説明があるというか、補完があったほうがいいかなと。

それと、システム面がちょっと古めです。

主人公の名前を変更できますが、これ、悪いところだと思います。
その名前が変更できるせいもあって、ヒロインが主人公のことを呼ぶときは、
「あなた」以外では、何も呼ばれないがテキストだけ表示されている、という状態になっているんですね。
名前固定化してくれた方が、よかったかも。

それ以外は、問題無さそう、というか、全力で青い空と蒼い海、
そして明るい島の雰囲気から、ただまったりと楽しめそうだなと感じます。

タイトル画面のギター曲も、そんな雰囲気ですよね。
たにはらなつきさんと、鷹乃ゆきさんのキャラクタは親しみやすく、
CIRCUSさんの彩色だから、というのが良く伝わりますからね。

2016年4月28日(木)発売予定です。


ダウンロード販売もあります。