SMEEさんの「カノジョ*ステップ」感想です。
カノジョ*ステップ
2017年9月発売作品。

恋愛モノといえばSMEEさんを外せない。そんなふうに期待をしていたわけですが、
さて、どうだったでしょうか。

ストーリーなどは体験版の感想をご覧頂くとして。
それでは感想です。ネタバレ多め。

さて、まず。

SMEEさんはコンセプトをきちんと公開して開発されているので、
それを改めて見ていくと。

step.1 ボーイミーツガール
これについては、体験版で全て完了しています。
結構あっさり仲良くなります。
ks7

step.2 コミュニケーション
3Dモデル導入をしています。
ランダムマップというのは意外性を与えるモノですが、イベントがある箇所は限られており、
結局総当たりになるんですよね。バックログジャンプを使ったりして。
ヒロインモデルが居る以外では、モブキャラクタによる会話と隠しキャラクタがいます。
最初こそ、選ぶ楽しみがありましたが、それほどでもないかなぁ、という印象です。

3Dモデル、今後使用する可能性があるのでしょうか?
だとしたらコストは下がると思うのですが。

step.3 恋の急接近
進展イベントは、どの作品でもあることなのだと思います。
が、SMEEさんはここが上手いですよね。
毎作、ここが楽しみです。実際良かったと思います。
そのうまさは、システムとして良いではなく、きちんと表現しようとしているからです。

step.4 告白
step.5 オープンorクローズ
が、その後が良くないです。
ks10


個別にチクチク書いてしまいましたが、
システムがウリです、というようなアピールをしていた本作ですが、
全体的に、連続性がなく断絶してしまっている用に思います。

パターンが変わる、のならば、
変わったパターンは、その隙間、一日の振り返りであっても、
つながっていなければならない。

付き合っていることを隠すか否か、という選択肢は、
最後の最後まで、それこそ、ルートのエンディングまで、
継続してないとおかしいですよね。

つながっていないと、せっかく選んだことに意味がありません。
このシステム良かったな、ウリだったなとも、好意的に受け止めにくい。

付き合っていることを隠した場合は特に。
何らかの形で明かされる時こそが大事じゃないですか。
ks11

例えば。
最近、会長がなんかかわいい。今まで美人って感じだったのに、何か柔らかい。
時々、妙に可愛いもの持ってきている。プレゼントか?意外と可愛い趣味だったのか?
時々、携帯を見ては、ため息付いている。
会長、誰かと付き合ってるんじゃない?
でも、会長本人はまだ隠した状態。否定する。

憶測が憶測を呼ぶ。そして…。

人気の生徒会長だったら、隠した時は、こういう展開もいいですよね。

選択肢の結果が継続する、ように思えるアピールだったように思うんですが、
それは錯誤なのでしょうか。
ks8
それと。
せっかくの選択肢は、たった数テキストで終わってしまうんですよね。

で、こうなると、プレイヤーとしては総当たりに、
戻って選択、戻って選択というプレイになります。
だって、ヒロインがどんな反応するのか、みたいですから。

どんな反応をしてくれるんだろう?
どんなふうになっていくんだろう?

そういう欲はありますが、
わざわざ選ばせるほどでもない仕上がりなのが残念です。
正答に当たった場合、選ばなかった方を選びにいかない。
他のブランド作品と変わらないです。

ただ。
カノジョステップ、というステップの部分は、
なかなかどうして、うまく表現されていました。

付き合って季節が進んでいく。
カノジョも段階を経て、どんどん変わっていく。
その変化は、テキスト上、セリフ上で満遍なく表現されているんですね。
だから、エンディングにはすごく納得しています。
このカノジョたちの変化なら、こうだろうなぁ、という。
順調に進んでいっているのがわかる。

その変化は、シーンの変化にもつながっています。

ks6

これを顕著に感じたのは、新体操の子。柳明日香(木住葵さん)。

男女の垣根なく遊んでいた時の気分が抜けず、
最近は男性の輪に入ろうとすると避けられてしまうことに寂しさを覚えたりする。
……というキャラクタなんですが、ここが上手くフォローされていませんでしたね。

新体操をやろうと思ったのは、姉への憧れ。

自らの魅力に気づいていない、
言われていても届いていない。
そんなカノジョの魅力に気づきつつ、
カノジョを真剣に助けようとする主人公。

なるほど、なるほど……。
ほんと、恋愛という面において、SMEEさんはすごいです。

恋愛の相手を用意することで、少しずつ変わっていく。
自分が女だと自覚する。

相手がどこを見ているのかが気になる。
相手が何を見てきたのかが気になる。

彼氏をあしらってみせたり、だんだんと、余裕も出てくる。


恋愛過程はさすがですが、やや乱れを感じられるんですよね。
入力ミスがちらほら見かけられるということだけでなく、
(フォント大きく、というのがテキストウィンドウに残ったまま、など)
明日香が新体操演技上手くいかないのって、そんなにあれこれ理由あるんでしたっけ。

展開における表情の繋がりも、少し弱いです。


うーん。
前作まで、SMEEさんはすごいなーと思っていただけに、
期待が、がくーっと落ちてしまっている印象です。

決して悪い作品ではない、楽しめました。
でも、なんでしょうね。慌てて作った、みたいに詰めの甘さが見えます。

厳しいのかな、とは思いますけれども。

例えば、ですが。
他ブランドさんがそうしているように、
過去作品の中で、共通的に使えそうなものは使えるように設定を組み上げてしまう、
というのがコスト下げやすくていいのではないでしょうか。

どちらかというと、ビジュアルよりもその内容がウリのSMEEさんは特に、
このやり方は使えそうです。

時間軸が違う形で、過去作品に触れられるテキストがほんの2行でも出てくれば、
それで納得してしまいそうですよね。

なんでも、レストランがあるらしい。とかね。
(「ラブラブル」のやつですね。)

未プレイの方にはわからないテキストが少し、というところですが、
それくらいは無視できてしまうものです。
何かあったんだろうなぁ、というカンも働きますし。

ファンであれば、関与性を示されると、うれしいですよね。
ks12

隠す理由は、明かす場面の楽しみ。
それがないのに隠してもしょうがないな、と思ったりはしました。
ウリとなるシステムとは呼べない。

一方で、ヒロインを可愛く描くことについては、さすがのSMEEさん。

なんていうかな、他の作品に比べ、ヒロインにリアリティがある。
エピソードの選び方、台詞。
例えたった2クリックで終わってしまうテキストですら、それを感じますよね。

少なくとも、主人公は性格イケメンなのだと思います。
本当のところで男らしさ、優しさを発揮します。
さりげなくフォローしたり、自分が進んで泥をかぶる。

それを前提として、お互いを思い合う、というところが高次でできています。
つまり、ヒロインもそれを感じ取れる。

なので、他の作品よりもきちんと恋愛しています。
ちゃんとお互いを見て、向き合っているなと感じられます。

こういうところがSMEEさんらしさの一つでもありますよね。

ただ、やっぱりグラフィックが惜しいのかも。
いいテキストなのだけれど、どう伝えるかの部分って大事ですよね。

正直、シーン中の構図などはすごくいいんですけど、
なかなかにそそりますが、もう少し描き込みが必要だと思いますし、
やっぱりSMEE好きで見ていると、あめとゆきさんやひなたももさんの原画、インパクトあるじゃないですか。

音楽は、今回もすごくすごくよかったです。
OPのハレノヒステップ、EDのHAPPY for GOOD。
草木の匂い。ピアノが本当に草木を奏でています。
リコーダーverだと素朴な感じに。オルゴールではどこかノスタルジックに。
起きるのやだなぁも良いし、星、満ちても。
ハズレな曲を感じないんですよね。

様々、いい場面を描いているのに、描写が弱い。
そこはもったいないので、改善できると良いな。




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