Princess Sugarさんの「姫と乙女のヤキモチLOVE」体験版プレイしました。
姫と乙女のヤキモチLOVE

Princess Sugarさんの新作は「姫と乙女のヤキモチLOVE」。
”お姫様とお嬢様による恋の異文化交流ADV”。

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意之杜学園は、かつて男子禁制だったためか、依然女子が多い。
「ごきげんよう」という挨拶が交わされる、お嬢様ばかりの学園だ。
その意之杜学園で全生徒からの賛成信任で生徒会長を務める氷澤和希は、
生徒の立場だが、理事長代理でもある。

これには、理事長だった父が放蕩だからという理由がある。
幼い頃は、和希も父に連れられ世界中を回ったこともある。
が、校長を含めた取り巻きが、「そういうこともあるかもね」程度の反応で、
「後のことは和希に」、という指示がなされていたのは、
職務を振られた側としては納得がいくものではない。

でも、それはまだ、些事といえる。

共学化など、表向きは新しいスタートを切った意之杜学園は、
改革という建前の下、やりたい放題に弄んだところがある。
それによって、「借金返済の目処が立たないので対応を考える」、
という書き置きが自宅に残されていた和希は、
意識がぶつりと途切れる感覚を味わった。
恐らく命を失う時のそれに近いものなのだろう。

これまで自分を取り巻いてきた環境が全てウソで、幸せな未来予想図も崩れ去った。
以来、家の電話が鳴れば借金取りかと一時考えてしまうし、眠れない日々が続いている。

このことは、10年来の付き合いがある天都沙良にも言えないでいる。
何か起きれば巻き込んでしまうのは間違いないが、それでも。

ある日のこと。
学園の廊下が人で溢れかえっていた。校長も他の先生方もびっくりしている。
校門に、謎の外国人の集団が現れているのだ。
その集団の先頭、一際目立っているのが、傍らに女性を侍らせたドレス姿の女性。
舞踏会か、絵画から飛び出してきたのかと思うほどの洋装。
理事長代理として、集団に近づいていくと、声が掛けられる。
「氷澤和希様でよろしいでしょうか?」
応じながら近づくと、侍っていた女性が和希の膝裏を払い、肩を押さえられる。
ドレス姿の女性に向け、強制的に片膝を付かされた格好だ。
「乱暴すぎるわ、マリー。わたくしは……」
「さぁ、氷澤様? 姫のお手を」
侍従は、どういう関係なのか姫と呼んだ相手の抗議を無視した。

「お目にかかれて光栄です」
高貴なお方への挨拶は何度も経験している和希が言うと、
「お目に……そ、そう……覚えていらっしゃらないのですね」
「お名前をお伺いしても?」
「わ、わたくし……」
姫は、返事の代わりに、和希に口づけをしてきた。
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その感触に衝撃を受けているうちに、侍従が伝えてくる。
「この意之杜学園の所有権は正式な手続きをふまえ、スタンハール王国に譲渡されました」


体験版は、916MBでした。

共通ルートの途中までしっかりと体験できます。

システムがシンプルで、ちょっと古い印象です。
画面のサイズ調整だけでも、何とかして欲しいかなと思います。
あるいは、右クリックメニューを追加してもらえるとか。
そうじゃないとボタンも押せないので困ってしまいます。

個別音声がすごいバランスに初期設定されていますね。
これは誰か、試聴されてこの設定にしたのでしょうか。
だとしたら環境も教えてくれると助かります。

プレイして思うのは。
みけおうさんのイラストってどんどんレベルアップしているなということ。
それをきれいに彩色してくれて提供してくれるPrincess Sugarさんには感謝しかないです。
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なので、立ち絵でヒロインが数人現れているだけで、画面が眼福です。


キャラクタもなかなかかわいらしいです。
例えばツンデレ担当(?)、副会長でもある天都沙良(青葉りんごさん)。

冒頭でお弁当を作ってくるのですが、
御重で伊勢エビを用意して見せたり。テキストにもありますが、買うのが大変な食材です。
きっと、立派なものを食べさせたい、和希に出したいということなのでしょうね。
シェフに習った上で調理に挑むとか、本気も本気です。
それを、
「い、いいい言っとくけど、お料理の練習のために作ってきただけよ」
「サッと作ってきただけなんだから」
「な、何? 言葉がやさしい……でも感想としては平坦っ」
「和希が食べなきゃわざわざ作ってきた意味がないでしょ」
こう、気付いて欲しい、意識して欲しいんだけど、
でも素直にはそう言って差し出すことが出来ない。
セリフの選び方が上手いですね。
また、ヤキモチ焼きだという性質も、このセリフから窺えるんですね。
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結局、感想というよりアドバイスに終始した主人公の言葉を全身で理解しながら、
楽しく昼食してしまう、という展開で、
この場面だけで、かなり沙良への好感度が高まります。
ヒロインを紹介する場面作りは気を遣うべきだと思いますが、
この作品は上手ですね、テキスト運び。

と思ったら、シナリオ担当されているのが近江谷宥さんでした。なるほど。

ただ、体験版仕様で、場面の繋ぎが脈絡が無いのですが、
それを省いても、場面が唐突に終わってしまう箇所があったりもします。
これ、製品版もこのままじゃないといいなと思っています。
(一応、体験版で製品版と違うという免責は明示されています)

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さて。
スタンハール王国王位継承順一位のアリーゼ(くすはらゆいさん)と同居することになります。
とはいえ、借金の関係もあって、和希の住んでいる場所すらスタンハール王国に接収され、
自宅だった場所に居ながらにして、どちらかといえば居候の扱いになってしまいます。
学園でも、留学生側から生徒会役員の再審要請が行われ、
侍従のマジョリーヌが暗躍し、アリーゼ姫の望み通りにしようとします。
和希を会長に、アリーゼを副会長にと。

また自宅ではアリーゼをけしかけて夜ばいさせるなど、
色々な意味でこのマジョリーヌ(北見六花さん)、恐ろしい人です。

そのアリーゼのストレートなアピールに対して、
天都沙良は正面から対抗心を燃やし、
銅襄菜乃花(小倉結衣さん)は先輩風を吹かせながら絡め手でアピールし。
留学生組のベルアージュ=ポゾン(藤咲ウサさん)は、漫画知識で。
千鳥杏子先生(早瀬やよぃさん)は、以前から会議と称してお茶に誘って。
どんどん、アピールが積極的になっていきます。

4人+2人で、6人もヒロインがいる作品は、なかなか珍しいですよね。
それでいて、和希が誰かに優しくしていると、拗ねて見せます。


整合性とか唐突な場面展開とかが気になるところですが、
eco*さんのSDキャラクタも含めたグラフィックがとても強いので、
検討の余地はありますね。



抱き枕カバー付き豪華版は、アリーゼです。



2018年9月28日(金)発売予定です。


ダウンロード販売もあります。