ゆずソフトさんの「RIDDLE JOKER」感想です。

2018年3月発売作品。

ゆずソフトさんの「RIDDLE JOKER」は、
物理現象に影響を与える超能力アストラルが存在する世界。

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そのアストラルを使った犯罪を、影から阻止する秘匿組織のエージェントである在原暁は、
新たな命令で、妹とある学院に潜入することになる。

その場所は、アストラル研究が唯一行われており、アストラル能力者を集めた学院。
鷲逗研究都市の橘花学院。全寮制。
そこには”可愛過ぎるアストラル使い”として知られる、三司あやせという学生がいた。

認識阻害のアストラル使いを探して、学院のシステムをハッキング中のこと。
その、三司あやせが襲われる事態が起きた。
在原暁が暴漢を制圧するが、潜入していることを明かしたことになってしまう。
しかし、三司あやせにも変わった秘密があり……。

それでは、感想です。ネタバレ少しあります。



珍しく大きな修正ファイルが出ているんですよね。
OS側の変更も関係しているのかもしれませんが、不具合修正が多い。
機能追加もありますが、結構大変な修正ファイルに思えます。
なくても進行が止まることはありませんが、プレイ前には必ず当てておいたほうが良いです。
便利なフローチャート機能や、お気に入りボイス機能に関するものもありますので。

ええ、システムはとにかく便利です。
それほどルート進行が複雑ではないのですが、フローチャート機能は、
ある意味、見たい場面を見られるものなのです。
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お気に入りボイス機能もそうですね。あの場面のあのセリフを呼び出せる。
性質としてはセーブに近いところがありますが、
わざわざ画面を作って、キャラクタのかわいらしさも思い出せるようにしてくれています。

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それから、サスペンド機能。
前回終わったところから、起動して即始められる。
次の日も楽しめる、すぐ物語の世界に戻れるための機能。

このあたりこそ、サービス精神が出ているのかなと思うのです。
魅力的なキャラクタのいる世界に、少しでも浸れるようにしてくれているなと。
修正パッチの確認も、ソフト上でオンライン確認をやってくれるんですから。

唯一、機能面で不満があるとすれば、AUTOモードの解除に関するもの。
AUTOモードを解除しないとお気に入りボイス登録ができない、
セーブしていると音声が止まってしまう、AUTOモードが解除されてしまうのが難点かな。


原画はむりりんさん、こぶいちさん。
SD原画はこもわた遥華さん。

今回もまたCGはレベルが上がっており、構図や表情差分に新鮮なものがあります。
差分はセリフに即して魅力的に動いて使われ、
今更書くことでもありませんが、作品が進む度に良くなっていくのには、
作品に関わっている多くの方の力が集結された結果なのでしょうね。
美術には、CWF美術部さんであるとか、PurpleSoftwareさんの名前も連なっています。

ほんと差分の表情ひとつひとつが魅力的。
そして、今作は、アストラル能力に関係したグラフィック面の演出がすごい。
光学迷彩、水の糸……。
下手な伝奇バトルものよりも表現が直感的に分かりやすく、すごい能力だと伝わるんです。
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さて。
アストラル使いとして橘花学院に潜入することになった暁たち。
学生としてある程度普通に過ごすことも任務であり、
または情報局特別班室長で義父の在原隆之介による、
学生らしく過ごして欲しいという思いやりでもあります。

学院には様々な理由で在籍しているヒロインたちがおり、
その中でも一番目立つ人物の秘密に接触してしまうところから、
物語が大きく動きます。

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それが、”美人すぎるアストラル使い”と呼ばれる三司あやせ(沢澤砂羽さん)。

数年前、橘花学院がある鷲逗市で、工事車両による大きな事故があり、
それをアストラル能力で阻止したという。
スタイルが良く、明るく社交的な学生会長……というのは表向き。
可愛いのは間違いないのですが、外面の良さとスタイルは偽装したもの。
特にスタイルについて何か言うと、やや被害妄想気味に反応を返してきます。
「いや、そもそもパッドパッド言わないで欲しいんですけど」
そんなあやせの癒やしは、ねこ動画。見ているだけで表情がとろけるほど。
触りたいが、学院に住み着いているねこを触ろうとすると逃げられる。
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触りたい欲を抑えられないらしいです。

アストラル使いは、様々な外部要因から狙われることがある。
アストラル使いを邪なものとして社会から規制排除しようとする、
あるいは兵器として使おうとする勢力もある。

三司あやせが狙われたのは、アストラル使いを集め、
アストラル研究の最先端でもある橘花学院の顔ともいえる存在であること。
広報活動は、アストラル使いの地位向上を目指したものだが、
その逆をいく勢力たちによるものだった。

再び三司あやせが狙われると知った在原暁は、
あるアストラル使いの能力を流用し、その機転によりあやせを守る。

しかし、安心させようと三司あやせと会話をしている最中、在原暁は倒れてしまう……。
研究棟で、様々な検査を柿本香里先生にしてもらったが、貧血であることしか分からない。
厳重に安静を言い渡され、手持ち無沙汰になる在原暁の元へ、
鉄分が入ったお菓子などを持って見舞いにくる三司あやせは……。

っていう場面で、既にかわいい尽くしなんですよね。
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ついポロっと言ってしまうこと。
ずーっと気を張っているのは、大変です。
お互いに裏側がある二人、裏側を知ってしまっている二人。
力を抜いて話ができる相手は、味方というポジションになります。
ここは設定が上手いというか。
また、相手のことが気になってした、あやせの質問。
「在原君って、どうしてそんな仕事をしているの?」
つい聞いてしまいたくなるのは、あやせの心の動きでしょう。
これも上手いなぁと感心します。
そして、あやせが語り出す、自身のこと。
「ひとまず秘密の重さのバランスは取れたってことで……ダメ?」
フェア、なんです。あやせは。
こういう行動を取ってしまうヒロインだ、というのが魅力を感じますよね。
この場面、とにかくかわいいなと思ってしまいました。
そして、二人の間に流れる雰囲気。気心知れたというのでしょうか。
会話することに壁がない。冗談もやり取りできる、ちょっと大人な関係というのかな。
それを感じました。

ストーリーは、メインヒロインだけあって、
アストラル使いとして役割を背負わされている部分がとても大きいこともあって、
最後にした方が良いような、そうでもないような印象です。

でも、あやせのストーリーを味わっただけで大分満足してしまいました。
あ、あと、最後の最後で、こう、どうやって偽を作るのかというイベントCGまであったのも含めて。
むなしいを、虚しいって変換させたの、わざとですよね。
見事です。やってくれました。


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クラスメイトで寮長も務めるのが、二条院羽月(遙そらさん)。

真面目で厳格。自分を律して他者を導く。
父も警察官で、由緒正しい家柄。
勧善懲悪人情モノの時代劇が好きで、セリフを引用しながら手を貸してくれたりと、義理堅い。

幼い頃に、同じくらいの年齢のアストラル使いに助けられ、
その彼に憧れて、いつか自分も人を助けられる存在になりたいと思うが、
アストラル能力が望むように使えないところがあり、在原暁にアドバイスを貰う。

その能力は水に関するもの。
空気中から水蒸気を集め水流にしたり、細い糸状にして鳴子の代わりにしたりと、応用範囲は広い。

ある日、出掛けた際に蛇口が弾け飛ぶ故障が起きた。
以来、鷲逗市で似たような水に関するトラブルが……。

難しいキャラクタでした。
自らの思う正義、それを為すことが出来ない。
そして自らの信義と違う行動を、想い人が取った時にどうするか。
決戦で一気に明かしてしまうことで、解決まで持っていっています。

でも、想いが届かないときのくすぶりも、届いたときのダッシュ力も、
このキャラクタならでは、ですね。
名前をなかなか呼べなくて、今は何卒ご容赦をっ、と言ってしまうのも、非常にらしい。


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研究員としての身分を持っている式部茉優(西園純香さん)

留年を繰り返し卒業していないこと、自身の研究室を持っていることなど、
橘花学院で特別待遇を認められている。
代わりに、編入生のアストラル計測を行い、能力データバンクAIMSに登録したり、
アストラルの理論についても最新の情報を保持している。

気になることがあると口にしたくなる性格と自称する。
また、自己評価が低く、無防備なところがある。
留年している分年上ではあるが、若い子と一緒に並ぶのを嫌がったり、
一方で、年上風を吹かせて、お姉さんぶろうとすることもある。

体験版で、在原暁と同じ孤児院にいたことを明かし、距離感が狭まるところもあれば、
在原七海にすごいことをされてしまうところも。

他のルートだと、ちょっと割を食う場面もあります。

いってみれば在原暁はデータを盗むスパイであり、式部茉優はデータを持っている側。
敵対関係に陥りやすい状況です。
そういう難しさがあったように思います。
情報収集のため接触、しかし過去を知っているやりづらさと、
過去とは違い仲良くしてくれていると思われていることへの罪悪感。
そこまでは良かったのですが。
完全に対立すべき場面の展開がどうにも腑に落ちませんでしたね。

自信のなさからカップル宣言できないことや、
そのくせ、目的のために理事長にズバッと宣言してしまうこと、
変わったバランスのキャラクタでしたね。
このあとも急に展開する箇所があって、巻いたように見えてしまいました。
在原暁がアストラル能力で解決する場面は、演出あってもよかったですよね。
他のヒロインとのバランスを持たせたということなのかもしれませんが。
また、在原暁もこのルートでは割とやんちゃ扱いです。

式部茉優も、アストラル研究者だけあって核心を語る面があります。
研究棟の奥に入れる、その理由は……。
「目的があるんだ。それを果たすまでは卒業できない」
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翠の髪にメガネ、白衣と、素晴らしいデザインでした。
これは人気出ますね、と思ったら順調に抱き枕カバーになっていますね。
若くない、モテない自虐アピールという難しいキャラクタではありましたが、
茉優先輩かわいいという声をよく見ますよね。


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下級生ですから、本来は縁がなさそうな、壬生千咲(夏和小さん)

かわいいですね~。
たぶん、いちばん明るくて、いちばん女の子なヒロインです。
アストラル能力が無い一般人。なのに、学園に入ったのは、
忌避されることもあるアストラル使いと、友達になりたいと思ったから。
それにはまずアストラル使いのことを知りたいと思ったから。

コミュ力お化けと評される千咲。
怖い目に遭った友達の助けになろうと、自分が囮になると言い出します。

好意を感じたときも、ストレートに出してくれます。千咲らしく。
この子に対する暁の気持ちは、共感できるところがありますね。

何が恋なのか気付いてからの急展開も、非常に千咲らしく思えます。
水着もスタイルコンプレックスあるみたいですが、かわいいですよね。
本編でもアフターでもイタズラ小悪魔風で、とってもかわいい。
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他ルートでも、グイグイ引っ張ってくれる場面が多く、
とても頼りになって、特に七海なんかは救われたと思います。
千咲が、最初に友達になってくれて。

差分にある、にや~っとした笑いと、にーっと歯を見せる笑顔が好きですね。
さらにイベントCGがとっても色っぽい。


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在原七海(くすはらゆいさん)

在原暁と一緒に橘花学院に編入するアストラル使い。
任務では在原暁と組んで、主にバックアップやデータ収集担当。
アストラル能力のヒーリングで、暁の怪我を癒やすことも。

在原暁と同じように在原隆之介に拾われたため、血縁関係はない。
兄をシスコン呼ばわりするものの、ブラコンといわれるほど甲斐甲斐しく世話を焼く。
さらに、困って兄に泣き付くなど、甘える場面が見受けられる。
兄が兄自身を大事にしないと、頬を膨らませて怒ることも。
……というかこの頬を膨らませて怒る差分がとってもかわいいですよね。
そのたびにセーブしてしまった気がします。

兄にあれこれ言いながらも親身になるのは、
学院に入る前から気付いていた気持ちがあったから。
学院で、兄の周りに女の人が増え、応援したいという気持ちもあるが、
やっぱりそれは嫌だという気持ちが勝ってしまう。
そんな折り、新たな任務が……。

このルートでは、きっとこんなことを考えたんだろう、という、
相手のことを慮るテキストが増えます。
また、すごいシーンに発展しそうなところが無かったり、
シビアな展開に発展しますが、それをうまくまとめ込んだり、
暁も、自分自身の望みに気付きます。
なかなか面白いシナリオでした。
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七海の私服って、割と最近流行ってますよね。現実で。
そういうセンスの良さも感じます。
膨れる七海がかわいい。流し目っぽい表情もかわいい。

他ルートでも、とにかくフォローをする。
独断専行した在原暁と同罪だからと謝ったり、倒れたと知るや駆けつけたり。
怪我をすれば心底怒った上で治癒を施そうとしたり。
他のヒロインのほうへ行ってしまっても、あくまでも近くに居ようとしたり。
これは人気出ますよね。

あ。餃子作ってるSDすっごく良かったです。
可愛いと思いながら、力の入った皮作りに笑ってしまいました。

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とにかくこの作品、ゆずソフトさんの作品は、要素のレベルが全体的に高いです。

音楽も良く、音響面では、暴風のSEがすごく良かったですね。
こういうところに手を抜かないのが素晴らしい。

ビジュアルの強さがとにかく際立っています。
豊富な差分を活かして、画面に釘付けにされるんですよね。
それがすごいなと。
例えば、七海が悶えている間、吐息の度に差分が動くのですが、
それを一定間隔の動きで処理していない。
少し落ち着こうという意志があるのか、後半はゆっくりの動きにしていたりするのです。
表現力が高い。伝わる。

そうして出来上がるキャラクター。
そのキャラクターソングをカットできるのも、それを続けられるのも、
キャラクター作りや配役をしっかりしているからなのかもしれませんね。
それを続けることが出来る。ゆずソフトさんは本当にすごいと思います。

実際、上手い声優さんばかりです。
テキストは表示されていませんが、動きを表現するために吐息を入れてからセリフを言ったり。
指示もあるのかもしれませんが、それが様になっているんですよね。

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理事長の伊勢篤紀役の一条和矢さん、在原隆之介役のほうでん亭ガツさん。
男性キャラクタの声が良いのも、ずっと変わらず続けています。

ほぼ、かわいいしか言ってない気がしますが。
ここまでかわいい尽くしなのだから仕方ないし、それに浸れる作品がすごいのだと思います。
なんだか年々、かわいいが満ちている気がします。

体験版をプレイした際に気になった、
式部茉優が知り合いかもと在原暁に訪ねてきた時のテキストなど、
製品版ではさらにフォローされていて、そういう部分も流石だなと思います。


ゲームは、総合芸術と呼ぶこともあります。
少なくとも。色んなところに気を遣って、追究して細部を詰めて。
そういう完成品であることを感じますね。




ダウンロード販売もあります。

RIDDLE JOKER

7,800円



次回作はもう制作に入っているのでしょうか。それを見られるのは、また再来年くらいかな。 楽しみです。