minoriさんの「その日の獣には、」体験版プレイしました。

minoriさんの新作は「その日の獣には、」。

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「秋まで、わたしたちは本番ないってこと……なんだよね?」
部長の話を聞き、幼馴染みの池貝舞雪が、少しがっかりしたように言う。
「慣習通りなら、そうだな」
友瀬律希は頷くが、納得してはいなかった。
この学園で一番厳しいといわれる演劇部には、慣習がある。
秋の全国大会へ向けての夏の選考会。
その夏の大会は、3年生のためのもの。
新入生は、舞台に立つ選考会に出ることもできない。翌年からなのだ。
それが、律希には納得がいかなかった。

チームワークも大事であること。
熱意を、説得以外の方法で伝えること。
律希は、元プロの子役だったこともある友瀬瑠奈と話し合い、
気づきを織り込んで、改めて部長の佐伯つばさに直談判した。

「選考会に参加していいレベルに達しているかどうか、何か演じて見せて欲しい」
部長から好条件を引き出せたが、部の一年生の反応は芳しくない。
結局、幼馴染みの舞雪と、学園を休みがちな深浜祈莉しか、連れてくることが出来なかった。
それでも、せっかく得たチャンス。
律希の台本を元に、瑠奈の指導で練習を重ね、選考会前の選考に挑む。
そこでは。
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「”あなたは――変わってしまったの!”」
舞雪が、場を支配していた。

泣き虫だった舞雪からは考えられないほどの成長。
演技に対する自信とプライドの高い瑠奈は、
1行も自分のことに触れられていない講評に、先に帰ってしまったほど。
全ての講評が、舞雪のことを称賛していた。

「もしかしたら……あの人のおかげ……だったのかも」
ポツリと舞雪がつぶやく。

この学園には、噂がある。
演劇が盛んで、卒業生の多くが俳優や脚本家となるから産まれたのかも知れないが、
ある、幽霊の噂だ。

止まった時計塔にいる、クロガネという名で、
なんでも、演劇に関する願いなら何でも叶えてくれる、という……。

体験版は、1.41GBでした。
今回の体験版は、解凍に特別な手順は不要です。
前々作「罪ノ光ランデヴー」からでしたでしょうか。

原画は、konomi(きのこのみ)さん、蟹屋しくさん、柚子奈ひよさん。

相変わらずグラフィックの美しさはトップクラス。
これが、背景だけやキャラクタだけではなく、どちらも統一されたものであること、
立ち絵だけ、イベントCGだけではなく、
どの画面を見ていても同じ印象を持てること、というのが、
minoriさんの本当の強さなのだと思います。

ですので、背景やグラフィックに関しても、公式サイトで公開してしまっても良いと思うのですね。
たぶん、BoCudenさん演出、手塚忍さん、UEMさんが色彩、なのだと思いますが、
関わった方を最初から公式サイトでも公開してほしいと思うのです。
讃えるべきは誰なのか。ぜひ伝えて欲しいところですよね。
このクオリティは、どのブランドでも出せるモノでは無いから。

誰が話をしているのかに合わせたフォーカスも、見事な演出です。

そして、音楽。音響。
場に合う音のバランスが最初から施されているのも、考えてみたらすごいと思います。
こちらは、松木仁美さんでしょうか。
音楽だけでなくて、セリフがちゃんと聞こえる。
音が大きいということではなくて、聞こえてくるバランス。
朗らかなメロディが流れても、深浜祈莉のか細い声もしっかり聞こえますよね。

体験版時点でここまで出来ているブランドさんって、そうそう無いです。
ちゃんと監督すべき担当がいらっしゃるからこそ、できている。

きちんと表現して、届けたいと思っているのかも。
そんな風に感じました。


今作は、演劇を軸にしていますが、
欲していること、欲に対する物語です。
演劇で周囲を認めさせたい。誰かの助けになりたい……。
それぞれの向き合い方があります。

そのために、演劇を成功させたい。
……うまくいかないこと。
その時の周囲からの評価。自分を責める気持ち。もっと欲する……力。
それさえあれば……自分も、みんなも、うまくいく。
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そういう気持ちを、物語の上で背負わされているのは、池貝舞雪(くすはらゆいさん)。
姉の方がなんでもできたこともあり、幼い頃から劣等感めいたものがあった。
そして、演劇でも。
努力はしているが、上手く出来ないで居る。

そして、クロガネと呼ばれる存在に出会ってしまう。

一度は、その力で成功した。
次の機会には、力を貸すには一番大切なモノを渡さなければいけないと、躊躇ってしまった。
そして、力を失って、元通りの素人芝居しか出来なくなってしまう。
このことが、律希たちのチームに不協和をもたらす。

だから、と。
再度、その力を得ようとする。差し出そうとしてしまう。
大切な気持ちを代価にして。

踏み切る前に、精一杯、できる限り伝えようとする舞雪。
「もし、わたしが……壊れちゃいそうになったら……わたしのこと、助けてくれる……?」

こんなに背負わされているのに、恐らくセンターヒロインではないんですよね。

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13回もの手術を経て、この場にいる深浜祈莉(夜長桜さん)。
少ないとはいえ、友達の輪の中に居られることも、
おそらくはクロガネに何かを差し出した後のよう。

チームが瓦解しないように、新たに祈莉は何かを差し出し……、
そして、ある脚本を得る。
それを見せたメンバーの反応は、一気に逆転。
まとまり、この脚本を演じたいという欲に駆られる。

その題名は、”ソノヒノケモノニハ”。

「想いを叶えるということ / 誰か・何かを好きになるということ」を映す、
“ 18禁PCゲーム ” という名の物語に、どうぞご期待ください。

演劇は、独りで全てをやるのは難しい。
多くの人が関わって、見事な一瞬を見せてくれる。
ゲーム作りも同じですね。
そういうことに気づけた題材でもありました。

気になるとしたら、舞雪の出番は体験版でほとんど終わってしまうのではないかという不安と、
佐伯つばさ部長とは仲良くなれる道は全くなさそうなのが残念だなということでしょうか。
どんな形にしろ、救いのある形で終わる物語だと思うので、そこに期待します。


珍しく延期になってしまっていますが、あと1ヶ月後には無事リリースされると思います。

豪華版には、サウンドトラックCDと小冊子が付属します。


シンプル版は、ソフト単体のみ。

2019年1月25日(金)発売予定です。


minori公式通販けものEDITIONボックスもあります。