miraiさんの「宿星のガールフレンド2」感想です。
2018年12月発売作品。
miraiさんの「宿星のガールフレンド2」は、
1作目で魔神陣営に居たマーヤ・クリエンケがメインヒロインとなります。
公園を歩いていると、草を食べたりサバイバルなことをしている美人に出会った。
それがマーヤ・クリエンケ。ドイツ人。
何か事情があるのか、距離を離そうとしていたが、
食事面で助けた星司に、義理堅く礼儀正しいマーヤは、交流ができる。
そしてマーヤの事情、戦いに巻き込まれる。
魔神サブナクに、マーヤの使い魔になることを勧誘される。
しかしその生活は、赤い縄の範囲内。半径1メートル以内に限られて……。
それでは感想です。ネタバレは少しあります。
いやー、本当にまた面白かったです。
スキップでもしているようなノリで物語が進んでいく、
明るくライトに楽しめる物語です。
かんなぎれいさんに描かれるマーヤは魅力的美人として登場し、
とにかく豊富な画面演出は、前作に上乗せされていました。
前作の半分以下のプレイ時間というのはびっくりしましたけど、
それでもマーヤにたっぷり浸らせてくれました。
そのマーヤ。
体験版でも感じましたが、「宿星のガールフレンド」上泉夕里ほど、
強烈なキャラクターではないので、どうなるかなと思っていました。
が、体験版プレイから時間が経過しても、負けないくらい魅力的なキャラクタでした。
ヒロインへのフォーカスが上手いのかも知れませんし、
上泉夕里がサブキャラクタ的な要素を持っているからなのかもしれません。
でも、その位置に押し込めようとしても、中心に出てこようとするのが上泉夕里。
しかしそういうキャラクタの行動すら、上手く扱ってくれています。魔神が力を貸すのは、マーヤを尖兵にするため。
マーヤたち吠えたける獅子の会は、スターズとは敵対関係。
マーヤもスターズ、上泉夕里たちと戦っていました。
なぜ、手を貸していたのか。
その理由については意外とあっさりしていて、魔神サブナクに洗脳を受けたから。
悪い存在のせいにしたほうが、確かに収まりは良いんですよね。
ヒロインに対して悪い印象を持ちませんし。
ギャグというかコメディ的な展開だからこそ、
敵は敵として置いておくほうが、ストーリーの流れとしては良いわけですね。
そのために、デーモンデザインは、すごくしっかりされています。
(新デーモンが登場します)
とはいえ、ちょっとあっさりしすぎていたかもしれません。
もう少し巧妙な罠の上で、洗脳だというなら腑に落ちたかも。
今作では、高杉星司が、意外に積極的に行動します。
与えられた力は、魔神寄りの闇の力。
マーヤのサテライトとして活動するためにがんばりますが、あっさり気絶してしまいます。
闇に合う行動をしなければいけない。それは欲望の解放だと魔神は伝えてきます。
そこで星司が取る行動が。
唆されたし、マーヤも受け入れてくれるし、一歩受け入れてもらえた途端にもう一歩、と。
据え膳食わぬは男の恥、みたいに、あまり躊躇を感じないのですね。
本来、憧れの上泉夕里さんに話しかけることも出来なかったはずですが、
その頃の彼ではないようです。
そこは少し駆け足だなと。それによって、弟や子供に接するようにしていたマーヤから、
快感を引き出してしまうわけですが。
今頃気付いたのですが、良くないのは、
スタッフロールのフォントがかっこ悪いということでしょうか。
あと、誤植がいくつかありますね。
マーヤは真面目なタイプのキャラクタです。
そのキャラクタに、こんなことを言わせたら、させたら面白いというシナリオ設計で、
進行していきます。
「お前と居ると時々、変な衝動に駆られた。胸がドキッとするような感じだ。それは……、」
マーヤ・クリエンケ(桃山いおんさん)。
真面目、腹減り、食レポ上手。
年上として振る舞い、それが違和感なく収まっているのは、
真面目なキャラクターだからでしょうか。
色々なことをしていなかったので、楽しみなときは素直にそわそわする。
そのほうが伝わるからと、直筆で手紙を書く。
世話好きなところがあり、甘やかしすぎない程度にあれこれしてくれる。
だから、恋のきっかけも、自分の役目が取って代わられることになりそうな時。
「私が居るから、別にアイテムに頼らなくて良くないか?」
ここではまだ、あくまでも自分の役目、執着めいたもの。
星司は既に告白しているものだから、ストレートに魅力的だとマーヤに伝えて、
動悸に働きかける。
幾度も繰り返し、
「普通……キスって……こっちより先に……、……そっちにするよなって思っただけだ」
それら全てを、テキスト上ではなく、桃山いおんさんの声と演技で納得させている。
こういう省略の仕方、伝え方もあるんですね。
そう、桃山いおんさんがものすごい。
真面目なキャラクタを感じさせながら、ネタを放つときは、ちゃんとネタ元を感じさせる。
「妙だな。これは何かが起きている。学園生探偵マーヤが謎を解き明かす」
訓練旅行の支度をしていて、星司とやりたいことを話しながら。
「ふふ。それ、楽しみだな」
ここ、本当に楽しみにしているのが伝わる演技で、素晴らしいです。
しっかりセーブしましたね。
カットインも豊富。
直前の場面をどう思っていたか、直前で何があったか、
例えばシーンの後なら、満足そうに乱れた吐息でのカットインになるし、
拗ねているときはそんなカットイン音声だし、
場合によっては上泉夕里や佐竹鹿子が担当することもあります。
ビジュアルがとてもきれいなのは、
ま~まれぇどさんが色彩設計から参加されていることもあるのでしょうね。
もうちょっとバトル寄りの新シリーズが始まっても良いかなと思うくらい、
miraiさんの作品は画面がきれいです。
全体的に展開は速いのですが、付いてこさせようとするんですよね。隅々で。
引っ張っていくほうかな。
意図されたものではない可能性もあるのですが、良い調整がされた仕上がりに見えています。
3作品目にも期待が持てますし、ヒロインみんなと仲良くなれる展開があっても良いし、
(そのための今作お風呂展開だったようにも思いますが未遂でした)
サブキャラクタだって魅力的なのだから、
与那嶺芙慈子先生とペトラのファンディスク希望と書けば良いのでしょうか。
今作では豊富な出番があって、芙慈子先生ガチ勢になるかと思うほどでした。
というか、色々とさせすぎです、ええ。
給食のたまごスープが苦手な芙慈子先生。
ポンコツ発明を何度も繰り出す芙慈子先生。
お嫁に行けなかったら本当に芙慈子先生が貰ってくれるんですよね……?ヒロイン単体だから、続きが出るから。
それでプレイしないのはもったいないですよ。
パッケージ版は特典たくさん付いていて、とてもお得です。
なので、ダウンロード販売もありますが、パッケージ版をお勧めします。