ういんどみるOasisさんの「はぴねす!2」体験版プレイしました。

ういんどみるOasisさんの新作は、「はぴねす!2 Sakura Celebration」。

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まだ寒さが場を譲らない2月のこと。
御咲市に、一人の女の子が訪れる。
10年ぶりに踏むこの地を楽しみにしていたようで、空気を堪能しながら歩いて行く。
「ふふ。やっぱり違うね……この空気」

御咲市は、超自然技能解放特別区域と呼ばれる魔法特区。
他の地域では魔法使用者が忌避されることもあるが、
ここでは使うことを推奨している。
その中枢が、桜ヶ丘学園だ。

魔法は、20歳をピークに、その後は消滅する。
学園なのは、魔法使いの保護を目的としているからなのだった。

その桜ヶ丘学園に通っている一条和綺は、魔法の能力が低い。
代わりに、身体能力で補っている。
そのためか、運動部などから勧誘されっぱなしだが、毎度断っている。

和綺が買い物に出掛けた時のこと。
幼い子が走っていることに気づいた。
プレゼントらしき小さな包みを抱えながら、急いでいるのか、道路を渡ろうとしていた。
幼い女の子は、車が停止したのを見計らって渡り始めるが、
その脇からスクーターが走ってきているのが見えた。

――反射的に、和綺の身体が動く。
身体能力と僅かな魔法の力を併用した走力で、抱き抱えるようにして救った。
が、その子は泣きそうな顔をする。
「プレゼントが……」
小さな包みは、潰れてしまっていた。

「待ってて。今、お姉ちゃんが神さまにお願いするから」
そこへ、声をかけてくれた女の子がいる。
このあたりでは見かけないかわいらしい容姿に、人を安心させる優しい笑み。
「着装――」
彼女の姿が魔法服に変わり、詠唱によって産み出された光が、
ひしゃげたプレゼントに集まっていく。

魔力は、術者の性格に左右されると云われている。
彼女の光に、和綺は感じていた。
温かいな、と……。
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体験版は、1.0GBでした。

原画は、こ~ちゃさん。
シナリオは、元長柾木さん、セロリさん、ちゃとらさん。
音楽はEcnemuseさん。
デザインはcao.さん。
これまでと同じ制作陣ですね。


システムも変わらずCS2ですが、ちょっと気になるところがあります。

オートモードを解除しました、と表示は出るけれど、コンフィグのボタンが押せません。
さらにどこかをクリックしないとボタンが戻らないようです。
オートモードを止めて、セーブしたい時が少し面倒ですね。
何クリックしなければいけないのかと。

また、オートモードの詳細設定が無くなっています。
テキスト表示はセリフと合わせるくらいの速度で、
ページ送りは早めにしたいのですが、そのような設定ができません。

日付カットインが表示されますが、オートモードでもクリック必須のようです。
この仕様はよく分からないですね。

E-moteではないけれど、立ち絵差分がよく動いて、
キャラクタの感情を伝えてくれるシステムは、今回も導入されています。

ほぼ会話のみの進行で、地の文がありません。
そこをフォローしているのは、この演出ですね。

委員長が職員室に向かう前、和綺のことを見ていた動き、
視線を横に持っていったほうが良い演出だったのではないでしょうか。
他にも、ちょっと動きがずれているところがほんの少しあります。
けれど、これを設定するのは本当に大変ですよね。頭が下がります。
素材の豊富さもそうですし、本当にすごいです。
でも、そのお陰で、こんなにも楽しめます。ありがたいです。

また、今作は全体的に声優さんの配役が良いですね。好みです。

オープニング曲も菊田大介さん作曲で、
音楽もEcnemuseさんですが、ういんどみるさんらしく思えます。

色々揃えてきた。
そういう意味で、ういんどみるさんの本気度合いを強く感じました。


ただ一方で、今作の体験版、見せすぎだと思うのです。
前作辺りからでしょうか。プロモーションが変わって気になっていたのですが、
今作ではそのようなプロモーションこそ無いものの、
かなりルートの先まで見せています。

一度、体験版が終わりのようなテキストが表示されるのですが、
そこから先が進行し、姫川花恋のルート導入まで進めることが出来るのです。
確かにここまで来ると、人物相関がはっきりしてくるのですが。
それでも、「アンラッキーリバース」でいうなら、
『さよならは言わない』が流れた場面に相当すると感じてしまいました。

この地に残る伝承であるとか、
気になるキーワード、Project Happinessであるとか、
記憶の齟齬や、それぞれの意志についてであるとか、
この世界の仕組みについては明かされていませんし、
まだ山は少なくとも一つは用意されていると思うので、大丈夫だとは思うのですが。


今作は、誰も悪い印象を持ちにくいように気を遣って進行されており、
苦手な声優さんもいらっしゃるのですが、それでもキャラクタには悪い印象を持たない、
どころか、気になってしまいました。
いえ、どのヒロインも気になるというか、どうしてこれでヒロインじゃないの?
と思えてしまうようなキャラクタ満載です。

例えば。
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「かずくんの頼りになるところ、わたしはよーく知ってるから」
渡来菜生(風音さん)

この子は本当にすごいです。

まず、このキャラクタは、男です。
菜生が居ると着替えづらいとか、そういう気持ち主人公が見せると、
複雑な気持ちを残したまま、嬉しそうにしたりとか。
主人公と付き合っているのかと聞かれ、慌てるほど照れて見せたりとか。
乙女な部分はものすごくあるんですが、それでも男です。

さらに、幼馴染みでもあるためなのでしょうか。
主人公の理解者なんですよね。
他のヒロインもそういうところがありますが、それを一段上回るところがあるんです。
「かずくんは、熾月ちゃん本人に興味があっても、
 周りからどう見られてるとかは気にしてないもんね」
ここが特にすごいと思うのです。
よく、他人の気持ちになって考える、ということが云われますが、
他人がどういう視点を持っているか感じ取り、理解するのは、
他人の気持ちになる、想像することを超えています。

この察する力は、主人公だけに留まらず、主人公の周囲に居るヒロインたちにも向けられます。
年に一度のイベントで、後悔しないように背中を押したり、
困っている人を助けるために婉曲的なことを言って見せたりするのです。
主人公も、気遣いがしっかりしていることを分かっており、
これを光属性の風音さんが演じる……。

なのに男。ヒロインでない。
本当ですか、ういんどみるさん。

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他にも、妹の一条瑞月(猫村ゆきさん)も、魔法の力こそないけれど、
抜群の嫁力で、料理を仕事にしている橘海音(花丸あすなさん)にも認められるほどの腕前だったり、
とにかく明るく素直に感情を表現できるあたり、素晴らしいと思うのですね。
けど、サブキャラクタです。一条熾月(杏子御津さん)と同じルートに居そうです。


ヒロインも、今作は素晴らしいです。
中でも……、
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「……信じないかもしれないけど、これでも一条のこと、けっこう頼りにしてるのよ?」
桐ヶ谷璃乃(成瀬未亜さん)は特に良いですね。

生真面目で、責任感が強い。
クラスメイトだけでなく教員からも頼りにされている。
どころか、魔法の能力から、ローカルアイドルのような扱いを受けることも。
式年祭の魔法仕合神事にも出場する。

とにかくお節介焼き……だと主人公に思われていますが、
どうやら主人公には特別お節介焼きの様子。
そのため、クラスメイトからも、主人公とは付き合っているのではないかと度々噂される。

自分がやるべきことを自分に課していくタイプで、
その理由は……。

たぶん、幼い頃に主人公と魔法教室に通っていた、
その魔法教室で一番の魔法使いだったのは、璃乃なのでしょう。
幼い頃、魔法でこの町を守ることが夢だと語っていてくれた、
一緒にいると誇らしさを感じた、気高い存在は。

ルートに入ったら、どうしてそう思ったのか、までが描かれていると、良いですね。

何よりも、このツンデレ+お節介焼きというのが非常に良いキャラクタです。
押しつけがましくないし、すごく気を遣ってデザインされているなと思います。

璃乃は、成瀬未亜さんが担当。
実は、某所でメインヒロインは今後珍しいかも、なんてことを言われていたんですよね。
それが、これです。ものすごくマッチしているんですよね。
もう成瀬未亜さん以外が演じることは考えられないほどになってしまいました。
やっぱり成瀬未亜さん、すごいです。

体験版仕様で、桐ヶ谷さんにはアプローチできず、
そこがとってもとっても悔しい。早く製品版が欲しいです。

「あんたも花恋も友達だしね。――うん、友達だし……」
ここは、後半分を次のクリックにするよう、テキストを分けるべきだと思ったりはしましたが。
魅力的ですね、いいんちょ。


まず、キャラクタに魅力があって、さらに場に魅力がある。そして惹かれる謎がある。
云うこと無いですよね。

あ、そうそう。クレジットこそ見当たらないものの、
今回の背景も、素晴らしいです。
描き込み過ぎじゃないかと思うほど。
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良い場面が多く、体験版範囲だけで既にセーブファイルが足りなくて困りました。
自由にセーブファイルを追加できる仕様にならないでしょうか。

ということで、期待しています。

2019年2月22日(金)発売予定です。