fengさんの「夢と色でできている」体験版プレイしました。
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fengさんの新作は「夢と色でできている」。

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「飛鳥井姫色っていいます。昔、この街に住んでたんですけど、親の都合で引っ越しちゃって」
明るく快活な声。かわいらしい容姿。間違いなく人気ものになるだろう。――しかし。
「将来の夢は、正義の味方になることです!」
壇上からの挨拶は、間違いなくアイツだった。
「あの子はほんと、うんざりするくらい、なにも変わってないのね……」
隣の席の黒羽かもめがぼやく。

そうなのだ。
幼い頃、秘密基地に集まって、仲良く過ごしていた。
七人の時代で、七人の世界。
名前に色が付いていたことから、七人はレンジャー、防衛軍になった。
けれど、成長したから。変わったのだ。
メンバーのうち、黄良涼介はバレーボールの特待生として県外の学校に。
七夕紫織は上級生だが、生徒会に入っていたように思う。
刻乃雲は同じ級生になるが、どうしているのか。
何より、姫色は転校し海外に行っていた。

再会を喜ぶ姫色のテンションに、もう過去のこととして済ませている藍色は、温度差を感じていた。
言いづらいが、そのことを伝えると、上がりっぱなしだった姫色のテンションが下がった。
「乙原藍って男は、そんなやつじゃなかっただろ!」
昼食に手を付けないまま学食を出て行ってしまった。

「防衛軍解散の理由、誰が聞いても教えてくれなかったけど」
巻き込まれた形で一緒に昼食を取っていた黒羽かもめが尋ねる。
藍は曖昧に回答した。
「じゃあ、防衛軍を解散したのは、ほんとは、別の理由があるんだね」
同じように巻き込まれて一緒に昼食の席にいた、妹の乙原恋が重ねて尋ねる。
藍はこれにも曖昧に回答した。面倒になったからだ、そう思い込むことで。

放課後、黒羽かもめが飛鳥井姫色に話しかけていた。
「朗報を持ってきてあげたのよ。防衛軍の仲間をそろえる、いい方法を思いついたのよ」
「いい方法って……どうするんだ?」
「新しく部活を創って、防衛軍のような活動をするっていうのはどう?」
「おおお……!」
諍いが全くなかったように、姫色はこの案にあっさりサインしていた。
やっぱり、姫色は、ずっと変わっていないのだった……。
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体験版は、875MBでした。

原画はkaroryさん。SD原画は、なちゅらるとんさん。
シナリオはなかひろさんです。

システムは、吉里吉里をベースにしたもの。
ウィンドウサイズやバックログジャンプ、セーブファイル数自由追加、
前回の終了時点からすぐ再開できるサスペンド機能もあります。使いやすいです。

面白い機能としては、外部音声ツール連動があること。
これは、主人公の声や地の文を機械音声で読み上げることができるもの。
まだ完璧には読めず入力に由来する箇所がありますが、面白いですね。

実は、マスターアップ告知や、体験版リリースの遅さから、完全にマークを外していました。
当初2015年発売予定だったことからも、今月発売は無いと思っていたこともあります。

ところが、体験版。ものすごく良かったのです。
2回プレイしましたが、2回目も味が合って良かったです。

まず、何より題材です。
以前、仲の良かった幼馴染みチーム。一人が引っ越して、そこから疎遠になった。
再会から、もう一度仲間が集まる、幼い頃と今を繋ぐものであること。

そして、karoryさん原画によるグラフィック。
すごく魅力的です。

これがうまく合わさり、面白さを産み出してくれています。
会話主体の進行なのにストレスがありません。
こんなに面白かったのですね。これは意外でした。

もう一度集まるということは、時間の経過があるということ。
集まっていた過去と解散に対して、それぞれ思うところがある。
慕情と、成長の間に得た気持ちの育み。
これは、良い部分だけではありません。
だからこそ、集まって行くに連れて、黒羽かもめが言うようなことと直面せざるを得ないわけです。
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「ツケを払いなさいってこと」

解散後もずっと主人公の傍を離れなかった、妹の乙原恋以外では唯一の存在。
藍がふと気付くと横に居る。
藍限定の読心術が使える、なんてかもめは言うけれど、
彼女の強い想いが、彼女の全ての行動を示しています。
強く藍を信じているし、信頼している。期待も変わらず向けているのが良く伝わります。
体験版では一番見せ場があるキャラクタです。
この黒羽かもめを、小波すずさんが担当。
日頃の、どこか飄々とした印象と、「ち、ちゃうねん」のギャップが凄まじくかわいいです。


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また、個人的には、なのですが。
黄良凛子(七瀬こよりさん)がとてもかわいかったので、
ぜひ彼女と仲良くなれる道が欲しいなと感じています。
公式サイトにはっきりと非攻略対象キャラクターと書かれてはいますが。
憧れは、憧れのままでいるともったいないと思います。

ああ、ダメだ。やっぱり買います。


キャラクタそれぞれが魅力的で、声もしっかり合っていて。
飛鳥井姫色役の桃山いおんさん。
桃山いおんさんの声はかなり好きなのですが、こういう明るい性格のセンターキャラクターって、
合うのかな?と思っていたりもしました。
体験版をプレイすると、うん、これだ。という印象になりますね。すごく良いです。

彼女が帰ってきたから、物語は動いた。
藍と約束をして、その約束を頼りに帰ってきた。
仲間を信じるのが当たり前。見ていて気持ちよいですね。
なかなか新しい情報に更新されない部分がありますが、
そこに折り合いを付けて、ヒーローではなくヒロインとなれるのか。

乙原恋(藤咲ウサさん)は、兄妹という壁を越えられるのか。
また、解散に関わった刻乃雲(柚原みうさん)は、何を共有したのか。
七夕紫織(白月かなめさん)の体調不良の理由は。
気になるところがたくさんありますね。

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この作品、シナリオも良いのですが、グラフィックをとにかく褒めたいです。
キャラクタ彩色と背景が良く合っています。
背景は光沢強めで、冬とは思い難い部分もあるのですが、
背景にあるオブジェの厚みがすごく良く伝わります。
革張りソファ、座ったらあの音がしそうですよね。

ここまで背景が明るいと、明るい髪色のキャラクタを乗せたときに、
印象がぼやけることがありますよね。キャラクタにだって光沢を乗せたいですから。
それが無いのです。
これはカラーコントロールの巧さと、背景の深みの凄さにあると思います。
全体的に彩色が上手いのですね。

画面を見ていても楽しいし、会話も軽快に楽しめながら、
ふと、謎を落としていく進行。
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防衛部として発足した姫色とかもめは、
学生の相談を受けることで学園を守ることを活動の主旨とした。
藍は部員ではないが、巻き込まれて一緒に居た。
妹の恋が、誰かに後を付けられていることが分かったからだ。
そのことは、平穏無事に解決に至る。

が、これで全てが解決ではない。
学園掲示板への書き込み犯人とは、別だと分かったからだ。
「エンディングが見えた……!」
藍の頭の中で、全てが繋がった。

何故、姫色が転入してきた日に、防衛軍が部活として発足すると書かれていたのか。
姫色、かもめ、藍、恋、紫織、雲と、現時点でも入部していない者が部員として名前が挙がっていた。
……全て、シナリオがあったのだと。
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満足そうに、黒羽かもめが言う。
「あなたもやっぱり、あなたのままで変わっていなかったんじゃない」――。


2019年2月22日(金)発売予定です。

ダウンロード販売もあります。
夢と色でできている夢と色でできている