アリスソフトさんの「イブニクル2」感想です。

2019年2月発売作品。

アリスソフトさんの「イブニクル2」はフィールドRPG。

片田舎ツクダニ村で研修医のアレクは、
いつも診察に来る老人達ではなく、若い子が訪れると知り、出迎えに隣のイカナーゴ村へ向かう。
出会ったのは、英雄病で死を覚悟した少女ユラギ。
不治の病と思われたが、アレクのスキル”メディカ”で……。

それでは、感想です。
ネタバレ少しだけあります。

うーん。あのですね。
ものすごく面白かったです。
前作「イブニクル」の時よりも楽しめました。

恐らくですが、明るく楽しくみんな仲良く!というのがコンセプトにあって、
そう仕上げてくれていたからなのだと思います。

最初、公式サイトを見たときにはあまりピンとこなかったのですが、
プレイして、声が入り、動き、操作して、物語を読み、
キャラクタたちがどんどん好きになりました。

いってみれば主人公アレクのハーレムモノでもあるのですが、
苦手じゃ無いハーレムってすごいなと。
たぶん、色んな場面で一対一になり、一人一人と向き合い、愛を告げ、
同時になる場合でも平等に扱うからだと思います。
やっぱり、お互いがお互いと過ごすことを大事にしている関係、良いですよね。


体験版をプレイされた方は感じると思いますが、
一人一人に対して、相手が大事だという愛情部分と、
医者を目指す者としてのスタンスとで、身体も心も癒やすことをしているのです。

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英雄病は、治らない。
英雄病とは、モンスターと戦うことの出来る戦士が罹る病気の総称で、その病症は様々。
一般的なものから珍しいものまである。
薬が開発されているものあるが、繰り返し疾患、症状が進行するため、
やがて死に至る……、よって治らない。

アレクが最初に患者として向き合ったユラギ(歩サラさん)は、英雄病に罹り、
ツクダニ村に訪れるのは、名医タウロスの元で、余生を静かに過ごすため。

アレクとお手伝いをしながら村の周囲を歩き色々と見知って行くが、
メディカを使うには、この世界のルール、ユラギがアレクの嫁にならないといけないため、
ユラギは治療を受け入れない。

そうしているうちに、近くでモンスター討伐に向かった友人のコーラスが捕まったと聞き、
ユラギは体調を圧して洞窟へ向かう。
人間の死を目の当たりにし、自身の英雄病による体調悪化、そして敵に追い詰められたユラギは、
死の恐怖から動けなくなる。
そこへ割って入ったアレクが、ユラギに伝える。
アレクが気付いた、ユラギの父の本当の姿を。
「ユラギのお父さんは弱者のために命を捨てられる英雄ではない。
 ただ娘の前で格好付けられる最高の父親であっただけだ」
ユラギは、本当の気持ちを吐き出す……。
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この流れが本当に良いですよね。

まずプレイヤーは、ユラギの素直さ、性格の良さを感じられるんですね。
けれど死の影を払えていない。どうしてこんな子が、とも思うし、
その生きることを諦めようとしている様がもどかしくて。
この惹き込み方はうまいなぁと思いますね。体験版だけでユラギに惹かれてしまいます。
その後もユラギは良い子だというのがよく分かるんですけどね。

けれど体験版だけで良いところが終わらないのがイブニクル2。
しっかりしています。さすがです。
ユラギ由来のエピソードは、その後も出番があります。
キャラクタ同士の繋がりをその後も作ってくれているので、やっぱりキャラクタの魅力が増す。
こういうところも本当に上手いなと思います。巧み。

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推しはツンデレ領主カノ(和央きりかさん)で、一番セーブファイルを使用しているのですが、
どのヒロインも甲乙付けがたい。

ヒイラギ(香澄りょうさん)はとぼけたところが良いし、
プラチナ(藤咲ウサさん)は良い子だし、ゼロさん(野々村沙夜さん)は色っぽさ竜級だし、
シャロ(榛名れんさん)は嫁になってから魅力が増すし、
エミーリア(飴川紫乃さん)との決着がなお良かったですし、
ボニー(綾音まこさん)はお嬢様を思いやりながらだし、
ゼペット(柚木サチさん)とブラウニー(早瀬ゃょぃさん)はラストもう一回登場してもだし、
ペトリ(あかしゆきさん)ともできれば、とか考えるし、
コーラス(神無月ほのかさん)との昨夜は見たかったし、
エンデ(草柳順子さん)と深い繋がりがあって良かったし、
マキナ(桃井穂美さん)さんちょりーっす。
ジェンス(蒼乃むすびさん)、マスカレード(風音さん)、ラブラ(永瀬蜜柑さん)といった、
3人の聖女もかわいいし。
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3人といえば、3つの都市勢力頭領。
パトリオット(花影蛍さん)はそのスキル同様ストレートな愛情表現だったし、
スパルタン(鈴谷まやさん)も影にばかりいるような存在ではなかったし、
ロナ(くすはらゆいさん)もツン寄りでかわいいところある。
なんかもう、アレクの視点が乗り移ったように、嫁たちがみんなかわいいです。

キャスティングもすごく良かったと思います。
キャラクタに合ってないと感じるところが無いのです。


エピソードもそうなのですが、
キャラクタたちが魅力的に感じられるよう、細かいところから仕込んでくれていますよね。
ほんのちょっとしたところにまで気を遣ってキャラクタを創る、育てる。

まず、病気がかわいいというのもありますね。
こういうところもマイルドに感じさせようとしているのでしょう。
それに罹るのはヒロインたちですが、症状がかわいい。
そして症状は、戦闘画面にも派生する。
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語尾が変わる症状などは、きちんと音声で表現してくれます。
つい、中二病系列は放って置こうかと考えてしまいました。

スキルもそうなんですよね。
ユラギのスキル、乱打と乱打乱打と、乱打乱打乱打。
スキル使用時の音声が違うんです。

肌が緑色になる緑化病の時には、マップ上のキャラクタすら緑色になります。

こういう所から、しっかり楽しませてくれるのが、やっぱりアリスソフトさんだなぁと感心します。
ありがたいですよね。

その戦闘中も敵の動きがすごく良いですね。
ねこなんかキレッキレの動きです。

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満足総量のうち、ほんの数%ですが、ちょっと気になるところは以下。
フィールドで、ユラギの台詞なのに、アレクから吹き出しが出ている箇所が一つ。
高揚斬りの場所が分からず、最後だからと色々回っていたらやっと獲得できたこと。
ユラン衣装獲得のための条件、きゃんきゃん売却は、幸福きゃんきゃんではダメなようです。
ラストエリア、七魄攻略については、音声入っていても良いんじゃないかな。
イベントCGにおける指輪の表現がないのはちょっともったいなかったですよね。

ストーリー上でエンディングまで不満は一箇所のみ。
アレクがハーメルンに陥れられ暴れた後、フォローが無かったことだけ。
これくらいです。

勧善懲悪ストーリー、王道なのですが、やっぱりそのほうが安心しますね。

エンディングも素晴らしかったし、アレクたちらしくて。
エンディングムービーもものすごくかわいかったのですが、
それがまた、アレクたちらしくて良かったなと。
すごくほっとしたエンディングでした。


そうそう。音楽もすごく良いのです。
盛り上げがすごく上手くて。
バトル曲はものっすごくノれますし、でもバトルにバリエーションあるものだから、
即していろんなバトル曲が聴けるんです。
『平和な日常』は、聴いてるとリラックスしてテキスト読めますし。
『涙のあと』が流れるイベントは、気持ちに効きますし。
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おや、どこかで見た敵キャラの皆さん……。

サウンドトラックも発売中です。


セーブ出来ない箇所がなく、どこでも中断できますので、
ちょっとだけ進めよう、ができます。

それでいて、場面ごとに楽しめますし、今日はあまり進まなかったなーというのが無いので、
うまく作ってあると思います。
うん、楽しいです。

ですので、RPG好きなんだけどプレイする時間はあるだろうか?と考える方にもお勧めです。

これ、画面サイズも気軽に調整できますし、
スマートフォン向けに発売しても良さそうです。

振り返るのに、イベントもコレクションされていて嬉しかったです。
できれば病気についても振り返りたかったなと思いますが。

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ネタバレがありますと警告されている冊子。
すっごく楽しいですねこれ。やっぱりラフイラストにコメントあると嬉しいです


このクラスのフィールドRPGを作れるブランドさんってそうそう居ないのかもしれませんけれど、
うん、これなら続編が出ても楽しめそう。

というかまたQDが何か考えているでしょう、次を。


ダウンロード販売もあります。