FluoriteさんのMissing-X-Link」体験版プレイしました。

Fluoriteさんの新作は、「Missing-X-Link~天のゆりかご、伽の花~」
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西暦2050年。
世界を革新すると期待された量子コンピュータは、自ら思考することがなくなり、
既知を取り込んだ大偽典図書館となっていた。
それを行動基準とするオートマタは、この世のあらゆる情報にアクセスできるが、情動を持たない。
非常に人に近い状態に見えるし有能だが、活動区域が限られている。
制限ではなく、これは人工知能混乱問題に根ざしている。
よって、人間的な知性を宇宙へ広げる構想は、頓挫して久しい。

国は分裂した。
既に欧州連合も国連も無くなっているといっていい。
真新しいニュースは、マンハッタン島がニューヨーク州国を捨てて国家樹立を宣言したこと。
それも、アメリカから抜けて政情が安定しない状態で。

だから、民間軍事会社が台頭する。
世界には4大PMCがあり、そのうちの一つ、タイレルは、篠月市に拠点を持っていた。
子会社という体裁で、世界へオートマタを供給するR.U.Rの本社と研究所がある。
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篠月市は人工知能暴走事件の被災地でもあった。
PMCの攻撃衛星を乗っ取り、学園大学を破壊、研究者数十名が無くなった。
当時見学に訪れていた珠木正伍という少年だけが生還した。

唯一の生還者。好奇の目を向けられ、しかし最愛の姉を亡くした正伍は、塞ぎ込んで過ごしていた。
眠れば、愛しい姉の思い出。そして、事故直前の記憶が心を苛む。

父は研究に没頭し家に寄りつかなくなり、たまに変わったものが送られてくる。
家を倉庫か何かだと思ってるに違いない……正伍は父のことも快く思わなくなっていた。

今回も、そのようなものだろう。
荷扱いは美術品。大きな箱で、配達員が二人がかりで持ってきた。

緩衝材と包装を解くと、カプセルの中にあったのは、眠る女の人。
流れるような曲線と、柔らかさとしなやかさを感じる躯体。
目を閉じていても優しさと知性を感じさせる顔立ち。
桃色の花弁を思わせる透明で繊細な髪の色。
正伍は、そのオートマタの美しさに胸を打たれてしまっていた……。
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 体験版は、2.35GBでした。

あー、これはなかなか。
良いなと思えるポイントがいくつかあります。

まず、システム面。
AUTOこそ切らないといけないものの、ボタンを押すだけで最新セーブファイルとして登録されます。
すぐセーブしたくなるのでありがたい仕様です。

面白いUIで、このままスマートフォンへ持って行けるのかもしれません。

また、大きな特徴として、立ち絵の目元口元が台詞に応じて動きます。
この優しい色合いで口元が動くのが新鮮で、
例えば姫風露は冷たい機械ではなく、優しい隣人として、そこに居るような印象が持てます。

まあ、単純に姫風露がかわいいというのもあります。
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「選択の幅を狭めるなら、私はあなたのレンズで世界を小さくしたい。
 あなたの好きなもの、もっと知りたいんです」
姫風露(月野きいろさん)

オートマタには存在しないといわれる心を持つ、試作型第三世代機。
理由は不明だが正伍用オートマタとして起動しており、正伍の世話をする。

特殊な機能として、架橋クロスリンクがある。
人を仮想世界に導き、大偽典図書館の知識を貸したり、思考速度を加速させることができる。

圧倒的高性能な存在として描かれず、敵の存在に気付きません。
守るべき正伍を危険にさらす相手でも、クロスリンクをしなければ分からない。
なので、体験版前半では性能の高いメイドロボという扱い。
正伍の家の周りでは、スーパーの特売に吹き荒れるピンクの旋風という噂がある。

魅力は、とにかく包容力の強いタイプであること。
見るもの聞くものを楽しんでおり、正伍が見せてくれるもの、
また、正伍が友達と過ごすと喜ぶ。魅力をもっと分かるべきだと考えている。
けれど、帰宅が遅くなると寂しいとストレートに伝えても来る。
キャラクタの強さがあるんですね。

公式サイトにボディスーツだけでなく制服姿があることから、
正伍に付き添い学園へ通う流れになりそう、と思っていたら体験版で登場したのですが、
せっかく制服着たのにお披露目イベントが少なくてもったいないですよね。

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正伍の姉と同じ容姿の水城遊離(くすはらゆいさん)、
通りすがりの正義の味方を名乗る弦馬晶(かわしまりのさん)、
特殊な病気にかかっている久遠寺ひな(要しおりさん)など、
なかなかに魅力的なキャラクタが揃っています。
それぞれにキャラクタが強くて、姫風露一強かと思っていたのですが、
なかなかのデッドヒートを繰り広げてきます。


体験版では前半、ややゆったりした進行ではありますが、
中盤、姫風露と同クラスのオートマタが登場し、感情を見せながら暗躍、
そして敵と敵が揃ってしまいます。

気になるのは、会話がぶつ切りになる場面がたまにあること。
また、CGとそぐわない表現があること。
屋上は、荒れていません。手入れがされた立派な屋上庭園です。

チェスの盤面を画面上で見せていますが、これが何かのキーになるのでしょうか。
確かに、仮想世界上で戦う時の正伍のイメージではありますが、
この表現が、その補強になっているかとはいえず、現時点ではキーでもありません。
となると、わざわざスコアを動かして見せる必要がないように思います。

欲しいのは、久遠寺ひながおずおずと布団から顔を出す差分でしょう。
または、弦馬晶の苛烈な戦闘場面。

DMMGAMESさんは、なんかこう、力の掛けどころが毎回ズレている気がします。

チェスが題材として難しいため、理解の補助をしたいのはわかります。
でもこの場合、こう表現することではないと思うのです。
何故かといえば、こう表現してもチェスは面白さが伝わらないから。

正伍の解説では、名勝負の何が面白かったのかを伝えられておらず、
面白いモノとしてしか語ってはくれません。

これ、もっと面白そうに伝えられないモノでしょうか。
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正伍は周囲に翻弄され続けていて、無思考タイプといえる状態ですが、
元々無気力状態だったとか、周囲がスペック高いキャラクタしかいないとか、
無理もないところもあります。
けれど、物語の進行のために喋らされていると、魅力的とは言い難い。
なので、地の文は大事なんだと思います。

悩みながら進むということを表現してはいますが、
成長が伝わりにくいのも、少し進行が早いからなのではないかと。

立ち絵の動きで補完はされますが、それでも地の文を削って進行しようとすると、
もっと画面における表現力が必要になります。
セリフだけで進行するといえばアニメーションですが、
アニメーションは、画面における表現が、立ち絵という一定素材で成り立っていません。
そこへ踏み込みたいなら、そういう素材の量を投下しなくてはならないと思うのですよね。
人気の作品は、画面における情報量が高いです。
「Missing-X-Link」の場合は、迫る表現になってはいますが、
やっぱり展開があっという間かな、と。
表現されていない箇所があり、何があったのか分からない。
何故いきなりそこでバッテリー切れ、とかね。
情報量に即したテキストが、やっぱり必要なのだと思います。

名言のようなものを詰め込みすぎと感じます。
これもセリフだけ進行の問題点ですよね。だから一つの名言が軽くなってしまう。


惜しさはありますが、この前半を上手くまとめ上げられたら、
面白い作品になると期待できます。
選択肢の並びからすると、分岐型エンディングのように思えますが、
これは、正伍の姉のことを絡めて、姫風露がトゥルーになると良いな、なんて期待もあります。

公式サイトによると、シーンも動くようで、Guiltyさんの作品のよう。


あと、急遽DMM GAME PLAYER非搭載となりました。

2019年4月26日(金)発売予定です。

ダウンロード販売もあります。