Waffleさんの「初めての彼女」体験版プレイしました。

Waffleさんの新作は「初めての彼女」。”重厚な青春NTRアドベンチャー”。

高木憲秋は、重症だった。

その自覚から、この夏休みは色々なことををした。
縁も興味も無い合コンにも出た。
旅行にも行った。京都は良いところだった。花火大会も面白かった。東北へドライブにも行った。
ほとんどは、親友がお節介を焼いてくれたのだけれど。
すべて、新しい出会いで、振り切るためだった。
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「憲秋くん、誕生日一緒なんだね。こんな偶然あるんだね。驚いちゃった」
中学一年の時の出会い。雪宮秋乃というクラスメイトに初恋をした。
そして、話しかけられた数少ない思い出。

この時のことを、繰り返し夢見てしまう。
現実との違いは、何も返事ができなかった過去に対して、
夢ではきちんと返事を返して会話していることだ。

彼女が今どうしているかなんて、憲秋は知らない。
他県の大学に行ったことは知っている。けれど、話すらできない程度の間柄。
今頃は彼氏が居るに違いない。
その想像と距離感とを改めて認識すると落ち込む。けれど、気持ちは囚われたままだった。

そのことを、バイト先の喫茶店のマスター、高橋さんに話すと、意外な提案をされた。
「大人の男になってみないかい?」
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憲秋はもう成人するが、そういう意味ではなかった。
お金を払って、相手をしてもらうことで自信を付ける……そんな提案だった。
驚き、渋ったが、高橋さんもよく行っているらしい。
スマートフォンのプライベートな写真も見せてもらった。
店外で一緒に過ごしている、あられもない写真を。
そして、そのレベルの高いお店を教えてもらってしまった。

恥ずかしがって、そんなところには行かないと返事したものの、
憲秋の頭の中はそのことでいっぱいになってしまう。

バイトが終わり帰宅しても、ネットで体験談やデメリットを調べたり。
その金額に引いたりしながら、高橋さんのオススメのお店のサイトを見ていたら、
ニューフェイスだという女の子の紹介ページに目が止まった。

「この子、雪宮さんに似てるなぁ……」
顔の上半分は隠しているものの、雰囲気だろうか。
髪型や口元、顎のライン。
何もかもが、初恋の彼女にそっくりに思えて。
芸名らしき名前も、秋乃とある。

気付けば憲秋は、シャワーを浴び、歯磨きをし、洗濯済みの服に着替え、ATMに寄り、
「アネモネへ、ようこそいらっしゃいました。さぁさぁ、どうぞこちらへ!」
もの凄いニコニコ顔のボーイの応対を受けていたのだった……。
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体験版は、1.54GBでした。

原画は、サブローさん、只野あきらさん。
シナリオは、間崎俊介さん。

ずっと会いたかった初恋の彼女を、風俗店のサイトで見かけてしまい、突撃する。
夢にまでみた彼女で。
色々話したいけれど全く言葉が出てこなくて。

夢で何回も行ってきた告白。過去、できなかった機会を逃せない。
そうして、やっとのことで事情を聞けば、
経済的事情で割の良い仕事をしなければならないとのこと。
うらぶれた安アパート暮らし。母の入院費、借金。勉強どころではなく休学中だという。

真面目で明るい秋乃が、どうして風俗店に勤めることになったのか。
きちんと働いて母を支えようとしていた秋乃を、少しずつ少しずつ世の中が蝕んでいく。
ファミレスの同僚たち、客達。同じ大学の学生たち。
母とひっそり暮らすアパートの大家。
そしていよいよ電話を掛け、けれど、風俗店の店長からは、
面接ですべてを説明した上で帰される。
「覚悟が決まったら、もう一度連絡して。後は君次第だ」
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秋乃の夢は、復学。
督促状と借金を返せてしまうかもしれない可能性。
引き換えに、失うもの。

踏み出すことになる秋乃の葛藤を、精緻に描いています。

しかし、罠はたくさんあります。
本来であれば、店長は店で働くことを誘うような真似をする必要は無い。
お金に困って働こうとする秋乃の背中を押すように、研修費としてバイト代を出す。
本来は研修費なんてものはない。
しかもその金額が、働いていたファミレスの30時間分にもなるものを手渡されて、
気持ちが揺れるのは間違いなくて。

母が過労で倒れたのもそう。
積み重なる督促状もそう。
そもそも満足に食事をしていないこともそう。
どうしてか散らかったままの部屋もそう。
この時間だと共同風呂に入れないことと、入る気持ちが起きないことも……。

普通の生活が送れるかもしれないと期待しながら、でも決定的に汚れてしまったと自らを責める秋乃。
できれば、幸せな生活を送って欲しいと思うし、
せっかく気持ちが繋がりあった主人公とヒロインとで仲良く暮らして欲しいのですが、
”重厚な青春NTRアドベンチャー”であることから、うまくは行かないかも知れません。

公式サイトのデモムービーを見ていると、罠がたくさんあるようで。
主人公は人の悪意と醜い面を知り、ヒロインは欲求の解放の心地よさを知っていく。
そんなキャッチフレーズからも、プレイしていて苦しさが味わえそうな気がします。

まのめるかさんが上手いです。
不遇の雪宮秋乃を見事に演じています。
特に、ため息。誰も居ない自室への帰宅の挨拶。
秋乃が抱えた重たさがそのまま出ています。
「どうして、こうなっちゃったんだろうなぁ……」
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このセリフはきっと、この体験版時点と、製品版のラストとで、
違った意味を持って使われていくのでしょうね。

一人のヒロインでフルプライス。丁寧な展開。
良いですね、じっくり楽しめそうです。

2019年4月26日(金)発売予定です。