ALcotさんの「将軍様はお年頃ふぁんでぃすく御三家だヨ!全員集合」感想です。

2019年3月発売作品。

「将軍様はお年頃ふぁんでぃすく御三家だヨ!全員集合」は、
”将軍や町娘やくノ一とイチャラブする恋愛時代劇”。

体験版や新オープニングムービーはありませんでした。
それでは感想です。
ネタバレ少しあります。
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うん。素晴らしかったです。
萌えをつくるって本当に難しいと思うのですが、それをやってのけていることと、
その上で面白さをきちんと作っている。
これは間違いなく良作です。

キャラクタごとのルート、物語があるタイプで、
ファンディスクでもあるため、前提となる本編、
2018年1月に発売された「将軍様はお年頃」をプレイしていないと分からないものも多いのですが、
それでもこのファンディスクはプレイしていただきたいと思うほど。

将軍様はお年頃 千両箱ぱっく将軍様はお年頃 千両箱ぱっく
本編をプレイしていない方は、お得なパック販売もあります。

薦めたいほどに、良質なのです。

原画は、庄名泉石さん、蟹屋しくさん、真崎ケイさん、SD原画にあおなまさおさん。
これに、しっかりと魅力的に見える彩色。
音楽や舞台もしっかり整って、キャラクタが魅力を振りまく。

TIPSも楽しめます。知らない人向けの解説から、ネタまで仕込んでいて。
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これも、誰かが解説している風ですよね。

そうなんです。やっぱりキャラクタなんです。
本編をプレイした時も思ったのですが、キャラクタを魅力的に産み出すことに成功していて、
それがどのキャラクタも、であるということ。
なので、作品舞台が魅力的になっている。画面が魅力的に見える。

しかもそれが、ヒロインキャラクタだけに限らない。
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主人公、神泉信行の刀、意思を持つ秘宝の霊刀、烈斬。
火が付きやすく、信行より先に啖呵を切るタイプで気持ち良い江都っ子風。
ツッコミもこなすし、気遣いもできるし、坂上鈴鹿の手管を堪能するし(うらやましい)、
目も無いだろうに、相手をにらみつけているのが判る演技。
深川緑さんが今回も好演しています。

御側御用取次の加納格道、野☆球さんや、終張藩留守居番の佐々木助次郎、六本木天人さんも、
本編に引き続き出番があります。
この、男性キャラクタまでもが良いところ。「将軍様はお年頃」本編と変わりません。

ヒロイン達はかわいらしく魅力的で面白い。
その上で、みんなに活躍の場があるんですよね。

例えば今作でいうと、ヒロインとなるのはルートで選んだ義宗だとしても、
珠樹も茶屋の新商品開発で思い切り出番がある。
りんは身の回りをやってくれて、格道との関係も良さそう。
宗春は義宗をいじりつつ、モノや金を融通したり。
この関係性を見ているだけで楽しいんですよね。
さらに、それが単なるイベントではなく、事件と繋がっていく展開も。

王道って、こういうことをいうんでしょうね。
とにかく、画面を見ているだけでも楽しいし、
さらに起きるイベントも、それでキャラクタがどんな表情を見せてくれるのかも、楽しみ。
実に良いです。

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”夏風”
りん(ほたるさん)

町の困ったことを解決する怪盗・猫小僧にして、公儀隠密御庭番。
りんは、万屋としてだけでなく、旦那を愛する奥様として、長屋では有名になっていた。
この日も食材調達に魚河岸へ出掛ける。
近頃、困ったことに、一部の海産物が品薄らしい。
何でも、河童が出るという噂で、漁師が怯えているというのだ。
そんな折、上様主催の水泳大会が行われることになっていて……。

本編の時もそうですが、マスコット的存在で、とにかくかわいいです。
良いデザインですよね。というか立ち絵からかわいいものだから。

かわいいけど色っぽい表情も見せてくれるし、原画の蟹屋しくさんは良いですね。
それにほたるさんの声をよくぞあてたなと思います。
「旦那」と呼んでくれるだけでかわいい。
猫忍装束もかわいい。

他ルートでも、過去を受け止め、そして一歩踏み出すことができるおりん。
素敵です。


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”終張よければ全てよし”
徳河宗春(芽ヶ崎メイさん)

兄が起こした謀反を、自らの手で決着させた。
その時、宗春の力となったのが、幼い頃から守り刀としてきた秘砲、物干し竿。
その折にさせた無理が祟ったのか、物干し竿は不調だった。
撃ちたいときに撃てず、威力調整ができないことがある。
終張の蔵から流出した秘宝の回収と、藩内平定のため江都を旅立つ予定があり、
物干し竿を欠くことはできないのだが……。

「終張のあんみつ姫だとお高く止まっていたけど、私は張り子の虎だったの」
振り返る、あの時のこと。後悔、苦悩。
そして幼い頃、蔵に閉じ込められたときのこと。
終張藩はきっとこれからも繁栄していくでしょう。

立ち絵もそうですが、イベントCGの艶顔もたまりません。
さすがは庄名泉石さん。
出り張り極楽冥土スタイル、すごく良いと思います。
芽ヶ崎メイさん、お姉さん風キャラクタかなり良いですね。
今作だと、他ルートでの出番が少なくてちょっと残念。
でも悪代官ごっこ良いですね。そしてニヤリ差分。


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”乱れ花火”
宮本珠樹・三衣環(上原あおいさん)

現代に戻ってきた珠樹。
タイムスリップは、江都時代に生きた三衣環という呉服問屋の娘との魂の入れ替えであり、
つまり、三衣環が現代を味わった時間でもある。
その期間、話によれば学生結婚手前まで関係が進み、学園から謹慎処分を受けていたという。
しかしそれは、あるなり損ないと対峙した期間でもあって……。

いやー、上原あおいさん、本当に芸達者というかもうすごいですね。
ネタも全開なALcot作品で、ギャグ展開を任せてもいいし、ツッコミも駄妹も完璧だし、
プンスコさせても良いし、その上で。

宮本珠樹としてなら、健康に不安も無く元気に過ごせる。
この時代なら柵みもない。
何より、ここなら信幸が命を落とす心配も無い。
だから……という三衣環としてのお淑やかな演技までもがっちりしてくれています。

妹妹軒とか、歩くネタの宝庫なところは、本編と変わらずで楽しめます。
烈斬すら、人だったら惚れてたというのも頷けるところです。


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”降って湧いた休日”
徳河義宗(花澤さくらさん)

将軍の婿となるには家督が違いすぎる。
そのため、日頃はお勤め、残業に習い事、筆での報告書、完全夫婦別居で会う時間もない。
義宗は脱走の常習犯で、元々城下にお忍びとして出歩いていた頃と変わらないが、
その行く先は決まって愛する旦那のところ。捕り物の場だろうと喜んで着いていく。
それを毎度連れ戻す格道だったが、ふと考えを改める。
「愛する夫婦を引き裂くような真似は人の道に悖る。さらに世継ぎも望めなくなる」
そんな、突然の休日。
江都の町、人々の笑顔を見ながら、義宗は花火大会の計画を語り出す。
そして行われる大川納涼祭は……。

本編でも多くの人と関わったため、ファンディスクでも登場キャラクタが多くて良いですね。

本来なら脱走を諫める立場にある信行であっても、そんなこと言えないのもわかります。
可愛さ限界突破。言うことなし。
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寿司やの小梅さんついにキャラクタ顔が作られたのでしょうか。
この、あおなまさおさん描くボブの子がそうでしょうか。
……と思ったら違う立ち絵が出てきたので、違うのでしょうね。

信行評をしている女子会的なノリも良かったですよね。
とても笑いました。

ぐぬぬしてても、ハルちゃんの馬鹿!って言っててもかわいい。
そんな義宗を、参ったと言わせるのも良いですね。
色々と堪能しました。


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”夢の架け橋”
徳河光國(月野きいろさん)

番太の仕事をしながら、越後屋の借金返済のために飲食店の手伝いをしていた信行は、
一人の客から呼び出される。
クレームかと烈斬を手に向かうと、幼い容姿の女の子。
なんでも、大陸から伝わった製法などはすべて水都藩の管理下にあり、門外不出とされているという。
店主は大陸に渡った行商から教わったもので、疑いは晴れた。
ところが今度は、その女の子、おみつの大事な印籠を落としてしまったと聞き……。

いやーまたかわいい新キャラが登場しました。

幼い容姿で、杖をついて白髪の旅姿。
秘宝筆走りで書き付けを残しながら旅をしていたが、目的があり江都を訪れる。
水都藩は、跡目争いが起こっている。
幼い姫を誰が後見するか。その選別に使われるのが印籠だという。
一方で、おみつには使命があって。

それがこの姿に由来するのですが。
「スーパー江都キュアバリアーーーっ!」
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長く、永く一人で戦ってきたおみつは、人を頼ることのできない柵みが幾つもあります。

そのうちのひとつが、水都藩のこと。
「聞こえますか。ツバメの親子が空を舞っています」
この場面、すごく良いですよね……。

向き合おうと決めたのも、江都の町で触れあった、信行たちが居たからこそ。
そして、一緒に戦うことになった信行は、本来300年後の魂。
どう接するべきなのか。思いは。

迷いは、信行にもあります。
おみつのことを知り、それでもと手を差し出す。
けれど、それがうまくいくとは限らない。
その決断は、一緒にこの時代に来た珠樹の行き先を決めてしまう。

こういう時、支えてくれるのは周囲の人たち。
どんな時代であっても、人が人を支える、人情なのです。

だからこそ、選択するのです。

おみつというキャラクタは、かわいいですが、
キャラクタの良さというよりも、シナリオが良いんですね。
このルートだけでも、ふぁんでぃすく1本の価値があります。
これ、本編プレイされた方向けにいえば、義宗ルートか珠樹ルートに匹敵します。

こうなるんだろうな、なってしまいそうだな、なった。
けど、日本晴れのような快活なエンディング。
流れる『穏やかな早起きは三文の得』。
ほんと素晴らしいです。

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ラーメンがとっても美味しそうなビジュアルで、このCGを作ったのは誰じゃあ!ですね。
鶏ガラっぽいですけどね。(実際に食べたのは味噌ですけどまあ良いかなと)

笑いと涙が、江都には合う。
そして最後にもう一笑い。
ものすごく満足させられました。


この作品は会話主体なのに、背景を含めたビジュアルがしっかりしているからか、
説得力が強いです。
ネタも、オオモリヤサイマシマシアブラカラメオオメですが、
物語に入り込めると、画面のキャラクタをキャラクタとして、話を聞くことができるんですよね。
良い物語、たくさんありました。

萌えって、産むのがが難しいし、満足できる作品って貴重なんですね。


本編では、時代劇的なお約束を知っていた方が楽しめますが、
ふぁんでぃすくではそこが軽減しています。
ですので、時代劇を見たことがある人なら尚更楽しめますし、
そうでない人でも、キャラクタビジュアルが魅力的だなと思っていて、
キャラクタの掛け合いが楽しそうだと思えたら、かなり浸れると思います。
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加納格道さんもこう仰っていることですし、まずは「将軍様はお年頃」体験版を。


いいよね、ふぁんでぃすく。
気に入ったキャラクタたち、世界にまた、触れられる。新たな物語で。

これでお江都の物語は終わりなのか、と考えると、ちょっと寂しいです。
それくらい、良い場を感じられる作品でした。


ダウンロード販売もあります。
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