SONORAさんの「僕の未来は、恋と課金と。」感想です。

2019年2月発売作品。

「僕の未来は、恋と課金と。~Charge To The Future~」は、”廃課金ラブコメ”。
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スマートフォンを購入し、友人たちに誘われゲーム”カフスト”を始めた有馬恭也は、
クラスの優等生、綿谷梓が、休み時間中に同じゲームのガチャを引いているのを見かける。

口止めされるが、友人たちと作ったギルドに、
綿谷梓とその友達、西園寺菜々らしき人物が加入してくる。
さらにオフ会を企画したところ、現れたのは、有馬恭也と同じバイト先の間原汐里と、
人気の若手声優、朝森みつきだった……。
という導入でした。

それでは、感想です。
ネタバレは少しあります。


惜しいところと、いつも通りで満足できたところがあります。

スマートフォン向けゲーム、ソシャゲと作中で表記されるものを中心に据えた作品です。
「CUFFS Story's」と呼ばれる、4つのブランドによって
これまでCUFFSさんが実際に築き上げてきた姉妹ブランドを登場させ、
過去作品登場キャラクタをカードユニットとして集め、育てて戦うゲーム。

これを題材に据えているわけですが、
体験版をプレイして、プレイヤー体験としては、ガチャができるADVなんだな、と思っていました。
基本的に二択の選択肢が用意されていて、やるか、やらないか。
課金するか、無課金でガチャを回すか。
なので、難しい操作があるわけでも無いし、攻略に苦労するといったことも全くありませんでした。

主人公、有馬恭也の未来、というかルートを決めるのは。
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マスコットキャラクター、黒うさのいうとおり、ガチャなのです。

ですが、プレイ上では、二択の選択肢を選ぶだけ。
そうなんです。課金するという選択肢を選んでも、課金するわけではないので、
選び放題、かつ、リセットし放題なんですよね。

課金って、実際には試すことに制限があるからこそ、なかなかできないし、スリルなどが味わえる。
そこをテキスト上だったり、結果ゲームオーバーになったりすることで、
何とか盛り込もうとしているのは分かるのですが、
やっぱり、同じようにはいかないんですね。

けれど、実際に盛り込んだとしたら、3%でしかカードを取得できず、
ルートにも入れない……ということになってしまう。
これはこれで、不満が発生しそうです。
元々、ソシャゲでもリセットでやり直し、リセットマラソンなんて表現ができるほど、
作業感と労苦を伴うものですし。

しかし、CUFFSと姉妹ブランドを好意的に見ている側からすると、
カードとはいえ再び見られるというのは嬉しいもので、
クリアに関係しないとしてもコンプリート目指してしまったり。
ほんの少しですが、得たカードのキャラクタについて触れてくれる時もありますから。

さらに、ルートを決めるといっても、得たカードで資格を得られるだけで、
選択は別に行うことができます。
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バトルやガチャの演出にも凝っています。
ガチャでカードを新規取得した場合はフォーカスもしてくれます。
体験版の感想でも書きましたが、
会話とチャットでは、少しでも差が出るようにテキストウィンドウのカラーを変えてみたり。
こういうところに手を抜かないのがCUFFS系列だなと感じます。良いですよね。

また、グラフィック、彩色は本当に素晴らしいクオリティだと思います。
これはグラフィックチーフのミニョンさんをはじめ、関わった人の腕ですよね。

タイトル画面の音楽『いつもの風景』がすごく気持ちよい。
汎用的に使われるBGMでもあるのですが、
こういう日常曲が、しっとりしていて、エレガントさもあって。
すごくね、この作品世界は心地よい、優しいものだと伝えてくれているんですよね。
とにかく素晴らしいと思います。

音声にもこだわりが複数。SEも。
セリフにもテキストにも。
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だから、こういう場面では、テキストフォントもサイズを大きく、
かつ音声は同時に鳴らし、バックログでは個別に再生も可能。

表現力の高いシステムを用意して、クオリティの高い素材をも用意して。
そして柔らかく優しい世界を創り上げてくれていると思います。

しかし、今回は末端まで仕上げられなかったかなと思える箇所も。
version1.01修正ファイルが出ていますが、シーン中のCGが一部表示されません。
それでもギャラリーを見ると達成率100%になっています。
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また、誤認があります。
「はあ」はメッセージを受け取った主人公の声で、朝森みつきのセリフではありませんよね。
どうして収録時に気付かなかったのでしょう、そのまま製品に乗せてしまっているのでしょう。

それと、原画の部分で、少し差異を感じるところもあります。
とまあ、細かい部分はありますが、このクオリティの作品は珍しいのは間違いなくて。
終始安心して進めて行けて、最後まで楽しめたと思います。

どのキャラクタも、ですが。
ワンフレーズワンフレーズ、可愛いんですよね。
セリフだけではなく、合わせて見せてくれた立ち絵だって可愛い。
奥行きを感じさせる場面を見ては、記録したくなる。
だからセーブファイルが足りなくなりそうになって、二人目で不味いなと感じるほど。
最終的にはBOOK8までで何とかなりましたけれども。

ではそのヒロインのルートごとの感想を。プレイ順に。

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「ちょっと生意気。見守るのは私の役目なんだから」
間原汐里(春乃いろはさん)

有馬恭也のコンビニバイト仲間。そちらはお休みして、教育実習に訪れる。
しかも、有馬恭也のクラスを。
学生時代は、バレーボールに明け暮れていた。
ゲームには、後から入ってくる。課金もあまりしない。

教育実習で、職員会議にも出席が認められる好評価を受けた間原汐里。
しかし、休職した先生から受け継いだクラスの授業進度が悪い。
期待されているのか、仕事も多く割り振られ、
帰りが有馬恭也の遅番バイトよりも遅くなってしまい、カフストのログインもできなくなる。
それでも頑張り続けようとする間原汐だが、朝森みつきにも顔色が悪いことを見抜かれてしまう……。

共通ルートから魅力振りまいてくれています。
年上だから、先生だから、なんてセーブをかけつつ、
元々、バイト時代にも仲が良かったこともあって、
また身近な男性が有馬恭也しか居なかったため、それとなく相談したり。
頼りになると認めてはいた。何しろ、カフストのユーザーネームは”まりあ”。

他のルートだと、効率の考え方とか、体調管理の大事さとかを教えてくれたりもしますが、
自分のことだと上手く出来ない、そんな汐里さんでもできないと考えた方が良いでしょうね。
何しろ、有馬恭也のシフトが気になってチェックしにきたり、
様子を見に来たり、ヘルプに来たり、八面六臂です。

春乃いろはさんの年上キャラクタも良いですね。
ダイレクトではなく、ほんのり。けれど妙に色っぽいところがあって、かわいいのは維持されている。

でも、最後の間原汐さんが、同じスーツ姿なのはちょっと減点。
数年後も同じというのは考えにくいですから。

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「正直タイミングを窺ってたから、このチャンス逃してなるものかと行動に移したわけで」
西園寺菜々(森谷こころさん)

有馬恭也のバイト先コンビニにおける、ウェブマネーカード購入額トップのお嬢様。
付いたあだ名が富豪ちゃん。カフストもガチャでカードを引くためにプレイしている。
綿谷梓とは幼馴染みで、性格こそ違うものの非常に仲が良い。

のんびりほんわかしていそうに見えて、きちんと考えていて、ものすごく察しが良かったりする。
コンビニのお兄さん、と認識し、同じ学園の人、になり。
認識が改まる速度は展開の早さであるため、早くはありますが、
色んなことを考えて学んでいく展開は、とても楽しめました。

有馬恭也を、梓と距離が近いと感じる。考え方が近いと。
だからといって、気軽に色々飛び越えてくるわけでは無くて。
名前の呼び方を変えるのは、少し抵抗を示したり。
こういうの珍しいですよね。
呼びたくないわけじゃ無い。でも有馬さんという呼び方も良い。
「うん、やっぱりまだ有馬さんにしとこーって思った」
でも、朝森みつきとの間に割って入ってしまったり。
隣に居たくなるが、この気持ちが男女の好きなのか、分からない。
周囲の人との関わりで恋を見つけていく、納得していくのはすごく良いですね。
「わかんない。でも『そんなこと言わないで』って思ったの」
初めての気持ち、分かるはずもないですよね。

有馬恭也の家に押しかけ、母との会話のやり取りで、
これまでのお嬢様キャラクタとは違う魅力を見せ。
朝森みつきとの中庭での会話。そしてカフスト女子会。
会話が、進行がとにかく面白いです。
しかも、誰も、菜々の心を決めつけない。

このルートの莉央も良いですよね。
決めつけない、けれど背中は押す。
「心のままに突っ走って欲しいと思うよ。笑ってる菜々ちゃんは間違いなく魅力的なんだからさ」
この、自分の心を見つけるまでが、とても素晴らしいですね。

ただ、立ち絵よりイベントCGのほうが幼く描かれているんですよね。
それがちょっともったいないですね。
だから、イベントCGが大きく映りながら、テキストウィンドウのフェイス表示が同時に並ぶと、
差を感じます。
フェイスが大人っぽくて、菜々っぽい。
けれどイベントCG側は、ちょっと幼く見えます。
これは俯瞰だから仕方ないのかな?
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一方で、この立ち絵クオリティ。
ちょっとため息出るくらい。maruiさん素晴らしい。

すごく、すごく聡い子なのです。
だから、森谷こころさんの落ち着いた声と立ち絵がすごくよく合っています。
友人の梓についても冷静に見ている部分があり、保守的なところがあると評したりも。
周囲の考えを受け入れて、自分でやってみる。
これまでのお嬢様キャラクタでは無いんですよね。ここがすごく新鮮味がありました。

他のルートと違って、ルート中にガチャ選択肢がないのが珍しくもあります。

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「ふふ~ん、内緒♪ 知りたいなら、付き合って」
北見莉央(小鳥居夕花さん)

好きが高じたのか、河合あつめと名乗り、同人作家としても活動する。
そのため学園を休んで原稿に打ち込んでいたりもする。
即売会のブースではコスプレをしながら。

かわいい女の子だけではなく、恋愛も大事にしている。

たぶん、一番セーブ対象になっているのは、この北見莉央のセリフだと思います。
原稿の進捗聞かれて「駄目です☆」と星エフェクト付きで答えるところ、
さらに進捗を改めて尋ねられ、下方修正して答えるところ。
連続で何回も聴きました。
こう、かわいいのと、面白いのがいつも同居していて、
それでいてヒロインのままでいる、というのがすごいバランスだなと思います。

他ルートでは、場を用意して恋愛のサポートしたり、背中を押したりもしてくれます。

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「とことん趣味”も”楽しもうと考え直しただけ。徹底的に隠しながらね」
綿谷梓(さくらはづきさん)

有馬恭也のクラスメイトで優等生。
学園が終わるとほぼ毎日塾通い。ずっと親の言いつけを守ってそうしてきたらしく、
カフストは息抜き。課金ガチャもやるし育成もしっかりする。

廃課金ラブコメという進行を背負わされているように思います。
カフストはカフストとして、学園ではこれまで通り優等生で居たい。
いつでも楽しくしていたいスタンスの北見莉央とぶつかってしまうことも。

カフストを重視するのは仕方ないです。そういう作品だし、綿谷梓もカフスト好きなので。
何かあった時にコイントスで決める、あれに近いと考えれば。代わりにガチャをする。
ただ、有馬恭也が少しぼんやりしすぎかな。
また他のヒロインを悪く扱ってしまう進行があって、そこがちょっと気になりました。
メンバーであっても理解し得ない部分を、主人公は分かっていく、という表現なのは分かるのですが、
もう少し寄り添ってくれそうな、理解していそうな感じがするんですよね、あのギルドメンバー。

けれど、オフ会の流れは安直かなと一時思ったのですが、
この梓のためだったと思うんですよね。
最終的には、スッパリ割り切って、楽しむときは全力で楽しもうとします。
結果、2回目のオフ会では『Especially for you』(「ワンコとリリー」OP)を歌う姿も素敵。

このグラフィックですから、すごく美人に見えます。
さすが、にろさん。

あと、私服センス良いですよね。
水着も攻めてて、北見莉央の水着評がすごくハマっています。

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「わたしは悪い子です。仕事だからと嘘をつき、本当のことを話しません」
朝森みつき(白野みゆきさん)

人気の若手声優。顔出し、グラビアなども行っており、学園に通うと姿を見ようと行列が出来る。
カフストへは出演もしているが応援隊長としての仕事も。

芸能キャラクタはルートのイベントが難しいですね。取り扱いも。
どうしてもスキャンダルであるとか、悪いファンがいるとか、ちょっと重ためになってしまいがち。
そこはこのブランドさんの色として、重くならないように仕上げています。
有馬恭也が一般人らしくのんびりしていても、悪いことにはなりません。
さらに、プレイヤーでありながら出演声優という、活躍の場を最初から用意してあったため、
展開はうまいなぁと思います。これなら悪い印象持ちにくいと思います。

他ルートだと、自分の気持ちを他の誰より自覚したのか、アプローチやヤキモチを見せています。
そのため、かわいい場面が多いです。
朝森みつきの悩みも、自分で演じているキャラクタは好きだし大事にしている。
演じた役と自身のズレに苦しんでいるようで、違うものだと認識しているようで。
ちょっと苦しみが分かりづらかったです。
もしかしたら詐欺師症候群だったのかもしれませんね。

あと、どうしてか、グラフィックのクオリティが一段下がっているように見えます。
引きの絵の時が特に。

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製品版内に誕生日イベントが設定されているのはいつも通り。
それだけでなくて、該当日は起動後のタイトルコールが、
ちゃんとそのキャラクタになっているんですよね。素晴らしい。
あと、それがサブキャラクタであろうとも搭載されているのも。
あ、鳴瀬拓人の幕張天人さん、やっぱり面白いですよね。
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カードコンプリートにあまり意味がないのはちょっと残念でしたけど。
でもCUBE作品「恋する彼女の不器用な舞台」十川真優はかわいいです。

萌えがたくさんつまってますね。本当に。素晴らしい。
作るのは本当に難しいですから。



ダウンロード販売もあります。

僕の未来は、恋と課金と。 〜Charge to the Future〜僕の未来は、恋と課金と。 〜Charge to the Future〜