Heliodorさんの「流星ワールドアクター」体験版プレイしました。

新ブランド、Heliodorさんのデビュー作は「流星ワールドアクター」。

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先の大戦の影響で、大陸全土を雲が常に覆い、空は今も晴れることがない。
決して太陽が訪れることのない他種族国家、第七共和国。

世界には数多くの国が存在する。
その多くは単一族国家だが、第七共和国は、争いを経て、多種族が住める国になった。
統治しているのは人間だが、エルフ、ウィスプ、セグイットなど、多種族が暮らしている。

だが、元々人間同士ですら、些細な違いで対立を抱えていた。
他種族が入ることで、摩擦の種類は増えている。

さらに、エルフやウィスプなどは、生来魔術を会得している。
そして、魔術を持たないものに力を目覚めさせる方法を知り、悪用する者もいる。
それが思想を持ち集団化したのが、過去の教団事件といえた。

それでも第七共和国は他種族を受け入れ、
だからこそ、自治組織たる警察庁が重要な役目を担っているといえる。

今回の事件も、被害者のケバブ屋の親父は人間、
犯人はセグイットで、少なくとも魔術を行使したと考えられていた。

警察庁十三課に所属する日流ルカは、この日も犯人を取り逃がしていた。
新たにタッグを組まされた新人、クラリス・ツァインブルグからも呆れられている。

対峙したルカは、逃がした相手が犯人ではないと感じていた。
これまで巧妙に隠れていたはずなのに、大きく動きすぎていると。

その勘はすぐに正答となって目の前に現れる。
ルカとクラリスの前に現れた、フードの二人組。
裏技で覗いた、入国管理局の監視カメラ映像に映った風体に似ている。

職務質問の問答をするうち、目の前の二人の向こうに、新たなフードの二人組が現れたのだった……。
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体験版は、1.37GBでした。

企画・シナリオを衣笠彰梧さん、
キャラクターデザイン・原画を、春夏冬ゆうさん。
背景美術・世界観設計がRaptさんとなっています。

うん、なかなか面白かったです。没頭しました。

見たことの無い世界の構築、というのでしょうか。
新鮮味のある世界が提示されているんですよね。

これを為しているのは二つあると思います。
一つは、シナリオまたはキャラクタ部分。

多様な種族や能力がある世界で、警察庁という組織が主人公の舞台。
向き合うのは事件。しかし、組織として動くことが求められる。
歪みは、存在しないはずの部署、ルカたちのいる十三課の存在になっている。
成果を上げても、真っ当な評価を受けることがない。十三課になった時点で。

それを嘆いたわけでなく、別な目的があって今のポジションを受け入れているのが、
日流ルカ。

ある事件から警察の採用は成人以上となったが、その改正前から刑事を始め、
今も続けている最古参。
その割に事件解決率は最低で、万年金欠。行きつけの喫茶店にもツケはたんまり。
身だしなみも良くない。
奇怪な事件を呼び寄せると噂されたりもする。
……と、意図的に周囲には思わせている様子。
能ある鷹は爪を隠す、をやるうちに、しっかり身についてしまった昼行灯っぷり。

衣笠彰梧さんの描く主人公は、こういうタイプが多いように感じます。
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隠していたのは氷の魔術が使えること。
日頃は抑制剤で使用しないよう留めている様子で、
さらに厳しい使用時間制限と強い身体負荷代償があるようで、
格好いいところは見られますが、それでも犯人を逃してしまっています。
そのため、完全な非常時か、追い続ける教団関与者と対峙したときのみ、使うようです。

十三課に配属されたクラリスは、頑固で守銭奴でケチ。
四ノ宮小町は、ランチにも予定を入れるほど多くの合コンをこなしていたりと、
決してヒロインたちが、ただかわいいだけの存在として描かれては居ません。
何かあって必死に生きてそれが今の形になっている。この場に合う。
キャラクタとして立っている気がします。

また、公式サイトのヘッダーを見た時には、印象が強く残らなかったのですが、
キャラクタのデザインはクラリスをすらっとした柔らかい印象を抱くエルフに描き、
セグイット族のヴァース刑事や、警察庁で会議を仕切る生田刑事のデザインもなかなかです。
全体的にさっぱりしたデザインになっていますよね。

サブキャラクタですが、薄野珠子の表情や、原涼子もすごく良いですね。

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キャスティングも男性キャラクタが特に良いと思います。
こういう世界観ですから、見合った声質が必要ですよね。そこを十全に満たしています。


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そして、もう一つは背景美術。
非常に重厚な背景が、リアリティを増しているように感じられるのです。

シナリオ、テキスト上に、背景に関する情報が特に出てこない。
どちらかといえば、相反する記述が出てくるほど。
描かれた背景や世界設定からすると、彼らの生きている世界は、もっとハイテクなライフスタイル、
装備であるはずで、しかし、そうは表現されていない。
そこへ、この背景。

非常にアンバランス。それがうまいこと味になっています。
表記がない、無視しているのは、それが当たり前の生活だからと受け止めました。

ごちゃっとしているけれど、そこに生きている。
都市部らしい人種人口密集区の表現と、いればそんなことも起きるであろう環境構築。
そして、そこにいる人々。
これらの要素を上手いことミックスさせているのが、「流星ワールドアクター」といえます。


ただ、気になることもあります。
例えば、選択肢。
展開が変わらず、その後の行動にも影響を与えていないように思います。
そこに物語的な意味も無さそうです。

また、場面の展開がワンクリック後で急に切り替わってしまったり、
事態の把握が誤っているように見受けられる箇所もあったり、
それから、テキスト表記とCGが違っている箇所も見受けられます。
「どうぞ、菓子パンいっぱい買ってきました!」
とクラリスが積んでくれた、腹ぺこで倒れる寸前のシフォンに差し出したパン。
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見えるのは、惣菜パン4、菓子パン1。
菓子パンは柔らかい質のものが多いので、あまり下に積まないと思いますし。

でもね、このシフォンはすごくかわいいし、惣菜パンの描き込みすごいと思うんですね。
上から順にチーズフランス、あんぱん、コーンパン、カレーパン、ホットドッグでしょう?
品名までよく分かるすごい描き込みなんですよね。おいしそう。
ここまで袋に入った状態で、美味しそうなパンを描いたCGは珍しいですよ。

怪獣デルーガの登場はどうしてこの場面にしたのか。
それと、日流ルカが訪れる直前まで、雨の中シフォンが表に居た理由は。
単なるミスディレクションのためでしょうか。

メルは、ゲノム国の王女の一人。
クーデターが起き、第七共和国に亡命。
セリフによると双子の姉が亡き者とされたそうですが、
公式サイトですと父が亡き者となったとあります。
両者亡くなったと考えて良いのでしょうか。
伏線なのかもしれませんし、それともズレなのでしょうか。

ディレクションの腕が問われるところだと思うのですが、
魅力的な場面ほど差異が気になってしまいます。
そうでないと、体験版はすごくよかった。けれど……なんてことになってしまいかねない。

けれど、メルが入って食堂の汚れが落ちた、と表現されると、
確かに背景でも汚しの部分を消していたりするんですよね。
そういうところは素晴らしいです。
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メルは追っ手を排除できたとして、抱えることで国同士の争いとならないのか。
国を浄化する”輝きの同盟”とは何か。
キーパーを排除するということは、人間信奉と近い考えを持つ団体なのか。
原涼子がお金を貯めている理由は何か。
メリッサを捕らえていた仮面の存在と対峙する時は来るのか。
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恐らく、ヒロインとなるキャラクタたちの事情によって、
多少経路が違ってくるとは思いますが、
最終的には、日流ルカが目指した”教団”の残党を潰すという意思を、
どこまで全うしていくか……。
そこが最終章に描かれることを期待します。


ストーリーに関係する記述があったらどうしようかと、珍しく体験版収録シーンもプレイしましたが、
四ノ宮小町(花咲恋未さん)は、初めてじゃないほうがらしくて良いと思いますし、
クラリス(花園めいさん)はもう少しスレンダーでも良かったかな。
あと、腰を動かしている、という表現なのでしょうけれども、
シフォン(くすはらゆいさん)は臀部だけ移動させるのではなくて、
全身を動かした方が良かったかも。
でも四ノ宮小町の下着の色は、彼女らしいセレクトだなと感じましたね。
あと休憩中なのにメル(柚原みうさん)とそんなことをしてしまうルカは強心臓ですね。

と、ストーリーには大して影響がなかったのですが。
この作品、こんな雰囲気ならば、コンシューマ化、またはアニメ化しても映えそうですよね。
体験版時点で、そういう発展にも期待したいです。


2019年7月26日(金)発売予定です。

こちらの特典付き版、第七共和国亡命パックには、
描き下ろしB2タペストリー、録り下ろしドラマCD、等身大アクリルスタンド、
第七共和国警察庁腕章風リストバンド、テーマソングCDとなっていますが、
タペストリーとドラマCDは、原涼子(夏目みつ華さん)。
等身大アクリルスタンドは、ピクシーのメリッサ(桃山いおんさん)。
本編でそういう出番が用意されていないであろう、魅力的なサブヒロインが特典に起用されています。
これは上手いですね。



ダウンロード販売もあります。