CLOCKUPさんの「DEAD DAYS」体験版プレイしました。

CLOCKUPさんの新作は、”生と死の境界線で戦うADV”、「DEAD DAYS」。

暮坂照には、何が悪かったのかなんて分からない。
けれど、間際に八つ当たりした相手は、アイツだった。
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犬童先輩にいわれた通りに歌舞伎町の雑居ビルの地下へ飛び込み、
渡された拳銃を撃つまで、それがモデルガンだと思っていた。
本当にヤバいと気付いたのは、反動が全身に響いて、周囲の悲鳴が耳に届いてから。
その悲鳴が耳に届くのに時間が掛かったのは、とんでもなく馬鹿でかい雷みたいな音して、
耳の奥まで激痛が襲い、周囲の音を拾えなかったからかもしれない。
パニックになっている間に、後から押し倒され、意識を奪われた。

ヤニ臭い絨毯の感触に薄目を開けると、スーツ姿の男と、ジャージ姿の男がいた。
どちらも、怖いお兄さんというやつだ。
犬童先輩があのビルを指定したのは、
犬童先輩は怖いお兄さんたちの二代目と呼ばれる存在だったらしいことと、
仕込みの悪戯であるから、らしかった。

とはいえ、二人の怖いお兄さんは、一発撃ってる以上、無罪放免にはできないと、
暮坂照のスマホの液晶画面を見せてきた。
「じゃあ、女ここに呼び出して、お前の代わりに俺たちに詫び入れさせろや」

暮坂照のスマホには、女のアドレスが多い。
それは、三枚目で気のいいヤツを装い好感度を高めた結果だ。
他の二枚目のヤツを立てて親友ポジションを得る。
二枚目のヤツの橋渡しに、周囲から声が掛かる。油断したところをパックリと食ってきた。
罪悪感なんて全くない。
「指名はこの女な」
だが、見せられた液晶画面に映っているものを見て、暮坂照は心臓が止まりそうになった。
安宅真魚。小学校以来の腐れ縁。
話すと、何故か後ろめたい気持ちにさせられる。
この時も、暮坂照の女関係に首を突っ込んできたのだ。
正義感気取り。過ぎれば世話焼きおばちゃんだ。
だから仕返しとして変顔を撮った。その写真。
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呼び出すように言われ、粘り、抵抗して殴られ、折れて電話を掛ける。
スピーカーフォンで聞かれながらの会話は、いつものように嘘で塗り固めたもの。
なのに、何故粘ったりしたのだろう。
「……今日、怖い先輩に呼び出されてたね。脅されて電話かけてるんじゃない?」
暮坂照の嘘は、スマホの向こうの安宅真魚に見抜かれた。今の状況も。
だというのに、ほっとしたのは何故だろう。
「でも行くよ。私が行かないと何かやばいことになるんでしょ。だったら、行くから」
嘘って分かっていながら、やばいと分かりながら、来るという。
その落ち着いた安宅真魚の声を聞いて、こみ上げてきたのは、助かったという安堵ではなく、
――怒りだった。
たとえ地獄に突き落とされるとしても、世界中でこいつにだけは手を差し伸べられたくない。
そんな相手から情けを掛けられようとしている。
「バーカ!バーカ!バーカッ! 全部俺の嘘だっつーの!」
憤りが暮坂照の感情を支配し、スマホにぶつけたのは、とても稚拙な罵倒。
そのまま通話を切ると、怖いお兄さんの拳が飛んできた。

掛け直せと告げられ、拒否する度に絨毯へ転がされ、
最後はクリスタルグラスの灰皿が暮坂照の頭蓋に降ってきた。
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暮坂照が叫び声を上げ、ひとしきり暴れ回ると、状況が把握できた。
どういうわけか、生きている。
クリスタルの灰皿で割られた頭には傷ひとつない。散々殴られた顔も腫れていないようだった。
今居るのは、あの暴力団事務所ではなく貨物コンテナの中で、他に3人の男女が居た。
スマホから、見慣れぬアプリの通知音がする。
チャットアプリらしいそれは、グループ管理者と表示される者の発信を表示し続けた。

「あなたたちは死んでしまいました」
「でも安心してください。ある組織が実施する計測実験の被験対象として選ばれました」と……。
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体験版は、387MBでした。

シナリオは、昏式龍也さん、小沢裕樹さん。
キャラクターデザインは、のりざねさん。
モンスターデザインは、イトウコンペイさん。

そう、モンスターデザイン、なんですよね。
そして「Maggot baits」で楽しませていただいた、昏式龍也さんの企画シナリオ。

仕掛けが本当にすごいと思います。
こんな発想あるんだな、と思わせてくれます。
それを見せてもらうと、すごくしっくり来るものになっているんですね。

発想。
暮坂照を含めたコンテナの中の四人は、何らかの理由で死んでいます。
そして、蘇生させられています。
その蘇生した人体の駆動は、バッテリーの電力。
切れるとと死に繋がるとのことで、四人は残量を気にしながら生きていかなければなりません。
これ、スマートフォンの電池残量を気にする人達が発想の元だったりしないかな、なんて感じます。

仕掛け。
まず、四人にやらせるのが何かの排除であること。
用意されているのは、刃物や鈍器。
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管理者は、幽霊と称しますが、果たして。

また、強制的な蘇生であるため、負荷として異常な発情状態が現れることも。
死に抗うためのもの、というのが、必然でもあるし、新鮮味がありますね。
なので、非常に激しいシーンにもなるわけです。
BGVもすごく良いですね。

暮坂照はすごく、悪い存在です。
腹の底とは別に、口当たりの良いことを言えます。
こういう時にどういうことを言えば相手が納得するか分かっている。巧言令色。
だからこの時点で既にプレイがキツいところがありますが、
でもそんな暮坂照が、仕方ないかもしれないと思える体験版の冒頭が素晴らしいですね。
この仕掛けもすごい。

とはいえ、しばらくは、そのままでしょう。
悔いや生に対する執着があるとしたら、暮坂照の場合、安宅真魚なのかもしれません。
そして、昏くなった世界の光明にも見えて。

暮坂照役の柊椎也さんもなかなか良いです。声が入っていて正解かも。
あと、音楽、オープニング曲もすごく格好良いですね。

それと。
数は控えめながら、シビアな世界観を補強する残虐シーンも健在。
とのことで、体験版以降にも、こういう場面もありそうです。
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2019年6月28日(金)発売予定です。