Heliodorさんの「流星ワールドアクター」感想です。

2019年8月発売作品。

Heliodorさんの「流星ワールドアクター」は、
第七共和国で刑事をしているルカの元に起きる、様々な人種と魔術とが織りなす事件を描いた物語。
”ダークコメディADV”となっています。

それでは、感想です。
ネタバレは、少しあります。



体験版をプレイした時は、多少気になりましたが。
母体が違うから大丈夫かなと思っていた部分があるんですよね。

期待が裏切られてしまった形だと思います。

設定やキャラクタ等は魅力的になれる、はずなのに、そうは調理されていない。
これに尽きると思います。

原画の春夏冬ゆうさんのデザインも良いですし、
Raptさんの世界観設計なども良かったと思います。

が、体験版以降、何か起きたかといわれると、起きては居ますが、
何も終わっていないんですよね。
特定のキャラクタルートを読み終えないと選ぶことができない、ルートロックまでもあるのに。
そのロックも別段意味がない。

デザインやCGが魅力的だとしても、
ヒロインだけでなく、キャラクタそれぞれの登場が、ちょっとずつなんですよね。
幕の内弁当というよりも、テイスティングのように少ない量で、
次のキャラクタに切り替えられてしまう。器ごと取り替えられる勢いで。

物語の都合で下手を打つキャラクタは、魅力に欠けます。
例えば、クラリス。
正義でありたいと頑なになり足を引っ張ってしまう、くらいはまだわかるのです。
新人らしいミスをする、までは堪えたらいいのでしょう。
でも、人を疑わないので気軽に情報を喋るとか。
ギャグにしたいのか、そういう場でもないだろうにルカをオチに使う会話を繰り広げるとか。
目の前に大事があっても、いつも通り。
そして下手を打つ、打たせてしまう。物語の都合で。
数は多くないのかも知れませんが、他のキャラクタの発言が少ないだけあって、
比べて多く見えてしまうんですよね。

また、このキャラクタだったらそういうことはしなさそうと思わせても、させてしまう。
例えば、主人公のルカです。
全てのヒロインと成り行きで行為を持ちますが、気持ちまで好きになりそうなタイプではない。
(後から、愛を囁いたのは嘘だった、なんてことも言い出すこともありますが)

また、ヒロインたちにしても、行為があったからといってルカを恋人認定しそうにない。
第七共和国は、そういう価値観の根ざす場所でもなさそうです。
でも、させてしまう。物語の都合で。

何かが起きた、と思うようなイベント設定は少なく、お互いを求め合うのが伝わるシーンもない。
平坦さを感じてしまいます。
シーン数こそ多めなのかもしれませんけれど、詰め込まれても面白くはありません。
また、ややパターン化しています。

進行の都合でキャラクタが動かされる、だけでなくて、
設定も変わっているところがあるんですよね。
例えば、警察の食堂オペレーションとか。

本当にびっくりしています。
公式サイトで、あれだけ登場キャラクタが居るのです。なのに。
語りきらない間に、俺たちの戦いはこれからだ!という終わり方を、
まさかADVというジャンルで見ることになるとは思いませんでした。

面白かったのは、体験版まで、かなという感じがします。
それを見抜けなかったのは、良くなかったですね。


DMM系列さんの良いところは、スケジュール管理がしっかりしていそうなこと。
例えば、マスターアップがとても早いですよね。
発売1カ月前には必ずマスターアップ告知をしています。
これは他のブランドさんも見習うところがあるのかもしれません。
(ディスクプレス料金を下げられるためなのだそうです)

けれども、それはブランド内部のコスト管理に根ざしたもの。
そういうことは、申し訳ないけど求めていなくて。
プレイして良かった、面白かったと思えるような作品を待っているんです。

恐らく続編を出すのではないかと思いますが、果たして本当に完結させることができるのか。
語りきることができるのか、納得の展開があるのか。
……期待は出来にくいかなと思います。

ほんと、キャラクタ設定だとかグラフィックとか音楽とか……。
素材は素晴らしいのに。もったいないです。



ダウンロード販売もあります。
流星ワールドアクター流星ワールドアクター

また、Androidアプリ版もあります。