戯画さんの「アイキス」体験版プレイしました。

戯画さんの新作は、キスシリーズ8作目、「アイキス」。

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私立有杜美術学園に通うことになる池永蓮は、入学式から遅刻危機だった。
ついさっきまで。
途中でバスが遅れた。
少し離れたところにある実家からだったのもあって、余裕もって出ていなかったら遅れていた。

池永蓮は、去年まで全然違うところで暮らしていた。
半分は、父の仕事の都合。
もう半分は、地元だったこの場所で、1人暮らししやすい学校を選んだこと。
本命の美術系学校に落ちたけれど、引っ越しを繰り返さないで落ち着きたい希望は、
変えたくなかったのだ。

この場所は初めてだから、周囲の新入生がのように、クラス分けに対してのドキドキがある、
というわけではない。
――その時は、そう思っていた。

「あ、あの……もしかして、蓮……池永蓮、くん?」
「うわ、ほんとだ蓮君がいる!? うそ、なんで!」
その呼び方と、声には覚えがあった。
もう何年も聞いていなかった筈なのに、思い出せる。
声のほうを振り返ると、よく似た顔をした2人の女の子がいた。
「もしかして、ヒナとアヤ……か?」
三枝ヒナタと三枝アヤメ。双子の姉妹。3人は、一緒に絵を描いていた仲間だった。

前に会ったのは子供の頃。
記憶の中と似てはいるが、見た目が全然違っていた。

昔はもっと服も似せてた感じがあったけれど、同じ制服でも着こなしが違う。
近づかれると、女の子っぽい匂いに一瞬、戸惑いながら……。
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体験版は、517MBでした。

原画は、桐沢さきさん、葉月玉兎さん、SD原画に、てふんさん。

さて。
戯画さんの印象そのままの作品だと感じています。

シリーズ3作目「キスアト」の登場人物が、この作品の過去として設定されており、
舞台となる学園や街並みはそのまま。歴史が受け継がれています。
「キスアト」ヒロインの星見月夜たちが使っていた校舎も、作業棟もそのまま登場します。

ヒロインは4人設定なのも変わりません。
体験版中では登場しませんでしたが、選択肢による進行があると考えられます。


過去作と比較しますと、ビジュアル面が大きく違いますし、彩色も違うため、
大分印象が違います。
最初にこれを見ていたら、違和感は抱かなかったかもしれません。


公式サイトを見ると、ヒロインの持ち物紹介など、
キャラクタを掘り下げる設定はありがたいです。魅力を増しますので。

ただ、それらの設定が本当に作品に反映されるか、活かされるかといえば疑問です。

キスシリーズの導入の速さを見ていれば分かると思います。
キャラクタが集まるのも仲良くなるのも障害がなく、速い。
設定は使われません。

公式サイトにキャラクタのキャッチコピーがありますが、
それを感じさせる箇所が体験版で登場しません。三枝姉妹は最初から登場しているのに。
詳細な描写は必要なくても、ビジュアル通りでしょうと、
投げかける地の文くらいはあっても良いと思います。

三枝姉妹以外がヒロインと設定されることに必要性を感じません。
三枝姉妹にフォーカスしたほうが、面白く読み応えある作品になると思います。
幼馴染みのような、好意は昔からあるような、そこから先へ踏み込みそうで踏み込めなさそうな、
それでいて姉妹が互いにどう思っているのか伝わるし、解るけれど、
納得できるかといえば違うし、本当のところは言葉にしないと分からない……とか。


恐らく戯画さんの志向として、設定を用意しても、さほど活かさないし描かないんですよね。
あれだけ設定を作られていそうな「アオナツライン」ですら、使い切ったとは思い難い。


シナリオ進行と、OP曲のテンションがちょっと違うように思います。


もうちょっといえば、「キスアト」と同じ舞台にする理由は無さそうです。
背景や舞台設定のコスト削減以外は。
作中で少し触れてしまえば、レガシーとして用いることもできる。
そんな風に思えてしまいます。

キスアト」は2014年1月発売でしたが、今見ても背景はすごく良いですね。
すごくマットで実在感がある。キャラクタ立ち絵を置いても互いに映えます。
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今見ても通用するクオリティなのは、よくわかります。

今作では珍しく、SNSやラジオ展開をさせ、営業面に力を入れているのですが、
本当に力を掛けるべきなのは、違うところです。
まず本編が良いこと。その上で営業に力を掛けるべきだと思うのです。


キスシリーズを作るのなら、
森崎亮人さんによる、森崎亮人節が濃いほうが合うと思うのは、
過去作をプレイした経験があるからなのでしょうか。
設定を使い切らないとしても、相手のことを慮るやり取りが表現されて、
少なくとも”コミュニケーションADV”であるのは、満たすはずです。


2019年10月25日(金)発売予定です。

写真集「彼女感」、ボーカルソングCD、描き下ろしキャンバスアート、
オリジナルサントラ、アクリルジオラマフィギュア4種、ドラマボイスと同梱された、
豪華版モテ!エディションもあります。


体験版2もプレイしました。