QUINCE SOFTさんの「あにまる☆ぱにっく」体験版プレイしました。

QUINCE SOFTさんの新作は、”ケモ耳が町を騒がすADV”、「あにまる☆ぱにっく」。

妹を守るために空手を習い、妹においしいものを食べさせるために料理を覚えた。
妹、友菜の笑顔は俺が絶対に守る……白藤理人はそう決めて過ごしてきた。

友菜はかわいいと、誰に向けても胸を張っていえる。
やや内気で恥ずかしがり屋なところがあるが、気持ちが優しいのだと。
シスコンだという自覚もある。

その友菜の希望もあり、最近は料理を教えている。
うっかり卵を潰してしまい、一緒に買い物に出た時のこと。
友菜が宝石のような石を拾った。

見たことの無い光り方をしていた宝石のような石は、強い光を放つようになっていた。
そこへウサギに似た別の生き物が現れ、慌てるように伝えてきた。
「説明している時間はありません。暴走した欠片を止めるには、あなたの力が必要なのです!」
ガジェットを渡された友菜が、戸惑いながら変身と叫ぶと、
頭からはウサギのような耳、お尻には小さな尻尾が生えた、見るもかわいらしい姿になっていた……。
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体験版は、1.36GBでした。

SD原画に、流かさねさん。

この作品の特徴として。
宮坂みゆさん、宮坂なこさんのかわいらしい原画、線を大事に、彩色されている印象です。

そのグラフィックが、セリフに合わせ口パク、まばたきするアニメーション。
描かれるキャラクタと、作品雰囲気に合った演出になっています。
そのまま動いているのが分かるというか。

違和感、全くありませんよね。
このキャラクタビジュアルに、合った動き。

他にも、封印される宝石の演出がなかなか見応えがあったり、変身バンクの仕上がりは一級品。
かわいいを優先していて、見ていて笑顔になります。
こういうことができるブランドさんはすごいなと思います。


さて、白藤理人が住む祈りが丘と妖精界とはゲートが繋がっています。
妖精界には何でも願いを叶える”願いの結晶”と呼ばれるものがあり、
それをネコのようなネコでない妖精ニャロンが持ち出した。
しかし願いの結晶はうっかり壊して砕け、”願いの欠片”となって散らばる。
妖精界の王の命を受け、妖精ノノは人間界で欠片の捜索をします。

そして出会った、白藤友菜(朔羅ことねさん)と欠片。
封印のためには、人と妖精の力を合わせる必要があり、
それがあの動物を模した魔法少女のような姿なのだという。

誰でも、あの姿になれるわけではない。
大いなる災いが訪れる……言い伝えを防ぐために、
願いの欠片を集める協力をしてほしいと申し出る妖精ノノに対し、
友菜に危険が及ぶ可能性と、父親のような立場の白藤理人は猛反発。

しかし言い争っている間に、回収した願いの欠片が、友菜に吸い込まれてしまいます。

人の願いに反応するといわれる欠片に、友菜が、願いを考えてしまったから。
もし、結晶を復元して、願いを叶えて貰うことができたら……。

願いの欠片は、祈りが丘に大変なパニックを引き起こします。
みんなが幼児化してしまったり、学力テストが食べ物設問だらけになってしまったり。
欠片だけでも願いを叶える力があるようです。

白藤友菜と友達の森乃ひなた(平成のアトムさん)、
白藤理人とクラスメイトの木咲栞(如月萌音さん)までも変身する事態になり、
一緒に欠片を探していきます。
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本当に、何となく、ですが。
メルヘンチックな物語なので、それで良い部分もありますが、
メルヘンなまま進めていってないように思います。
魔法的な物事には論理が必要で、それをぼかしているような、定まっていないような。
例えば、結晶でなくても、欠片で十分、願いを現実に反映させます。
とすれば、願いを抱く彼女たちは、欠片を見つけて叶えれば良いのでは。

仮にその考え方を持つのが、欠片を奪う姿勢を見せた水無月瑠音(柚木かなめさん)だとすると、
向き合わなければならないはず。自身の願いの叶え方に。
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(ドヤ顔もかわいいんですが、このイタズラが成功した時の口元、すっごく良いですね)

このシナリオ進行だと、そこまで描いてくれるのか?そういうシリアスがあるのか?
疑問です。

コミカルさの表現だと思いますが、
登場人物の動きの上手く無さ、下手を打つことで物語を動かすことがあります。
主人公もそういう傾向があり、それを好きになるとすると、ヒロインも見る目が無いのかも?
なんて思えてしまったり。このあたりが難しいです。

こうなると、シナリオを読み飛ばしてしまう流れになりがちです。
せっかくかわいらしく用意したキャラクタすらも。

もしかしたらテキスト単体で読んだ時は楽しいかもしれませんが、
グラフィックの力が強すぎるのかもしれません。全てを牽引している。
となると、テキストに物足りなさを感じます。

選択肢の差異も分かりづらいところがあります。
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この森乃ひなたに向けて、好感の高い選択肢は上のようですが、
問答無用で保健室に連れて行くよりも、まずは優しい言葉を掛ける下のほうが、
寄り添っている感じがします。
どちらにしても最終行動が変わらず、保健室に連れて行くのですから。

これらの設計を、しっかり仕上げて欲しかったですね。
最終的に動きを指定するのはシナリオで、ストーリーこそキャラクタを描くものだから。

メルヘンだけど、願いを叶えるとはどういうことなのか。
それこそQUINCE SOFTブランド過去作を見ると、
そういう重さがあっても、そういう設計があっても良いはずです。

だって、ヒロインキャラクタの願いは、とても純粋で大事にしたいものに思えるから。
「(お兄ちゃんに気持ちを伝える勇気が欲しいな)」
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このちょっと諦めというか、届かないんだなって思っている表情。
何ともいえない気持ちになりませんか。


とはいえ、グラフィックは本当に良いです。
キャラクタはかわいらしいタイプなのに、
スタイルがスレンダーでもボリューミーでも魅力的に描けるのはすごいです。
それでいてコミカルさも映えるので、画面を見ていて楽しい。

ですから、システム上での、セーブファイルの少なさが全く分からないです。
魅力的に見える場面は保存したくならないのかな。
この画面の力であれば、最低でも今の倍はセーブファイルが必要な作品だと思います。


2019年12月20日(金)発売予定です。