あざらしそふとさんの「アマカノ2」体験版プレイしました。

あざらしそふとさんの新作は、”甘えたがりな彼女と俺の純愛学園ADV”、「アマカノ2」。

和倉賢一は、秋の連休を利用して、祖父母の家に出掛けていた。
混み合った新幹線の車窓から、暖色に衣替えした山々が見える頃、
同じ年頃の少女が隣の席に座った。
大きなカートを荷物棚へ代わりに挙げると、長いポニーテールを揺らして丁寧な一礼が返ってくる。

と、走り出して間もなく、肩に重みを感じた。
整った顔が近い。艶やかな黒髪の甘い香り。
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停車の振動に合わせて平静な声を出す。ドキドキしていたことは押さえ込んだ。
「駅、着きましたけど大丈夫ですか?」
「終点だから……」
返事は返ってきたものの、寝ぼけて肩に寄り掛かったままだった。

「ご、ごめんなさい!」
少女が慌てて顔を起こし謝ってくる。
再び走り出した新幹線の振動を受けながら居住まいを正すと、車内販売の人に声を掛けていた。
「ホットコーヒー、いただけますか? ――えと……あなたもいかがです?」
和倉賢一のほうを向いていう少女に、そのほうが気が晴れるならばと応じて、二人でコーヒーを飲む。
視線が合わさり、苦笑を交わす。
なんとも言えない空気と緊張を感じながら、会話を切り出す。
同じ歳だと言っていたが、丁寧な口調は変わらないまま。
姿勢が良く、育ちの良さを感じさせる。

「実はわたし、家出してきたんです――なんて、言ったらどうします?」
それでいて、イタズラめいた言葉と口調。
その中に、真に迫った言葉をポツリと落としてきた。
「でも、やり遂げたいな」
「大丈夫。初めてづくしの中で『初めての家出』ができたわけだし。きっとやり遂げられる」
和倉賢一も、応じてかっこつけた物言いをしてしまった。
少女が瞳を細め、嬉しそうに言ってくれたので、気恥ずかしさは軽くなった。

「それじゃ、『また』」
金沢駅へ到着し、少女はさらに私鉄へ乗り継ぐようで、そこで別れた。
調子のいいことを言いすぎたと思ったが、名乗り合うことも連絡先を聞くでも無く、
なんとなくの出会いに言ってしまった。
可能性を残して別れる。その楽しさを共感してくれたようで、くすぐったそうな笑顔を残して去って行った。

その翌日のこと。学園に通うと、和倉賢一の隣の席に、今までなかった机が置かれていた。
転入生が来るらしい。
難易度の高い転入試験をパスして、10月という時期外れ。
さらに、珍しかったのは、その転入生が現れなかったこと。担任にも分からないらしい。
結局その日は姿を見せず、クラスで話題の種になった。

放課後、和倉賢一が教師に頼まれた荷物運びを終わらせると、校舎は夕暮れに染められていた。
これからアルバイトがある。少し急ごうとカバンを取りに教室へ戻ると、
制服を着た女子が一人、机に突っ伏していた。
「いや、まさか……」
そんな偶然あるわけが――
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体験版は、1.50GBでした。

原画は、ピロ水さん。
デフォルメイラストは、茜屋さん。
シナリオは、龍岳来さん。
背景美術は、塩澤良憲さん、chiki-coさん。
背景彩色は、岡部順さん。
サウンドは、sawamurahさんとなっています。

あざらしそふとさんの「アマカノ」は、「アマカノ~Second Season~」と続いてきましたが、
今作で舞台を一新、「アマカノ2」となりました。

今作でも、名前の入力が可能です。
初期設定として、和倉賢一が登録されています。

システムはCS2。
オートモードの解除は、オートモードボタンをもう一度押すことではありません。
さらに押すとAUTOモードの速度が上がってしまいます。
また、バックログジャンプは搭載されています。カーソルことありませんが、バックログ中のテキストをクリックする。
CS2、自分でカスタムできるといいんですけどね。プレイしていくと慣れるでしょうか。
ただ、セーブファイルが10ページ限定は、足りないです。
あざらしそふと+1さんの「アイコトバ」は100ページもあって安心したのですが、
ヒロイン3人いて、この内容。足りない自信があります。体験版時点で埋まりましたし。


ティザーを見たときから思っていましたが、
ピロ水さん、またレベルが上がっていませんか。
すっきりさせるところはすっきりして、描き込みが細かくもなっている。正統進化を感じます。

そんなキャラクタが、口パクまばたき搭載。
これ、E-moteなの?と思ってしまうほど、自然な動き。
凄いビジュアルです。

凄まじいと思うのは、そのキャラクタが、町と合っていること。
浮いてない。
そこに居そうだと思わせるんですね。

背景ビジュアルのすごさ、旅情感の強さがあって、
そこに居そうだと思わせるのは、すごいんですよね。
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びっくりな背景の強さ。
建物や木々も美しいですが、見て欲しいのは空と雲。
作中の季節は秋ですから、段々空が高くなるのです。それがしっかり描かれているのが良いですね。
遠く高い空があるから、目の前の朱が黄が、より映える。
立体感というか厚み。
実在感があるだけではなく、きれいで良い場所と思わせるのがすごいですね。
夜になってもすごくきれいです。

ちなみに。
ハッキリ書かれていませんが、和倉賢一の祖父母の家は長野か上田で、
新幹線なら一時間半程度でしょうか。
寝入る時間を考えると、黒姫結灯が乗ってきたのは黒部宇奈月なのかなと思います。
山奥というお話でしたし。
(前作までの夜間瀬である可能性のほうが高いですが、黒姫山出身と考えるのはさすがに……)


さて、主人公の和倉賢一は、ヒロインと新たな出会いもありますが、
既に近くに過ごしているヒロインもいます。
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「大丈夫だよね、お兄ちゃん♪」
蔦町ちとせ(歩サラさん)

和倉賢一の隣の家に住む、姉のように育った幼なじみ。
朝晩と一緒に食事を取るので、和倉賢一の住まいには自在に出入りをする。
実家は喫茶店の緋衣亭。放課後はそこで手伝いをするか、家庭科部で料理をしている。

二人には、幼い頃の思い出の蓄積がある。
互いの部屋から窓越しに会話が出来た距離感であり、エピソードは盛りだくさん。
撫でることも、抱きしめることも、それなりの過去があったから。

身体に触れたりしても、和倉賢一であれば問題無い。
ただし、えっちなことだけはダメ。他人でも自分でもダメ。
表情や感情表現がとても豊か。今作のむくれ差分担当。
何気に驚いた顔がかわいい。
哀しそうな顔は、今のところ出てきません。
ヒロインの中では一番低い身長。そしてボリュームのあるスタイル。

甘やかしスキルが高く、人前で撫でたり抱きしめたりも。
周囲には付き合っていると一度は誤解されるが、
当人は弟として可愛がっているだけ。そして、恋が自分に訪れるという実感が沸かない。
ただ、一番近くで見てきたから、良いところも、
ちょっとした違い、例えば悩んでいることにも気付く。

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「――あなたは、私の想像を超えます」
氷見山玲(神代岬さん)

突然、和倉賢一の家に同居してきた従妹。
親類だが、同じ学園の下級生であることを、必要が無いから伝えなかったというくらい、
追究した合理主義者。
同居も、1時間以上掛かっていた通学時間を減らすため。

町歩きが趣味で、興味があるものをじっくり観察、イメージするなど、
時間を掛けて歩いている。
食わず嫌いだった生姜せんべいにハマったり、自分の興味が向いたもの
料理はできないが食べるのは大好き。

ディザーで受けたイメージでは、ツンツンしているのかと思っていましたが、
そういうことはありませんでした。
他人との距離感、和倉賢一との距離感を図ろうとしているところがあり、
不明な関係を名付けられる、体験版時点で、和倉賢一を兄と呼ぶようになります。
その結果、甘え度が0%から50%まで一気に上昇します。
この、表情が柔らかくなる瞬間。すごく充足感ありますね。

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「どうして私に関わろうとするんですか」
黒姫結灯(明羽杏子さん)

新幹線で隣の席になった少女。
偶然なのか運命なのか、白鷺学園に転入してきた。
転入当日に来ないなど、その後も謎や思わせぶりな言葉が多い。

有力者に話が通ったり、喫茶店に寄る経験も無かったようで、
厳しい家柄の出ではないかと和倉賢一は推察しています。
新幹線でだけでなく、学園内でも寝ている現場が見られます。
もしかしたら、体調が悪く、将来が決まっているのかもしれません。
さらに、自分を意図的に偽っている部分もあるようです。

例えば。今作でも搭載されているアマカノグラフ。
登場当初から、黒姫結灯の甘え度は99%なのですが、それほど甘えているようには見えません。
というのも、会話をすると甘え度が減る。
今回の体験版では、29%にまで落ち込みます。

人当たりの良さそうなコメントから、明らかに壁を作ろうと変わる。
だからか、すごく惹き付けられます。

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アマカノグラフ画面でもそうですが、3人ヒロインが並ぶと凄いですね。
体型などのバランスが凄く良い。3人ともそれぞれ特徴があるのに、どれも良い。

そして、気になるヒロインたちの好感度、甘え度。
蔦町ちとせは、いつも通りの接し方なので、甘え度はほぼ変わりません。
氷見山玲は表情に柔らかさが出ています。
そして黒姫結灯は、取り繕っていた表情が外れ、壁を露わにしました。

キャスティングも素晴らしいと思います。
歩サラさんにはこれくらいのビジュアルの力がないとなと思ったり、
物静かな中に表情豊かさ感じるのは、神代岬さんの演技力だと思うし、
丁寧な応対を続けているけど、それが変わる瞬間を見たいと思うのは明羽杏子さんならでは。

恋に対してポジティブになれないヒロインたち。
自分が恋をする、恋に落ちるだなんて全く思っていない彼女たちが、
どんな積み重ねが、切っ掛けがあれば恋に前向きになるのか。

どのヒロインも気になって、早く続きが読みたくなります。
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細かい、気になったところを。

アマカノグラフ画面で、ヒロインにカーソルを当てると、
色が無くなり白くなるのが、ちょっと違和感ありますね。
例えば、白鷺市マップ上でカーソルを当てると、影が出来て立体的に感じられます。
目立たせられるよう、何か出来るといいですね。

一部、蔦町ちとせの音声抜けがあります。
音声とテキストが合ってない箇所や、口パクが動かないものとか。
他の同じようなセリフだと動くので、これは指定の問題かなと思います。
セリフを終えた後に、再度口を開く形に戻るのはちょっと不思議。
セリフを聞けば、口は閉じた状態で動きを終えて良いはずです。
これはE-moteのクセかなと感じます。

初期設定だと、生姜せんべいを取り出す蔦町ちとせのテッテレー音が小さいかな。
他の音は大丈夫そうですが。

あと、傍点というのが分からなかったです。
中庭で寝ている黒姫結灯を見かけ、一足飛びに中庭に移動して上着を掛けているように読めるので、
何かもう少し欲しいですね。

背景的にも舞台的にも、発売は秋頃が良かったのかも、しれませんね。
こういう路地、惹かれます。
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本当に細かいことばかり書いていますが、全体的なクオリティが高すぎて、
もうプレイし終えていたいくらいの気持ちです。
今から4カ月先を待つのは大変だし、秋が遅くなった今の時期に合わせてプレイするのが、ちょうど良さそうで。


2020年4月24日(金)発売予定です。

同日に、サウンドトラックも発売されます。


ダウンロード販売もあります。ボイス付き限定版なのだそうです。