戯画さんの「フルキスS」体験版プレイしました。

戯画さんの新作は”イチャラブコミュニケーションADV”「フルキスS」。

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「今年こそは――」
学園に入ったら彼女ができる……とはいかずに、女友達が一人できた。
だから。若月拓也は、新学期に意気込んでいた。

とはいえ、意気込んだといっても、のんびりしたもの。
拓也には憧れている女子がいるが、憧れているだけで昨年が終わってしまったように。
拓也の温和な性格は、人と関係を育むことにも、積極的でない方に作用していた。

その女友達とは緊張せずに話せる。姉弟のように仲良く自然に。
けれど、それ以外とは……。

進級したこともあり、2階へ。
クラス発表を確認しようと歩いていたら、窓の外に広がる淡色の景色が目を引いた。
まだ満開ではないけれど、見事な眺め。
花を愛でる習慣のない拓也も、足を止めてしまうほど。

そよぐ風に乗って、一枚の花びらが舞い込んできた。
思わず掴もうとするが、花びらは拓也の手をひらりとかわし、
近くにいた女の子の手のひらに滑り降りた。

その女の子……長めの黒髪、おとなしく清楚な印象が、いまは別な色に染められていた。
まるで、小さな子供が、無垢な感動を味わっているように。

「よかったね」
拓也は、不思議なくらい優しい声をかけていた……。
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体験版は、427MBでした。

原画は、うなさかさん。
シナリオは、オオタリョウさん、真崎ジーノさん。

システムは前作と変わらず、NeXASです。
若干動作に重さを感じますね。


今作は、舞台や時間軸も2017年発売の「フルキス」と同じ設定。
別なクラスですが、前作主人公の親友、佐野幸大(皇遊雅さん)が登場しています。

ということは、学生会長は二上陽子(似波双葉さん)で、副会長は神代芽衣(天羽はるかさん)。
転校しそうな子を中心に、あっけらかんとした女の子、携帯電話使用の女の子たちが、
中庭で花見をしている……かもしれませんね。

登場機会の有無はさておいて、ヒロインを二人に絞ったキスシリーズ新作です。
(前作のプレイは必須ではありません。独立した物語のようです)


OPは、『Kiss me, With me』
作詞作曲を羽鳥風画さん。歌は、佐々木未来さんです。


「フルキス」と同じ舞台設定のため、同じ背景が登場します。
今見ても、3年前にリリースされた作品背景とは思えず、新規ビジュアルかのように美しいです。

が、今作で新規公開となったビジュアルが残念です。
立ち絵、表情が不思議なものがあります。

うなさかさんのイラストはとにかく魅力的で、表情も含めて魅力的だと思っています。
うなさかさんのpixiv掲載イラストで挙げると、このイラストこのイラストも。このイラストも。

これらを見てから、「フルキスS」体験版に戻ると、グラフィックに違和感があります。
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表情差分が明確に分かるところで、彩色と線画両方でしょうか。
うなさかさんの作画ではないと思っていますが、ビジュアルが非常に弱いです。

芝居がすごく良いのです。
さすが月野きいろさん。さすが咲智ゆんさん。
でも、画面に映るビジュアルが弱いと、どうにも浮いた形に見えてしまいます。
せっかく良さそうな場面なのに、気合いの入った芝居をしてくれているのに。
もったいないです。

背景や、Laneのビジュアルも同じ。
出歩く場所も同じ。時間軸も同じですから当たり前ですね。
主人公の部屋構造間取りも同じで、机とベッドと本棚の位置が違うだけ。
(この背景リメイクは上手いと思います)

省力化を図るのは構わないと思います。ヒロインが二人でもこの価格で構わない。
ただ、かけるべきところは、しっかり力を掛けて欲しいです。
本当にもったいない。


とはいえ、ヒロイン二人はとても良い印象を持ちました。
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川霧花菜(咲智ゆんさん)
家庭菜園を趣味にもつ、本好きの女の子。
今年度は、内気な自分を変えたいと思い、クラス委員に立候補。
若月拓也のことは知っており、憧れていた様子。

祖母と進級祝いに食事をしに行ったりすることから、家族間の関係は良好そうです。

清楚さというか、芯は強いかもしれないけれど、周囲の押しに弱かったりする、
そんな印象は、咲智ゆんさんの声によって感じられます。良いキャスティングだと思います。


新條悠(月野きいろさん)
気さくで美人。学年男子の憧れ。
新学期早々、言い寄られて困っていた。
そういうことが多いからか、不用意に男の人に声を掛けないようにしている。

小芝居上手。意外とアグレッシブ。
若月拓也のことは、他の男の人より接しやすいと思っているようです。

同年代だけど、告白を受ける機会が多いからか、ほんの少しだけ大人というか、
視点の違いを感じます。月野きいろさんの演技から。
接し慣れている部分と、そうでない部分があるのが分かるというか。

良いと思うからこそ、もうちょっとグラフィックにはがんばって欲しかったなと思うわけですが。
芝居だけで引っ張るのは、さすがに無理があるように思います。


鳥越千夏(雨場つかささん)
昨年、若月拓也とゲームを通じて知り合い、以降仲良くしている。
交友関係が広く、誰とでも仲良くなれるタイプ。
かわいくないわけではないらしく、いざとなれば上目遣いでおねだりをする。

若月拓也は、「フルキス」の主人公と似ています。
女の子と仲良くなってみたい、恋愛がしたいと思いながら、受け身。
そのため、千夏が拓也とその周囲の恋愛成就を手助けします。
一緒に過ごせるように企画を立てたり、連絡を取り合ったり。
みんなをサポートするが、あとは本人達の選択と思っているようですね。

それでも何故、そこまでしてくれるのでしょうね。
親身になって自分のために動いてくれる人は貴重、ですよね。
興味が沸きますが、残念ながらヒロインではありません。

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新條悠の登場場面はそれでいいのかな、とか、
代役を頼むのが先で、いい手があると思いつくのが後。思考順路正しくないのではと思ったり、
ハニトーイベントをあっさり終わらたのは何を印象づけたかったのか解らないとか、
分岐しなかった後の処理があっさりしているとか。

短い体験版でも、展開がやや駆け足だと感じます。
ヒロイン二人作品でも構造が変わらないのはもったいない。
ここも、力を入れて欲しかったです。


タイトル「フルキスS」のSは何だろう?と思ったのですが、
関係図で考えると、花菜→拓也→悠、となっているスタート時点の、三角関係のSかもしれません。
もっとも、これは単なる想像で、体験版以降の展開で三角関係が描かれるとは限りません。
そうだったら面白いな、という希望に近いものです。

そういう想像をするくらいには、川霧花菜と新條悠は魅力的に思えました。

オリジナルサウンドトラック付きの初回限定版と、


さらにアクリルフィギュア付属セットがあります。

2020年2月28日(金)発売予定です。