LiLiMさんの「風雷戦姫 神夢」感想です。
風雷戦姫 神夢

2020年1月発売作品。

LiLiMさんの「風雷戦姫 神夢」は、”和風変身ヒロインAVG”。


杜松透琉は卒業を控えた弓道部だが、たまに道場で弓を構えている。
腕が落ちるから、ストレス解消。透琉の理由はそれだが、
なんでも、透琉が矢を射ると清浄な空気になるのだとか。
妖魔の噂が蔓延る昨今、不安がる部員に求められるのも仕方が無いのかもしれない。

その透琉は、妹と二人暮らし。
実は、敷地の裏山に、妖魔の総大将、九尾の封印があるといわれているが、
良く分からないのでとくに何かをしているわけではなかった。

ある部活帰りの日のこと。
噂の妖魔と出くわしてしまった透琉の頭上、月を背に、
着物を纏った女の子が降ってきて……。

それでは、感想です。
ネタバレは少しあります。
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体験版は2つリリースされていますので、購入される方は是非体験版を。
というのも、この作品に期待されるのはシーンですが、その確認ができるためです。

今更ですけど、体験版収録のシーン、透琉の動きが良く分かりません。

いつの間に透琉は脱いでいたのかな。
脱いでいないけど爆発したということかな。ここが良く分かりません。
グラフィックを見ていると、神夢に吐き出しているようにも思いますが、そういうわけでもなさそう。

描写の不明さが、せっかく用意されたシーン全般に行き渡ってしまっています。
特に大事な場面でしっかり描写がされていなくて、
分からないまま終わってしまうのは本当にもったいないです。

このタイプの作品って、こんなヒロインが、こうなってしまう。
その見方や過程を楽しむものだと思うのです。

通常場面においても描写が不足しているため、前提となる、こんなヒロインが、の部分が弱い。

また、勝利する流れも今ひとつ。
月から降ってくる、異世界の半神と、魂で合体して戦う。
民衆の力を得るのは良いと思うのです。
それまで民衆があまり登場しなかったので、唐突な感じがしてしまう。

負け方も、負けて当然のような印象が付きまといます。
攻めが単純、猪突。バトルが魅力的ではありません。
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必殺技演出やグラフィックは、すごく良いと思うんですけども。


そもそも。
神夢は、登場初回で妖魔に対し手心を加え、逃してしまいます。
このところ、もう少しうまく展開させていくと良かったのかも。
「封印したら消滅する」と声を入れ、演技で躊躇いを強く感じさせるとか。
すると、その理由についても何か重大なものが控えているのかと思えたかも知れない。
あるいは、ここで選択肢を入れても良かったのかも。

そう為っていたとしても、神夢という存在が、少しお荷物に描かれています。
消滅ではなく封印にこだわる理由、改心するという考えに至った経緯は何か、描かれません。

周囲の状況を認識できていない。
自分の実力を正確に見定めていない。
自分にはこれしかできないと、決断すべきところでしょう。

そう、判断、決断ができないのです。

コンテンツに慣れすぎている部分もあると思うのですが、
認識不足が原因で不利に陥る展開は、見ていて楽しめないのです。
優柔不断になっている。
自分の力量を知っていれば、採れる手段は決まってしまう。
あとは決断して動くだけだと思うのですが。

戦いの厳しさを、自分の身を懸ける切実さをどこか備えてないように思います。
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シーンもやっぱり短め。堕ちるのも早いです。
負けとは何か、堕ちる理由とは何か。そこが上手く定まっていないように思います。
琳音が急変したところなど、正に。
琳音はシーン数が少ないのですから、もう少し丁寧でも良かったと思うのです。
早いとは、見ている側にその理由が分からない変化。

負けた時、うまく束縛を解除、反撃しようとするも、たった一言で制止してしまう。
相手に負けると、透琉とはできなくなるのも、今ひとつ。

透琉のパーソナリティ表現も抑えめ過ぎていて、
観測者としての役割しか担っていないように見えてしまいます。
神夢が例えば他のキャラクタに懸想したとして、持って行かれたという感覚がありません。

誰かがヒロインに少しでも優しくすると、もうそちら側へいってしまうのではないかと不安に陥ります。
本来はそう感じさせるのもスパイスの一つだと思うのですが、
神夢の場合は、自我が脆いからそう思ってしまうというか。

若干、行為を見せられているだけのような感覚に陥ったのがとても残念ですね。
となると、あとはビジュアルまたは声が好みかどうか、だけになってしまうので。
なんでこうなるの?みたいなシーン構成もあります。
こういうシーンを見せたかったのでしょうけれど、もう少し必然性が欲しかったかな。


音量は良いのですが、音質がもう少し。
セリフが割れてしまっている箇所が多く、全体的に音声の質がもう少し良いと良かったですね。
収録環境の問題でしょうか。

SEももう少ししっかりしてほしいかな。入った瞬間にSEが無いのは、なんだかなと。
基本的には、前作「White Blue」と同じなのですけれども。

バッドエンド曲『華かげろう』も良いですね。


琳音エンド曲は、グッドエンド扱いで良いのでしょうか。
その終わり方で良いのでしょうか。首を傾げます。

というか、琳音とだって幸せになりたいと思わないと、思えたのでしょうか。
魅力的ですよね、琳音(蓬かすみさん)さん。
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テクニシャンの扱いの伐狸尾ルート(?)が一番良かったかもしれませんね。

とはいえ、それもシーンが短い。
テクニシャンらしさを、時間を掛けて味わわせてくれたらよかったなと思います。

神夢は何も知らないキャラクタ設定。
敗北初回でいきなり全て奪わない、上手い流れがあるのですから。
少しずつ教育していけば良かったのに。

伐狸尾に嬲られると透琉としても上手くできないようになるのなら、
戦っていない時、つい伐狸尾のことを考える、とか。
段階を踏んでいってくれたら、あのヒロインがこんなことに、と楽しめたかも。
色々展開できたと思うのですが、惜しい。
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グラフィックは素晴らしいと思います。
まず、ヒロインがきちんと色っぽい。
金目鯛ぴんくさん、キャリアも長いと思うのですが、
最近の表現も組み込んでいて、見応えがあります。これは良かったですね。



ダウンロード販売もあります。
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特典で付属していた「昇龍戦姫 天夢」と同じで、Windows10ではインストールがうまくいかないことがあります。
ダウンロード販売のほうが安全かもしれません。