JADEさんの「LOVE・デスティネーション」体験版プレイしました。

JADEさんのデビュー作は、「LOVE・デスティネーション」。
”死に戻れた2周目でモテモテライフ♥を夢見たら、そこは全員バッドエンドのハーレムルート♥だったADV ”。


この国は、経済的にも破綻していた。
だから高級リゾートで、結婚式を挙げるというのは特異なことであるし、
そんなことができるのは、法制を鑑みても今月まで。

そんな環境に、弥刀凉佑が居られるのも、新婦が従妹だからだ。
すごいのは結婚する当人、大手一流商社に勤める黛眞優梨。

だが、昔から知る眞優梨であれば、もう少し違う相手を選ぶのでは無いかと感じた。
直接は言わなかったし、言葉を選んだが、
相手は年齢も貫禄もはるかに上。式費用は眞優梨が受け持っていると聞いた。
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「ほら? あたしもさ、もう後が無いじゃない?」
色々な思いが篭もった一言だと、凉佑には聞こえた。

政治を誰が舵取りしても同じだと気楽にいえた時代もあったそうだが、
現代では、誰がやっても悪くなると思われている。
中でも、今の総理、汀という存在は、基盤を固め様々な組織に食い込み、
法を弄くり回している。
身近なところでは電車に乗るにはパスポートが居るようになったり、
救急車両や警察を頼るにはお金が必要になった。
眞優梨が月内に結婚式を挙げるのもそうだ。結婚制度が解体される。
国を切り売りしている……。
話によれば、その汀という人は、眞優梨が在籍していた学園関係者だったらしい。

元々は超が付くほどのお嬢様学園。
だが、少子化を理由にしたのか男子学生を受け入れた頃から、おかしくなってしまった。
そこからの卒業生は、ある意味、派手な活躍をしているといえた。
評価は、”害虫の群”。
政財界に寄生、世界中で活躍しているのだ。

メディアは口をつぐむように取り上げなかったが、動画サイトに出回った”実況”。
ニュースとして残っている、学園長が持っていたホテルで起きた火災による死亡事故。
通り魔事件。これも動画として出回っていた。
様々な事件が続き、最終的には学園長が自殺。
得体の知れない連中が学園運営を執り代わり、そして、”寄生虫の温床”となった。

治外法権と自主性を同居させ、伝統と格式は消え……、
結果、学力、素行ともに最底辺に。

とはいえ、凉佑には関係が無い。
一時、その学園に入れという要請もあったが、女学園、しかもお嬢様ばかりの環境で、
男子一人がやっていけるわけもなく、断った。
当時は様々なことが凉佑を襲っていたこともある。

心穏やかなままでいるには、わざわざ何かする必要はない。
事勿れ主義。
元々そうだったが、明確に、凉佑の処世術になった。

「ねぇ……もし、凉佑が学園に入ってたら、全然違う”今”になる可能性もあったのかな?」
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「でも、俺は俺でしかない」
過去は高級住宅街だった、今は無人の地となった街を歩きながら、人生を回顧する。
今では明日の支払いすら気に病む立場。
国が割譲されようが、そんな高度なことは考えていられないが……。

「こーんな生き方で、いいワケねーだろ……」
年齢のせいなのか、ここ最近、溢れてくる感情を抑えることができない。
出会いも色々あったはずだし、もしかしたらと考えることもある。
全てを回避することを選んできたのは凉佑自身だが、悔いが無いわけではないのだ。
ひとしきり自分を否定し、そして肯定したところで。

いつの間に車道に出ていたのか。
凉佑の視界は白かった。

何もかもに混乱していた。
道路でトラックに轢かれたはずが、病院。しかも立っている。
直前に、姿の見えない、圧倒的な力がありそうな、けれどおっちょこちょいな声と会話した気も。
「前と違う選択肢を選んだからって、油断しないでね」
そんなアドバイスをもらった、ような。

何より、現れた二人に。
さっきまで式場で会話していた眞優梨にしか見えない人は、叔母の眞由美さんで。
眞優梨が若すぎた。可愛いと叫んでしまうほどに。
そして眞由美さんが尋ねてくる。
「でね、どう? ”例の学園”からのお誘い」

混乱が落ち着いてくると、本当に時間を遡ったのだと感じられる。
なら、この問いへの答えは一つ――。
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体験版は、1.36GBでした。

原画は、あげきちさん。
シナリオは、FAZE and JADE screenwriting teamとのこと。チーム制なのですね。

体験版を一通りプレイして、期待感をグラフで表すと、山の形をしています。

良かったのは、グラフィックとシステム、それから公式サイトの情報。
ちょっと気になるのは、シナリオの方向性。

まず、最初にびっくりした、システムの充実性について。
これすごく良いと思うんです。
Keyさんと同じくSiglusエンジンですが、機能がとても充実。
見当たらないのは、音声テストボイスと、既読文字色変更、
あと、セーブファイルの追加、ウィンドウサイズの記憶でしょうか。

Siglusエンジンではなかった、ウィンドウサイズの自在な変更が可能。とても有り難いです。

またUIが非常に凝っていて、機能性が高くても画面がうるさくならないように設計されています。
画面に映るキャラクタから視線を散らさないようにした色合い。
選択肢が出た場合はまたデザインが違う。
さらにタッチUI用ボタンを大きくしているのは、良くわかっていますよね。
これは素晴らしいです。

これだけでプレイしやすさを感じ取って、もう購入する気になっていました。

また、公式サイトで、スタッフ情報が詳細に公開されています。
非常に好感。ぜひ公式サイトへ。

そしてグラフィック。
あげきちさん、前にプレイしたのは脳内彼女さんの「恋愛まで選択肢ひとつ」だったのですが、
すごくレベルアップしていて、最初に登場する花嫁衣装の黛眞優梨から、惹かれてしまいました。
ビジュアルには相当満足しています。

夏月まりなさんのSDも良いですね。

彩色として、藤倉琉音さん、水月あるみさん、さくら★ゆうさん、にやすけさん、
そしてJADE painting teamと名前が挙がっていますが、
キャラクタの彩色がとにかく良いですね。
FULLHDだと大変だったと思います。


さて、気になるのはシナリオの方向性ですが。
過去へ遡り、大きく人生が分かたれる地点へ戻ってやり直す。
弥刀凉佑は、選ばなかった人生を歩み直します。

導入、現状説明にしっかり時間を掛けていると思いますし、
不穏な話もちらほら。

そういう話をさておいて、誰かと付き合おうと告白を連続していくこと。
その先に待っているバッドエンド展開がとても気になるのです。

告白を連続的にする。凉佑に、そんなノリが可能なのかなと感じてしまいます。
確かに、やり直して4カ月も経過、周囲の環境に適応していれば、
誰かと付き合う可能性も気になっていくのかもしれません。
でも、誰かに提示されたからといって、動けるものなのでしょうか。
少し前まで社会人だったのに。その生活で染みついた習性もあるはずなのに。

どうもここが弱いように思います。シナリオの都合でやらせているような。
ヒロイン達と出会う切っ掛けに使われているというか。

もう一つ。
こちらのほうが大きいのですが、どうもバッドエンド展開が多そうなのですね。
やり直しを題材とするのであれば、バッドエンドでないほうが良いなと思うのです。
最終的にハッピーエンドが待っているのならば、それでも良いのかもしれませんが、
そこに至るまでが大変そう、または、それでも何人かは零れてしまいそう。
体験版では、そんな風に感じています。

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「誰でもいいから! ”誰か”と付き合って! って言ってるの!」
黛眞優梨(奥川久美子さん)

身体の二箇所だけ成長が完了している美少女。
ただし、未来ではその一部に変化があった。

適度な距離感でお節介を焼き続ける。
……と思われましたが、どうも小さい頃から弥刀凉佑のことが好きで、
あれこれしていたらしい。

料理の腕前はなかなか。花嫁修業の一環で凝り性。

眞優梨の入浴を覗こうとしていた誰かを察知、
知らなくて良い事を知ってしまった凉佑に、夏休みまでに誰かに告白しろと要求します。

弥刀凉佑の親戚。
未来では、父を喪い、母の眞由美も精神を病んでしまっている。
希望を捨てて結婚だけはしようとし、その状態でも、凉佑のことは気にかけていた。

奥川久美子さんって、こういう距離の近いキャラクタ上手いですよね。
身構えること無く聴けるというか。

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「あんなに綺麗で可憐で可愛い娘が実在するだなんて! あぁ……」
椹木咲麗子(あさり☆さん)

文武両道で才女な学生会役員。
男嫌いで共学化撤回を目論む勢力に属している。
事あるごとに弥刀凉佑に絡むが、その理由は、黛眞優梨が好きだから。
なのに眞優梨は凉佑が好きだと明かされているから。

眞優梨のためには、したくもない協力もするし、自分の身体だって差し出す。
思い込みが激しい。
暴露させすぎていて、眞優梨が少しかわいそうなほど。

未来では、眞優梨に結婚できなかったら一緒に暮らそうといわれ、
海外で城のようなペントハウスを購入したらしい。
ある意味、思いを貫いているといえますね。

でも。
写真の隠し撮り、占い師に占って貰う、恋愛絵馬奉納、恋愛成就祈祷。
さらに凉佑が寝ているところに忍び込んで添い寝。
眞優梨もすごいですが、それに付き合う咲麗子もすごいですね。
ということで、眞優梨と咲麗子は同じルートにいます。

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「ふーん……そうか、そうだったのかよ……オマエが”あん時”の……」
乙名詩那(八ッ橋きなこさん)

制服も着崩し、お嬢様学園には似つかわしくない粗雑な言動、強引な行動。
男遊びも派手という噂がある。
必要なら、乱暴な連中を部屋3つ分は呼べるらしい。

彼氏がいるらしいが、あくまで男避けの友達。
現在の彼氏は、詩那の趣味ではないらしい。そのため、定期的に変わるとのこと。

北欧クオーターで金髪は地毛。そのままでいれば古美術人形のような美しさがある。
目の片側だけカラーコンタクト。
外見に関する周囲からの攻撃に反発した結果だという。

双子の妹、莉那を守らなければいけないと、色々な行動に出る。
実は父が現在の学園長。

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「一年前……命の恩人だった瞬間のアナタは、もっと可愛かったわ」
乙名莉那(水霧けいとさん)

姉の反発が片目のカラーコンタクトなら、
莉那は目立つことを避け、伊達眼鏡を選んだ。

弥刀凉佑は、未来でトラックに轢かれますが、この年代でも轢かれています。
それは、この乙名姉妹を事故から救ったため。
そして乙名莉那は、それが明確な殺意を受けてのことだと明かします。

所謂不義の子。
殺意は、乙名姉妹の父である鮎川大河から。
マスコミに追い回され疲れてのことと莉那は把握しています。

鮎川大河は学園長であり、弥刀凉佑を特別枠に入学させようとしたのも、
目撃者の動向を監視するため。

しかし、これだけではありません。
何やら幼い頃に色々あった様子。例えば、公式サイトのグラフィックページ。
そして、体験版。
水霧けいとさん、ヤンデレ演技が上手ですよね。

未来の乙名姉妹は、拉致から殺害されるまでが動画サイトに掲載されていた。

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「私……私たち……”普通”じゃないから……」
神尾花梨(木野原さやかさん)

弥刀凉佑のクラスメイトで隣の席。挨拶すると返してくれる程度の仲。
控えめな性格で、会話が難しいが、瞳がとてもきれい。

弥刀凉佑に興味は持っている。また、家柄に問題がある様子。

未来では、眞優梨の結婚式に姿があったそうだが、
大人しく男の気配がない、といわれる割には、目つきの悪い連中に囲まれていた。
それらは、地元の有力者たちの取り巻きのはずで。

普通じゃないことについては、体験版で明かされています。

家もそうなのでしょうけど、本人が幸せになれるのかどうか。
色々なことをさせられている気配がありますね。

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「誰とも巧く行かなかったら……オレを選べばいい。それで問題は解決」
陵瑞希(よぴこさん)

見た目も声もかわいらしい、ですが男。
日頃の態度はとても優しく、周囲の女学生達とも打ち解けている。
だが、人の居ないところではストレスを発露させ暴れている。

家に縛られ、学園へは黒塗りの車で送迎。
祭りや神事を取り仕切る、地元有力者。

弥刀凉佑のことは、友達以上に気に入っているようで、
送迎車を待たせても一緒に居ようとする。

なお、神尾花梨とルートはセットのようで、
男ですがヒロインとして公式にカウントされています。
ここまでかわいいと仕方ないかもしれません。

未来では、使用人を殺し投獄。さらに獄中死している。
この時代でも、粗暴なところを見せます。

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「現実には有り得ない事が起きてるのは、現状が現実じゃないから……そう考えたほうが現実的でしょ?」
アイ(歩サラさん)

暑い季節も長袖制服の少女。学年なども不明。
神出鬼没で、弥刀凉佑がどんなところに居ても観察している様子。
ですが、何かを見透かしたような発言と、付き合うことは無理だと貫く姿勢。
弥刀凉佑以外には、存在自体が見えていない。
そのことを、弥刀凉佑は気付いていません。

示唆的な仕掛けがあって、巧いなと感じました。
これはこのグラフィックだからできること。
そして歩サラさんの存在感ある声だからできていること。

未来では、会わなかった存在。
このルートだけが独立しているようです。

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というわけで、急展開。
誰かに告白をすることになってしまいました。
ここからがちょっと望んだ展開ではなかったですね。
平常に学園生活を過ごしながら、解き明かす展開だと面白かったのですが。

弥刀凉佑は理解していません。
この時間を基点に、世の中は大きく変わっていった、といわれたことを。
その後の世は、どんどん苦しくなっていったことを。
荒れた、元お嬢様学園は、様々な悪徳に満たされ、世間を騒がせたことを。
登場するキャラクタ達に、明るい未来は続いていなかったことを。

つまり、弥刀凉佑は、自分がより良い人生を送り直すことだけでなく、
他のキャラクタと係わることで、その人生をより良くしていかねばならない。
……のであればいいなと思うのですが、本当はどうなのでしょう。

だって、どのキャラクタもすごく良いデザインだと思いませんか。
みんな幸せに成って欲しいと思いませんか。

でも、不安になる要素がちらほら。
といいますか、本当にハッピーエンドがあるのかどうか不安です。
あげきちさんによるキービジュアルラフ案によると、やっぱり暗い印象がある。
製品パッケージデザインも、よく見てみると、背景に天の声が控えています。
これがどういうデザイン意図なのでしょうか。不安です。

公式サイトのグラフィックページ。
瑞希と乙名姉妹のページが入れ替わっているのですが、これもわざとではないかなと。

少し、底意地の悪さのようなものがあるのではないか。
そんな風に身構えてしまっています。
グラフィックやシステムの良さは素晴らしいと思いますし、
導入物語も面白そう、だけれど、その後の展開は不安。


ちょっとクセのあるテキストだとは思いますし、台詞回しが不思議なところもあります。
それと、色々盛り込み過ぎているようにも思うのですが、
最後まで描ききってくれるかどうか、ですね。

発売日であるとか、そのあたりをしっかりアピールしているところはかなり好感です。

あと大人版の眞優梨がかなり美人なので何卒。すごく美人かわいいです。

2020年2月28日(金)発売予定です。

ダウンロード販売もあります。

製品版をプレイしました。感想はこちら