ensembleさんの「シークレットエージェント」体験版プレイしました。

ensembleさんの新作は”騎士×忍者、学園潜入ADV” 、「Secret Agent~騎士学園の忍びなるもの~」。

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決して歴史の表舞台には現れず、人知れず事を成す、自由に潜む影の刃。
それが忍者。

この時代にも忍者はいる。
伊賀や甲賀といったブランドを名乗らず、忍びの組織は国に属する。
超法規的な活動、闇に紛れて悪を討つ。
その使命は変わってはいない。

最先端AR技術が生活に根付いており、学園運営を騎士団が行うという独特なルールを持つ、
閃来学園研究都市。

そこで話題になっているのは、蝙蝠という存在だ。

名乗ったわけでも声明を出したわけでもない。
最初に起きたとされる事件現場で、発見されたマークがSNSで広まった通称。
行動規則は、ターゲットとなった社会的地位のある有名人が言い逃れができない状況で、
悪事を暴露すること。
先日も、ある議員の演説中に流れた映像が、すり替わって公開された。
女性の社会的地位向上を掲げるプロモーション映像のはずが、当該議員が女性に乱暴しているものに。

蝙蝠の活動は、人々からは一定の賛同が得られているといえた。
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だが、組織としては認められない部分もある。
蝙蝠がやっていることは、組織の活動と似通っているが、
センセーショナルな部分が大きく違っている。
対象は静かに退場させる。組織の忍びの活動は、あくまでも影の裡なのだ。

しかし対外から、蝙蝠は組織の一員ではないかと疑われていた。
疑いを晴らすためにも、組織は蝙蝠の調査をしなければならない。

手掛かりとなるのは、現場に残された装飾品。
蝙蝠が意図的に置いていった可能性があるそれは、
閃来学園研究都市にある冬華学園の騎士章だと判別した。

蝙蝠の調査に、御影迅が招聘された。
公儀隠密の時代から続く国防を司る諜報機関の一族の生まれであり、
現在の組織の長官は、彼の母親が担っている。

任務は、冬華学園に学生として潜入、騎士章と蝙蝠の関係を探ること……。
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906MBでした。
ボリュームに沿った体験が、堪能できます。

原画は、武藤此史さん、オダワラハコネさん、綾瀬はづきさん、淡夢さん。
シナリオは、ギハラさん、中島大河さん、桃ノ雑派さん、甲二さんです。

まず、ADVプレイヤHDシステム、Windows7ベースでプログラムを製作されている印象があります。
Microsoftがサポートを終了していますので、そろそろ改修しても良いと思いますね。
とはいえ、今作のUI、作品に沿った形でスクエアデザインで良いですね。

全体的に非常に良かったです。
というか、良い場面が多くてセーブファイルが足りませんでした。追加をお願いしたいです。

彩色が華やか。ensembleさんの特徴です。
綺麗な画面ですよね。
騎士学園の制服、胸元から袖口までディテールが細かいデザインなのに、
細部まで彩色がきちんとしていてよく映えます。

また、今作は、SEもかなりこだわってますね。
AIアナトの登場、触れてみるけれど透過する音。
ギャグ的な展開の、忍者蝉丸への憧れを語るカノンに熱が入ったところでドン、ときちんと鳴らす。
画面演出も含めて、配置の良い演出ですね。

電話中を表す表現もなかなか良いと思います。
現在から思う近未来感に溢れている。未来っぽさ。
わかりやすさというのはとても大事です。

男性キャラクタも良い声の方を配役されています。
音質も良いのが、ウィルプラス作品。
人気の音声左右振り分けも用いられ、位置まで伝わりそうな感じがしますよね。

多少、設定で気になるところがあります。
ARとVR技術を豊富に施した街だというのに、部屋訪問を告げるのはノック。
所持が義務付けされているカードデバイス型身分証明書で、
誰がどこにいるのかはモニタリングされていても良さそう。
入退室、部屋の使用状況モニタなど、利便性がありますし。

また、ハイテク都市の割に、技術を使わないひったくりが頻発しているように思います。
あと、悪役がちょっとステロタイプという感じはします。
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一方で、AR技術の凄さを自身で表現するカノン、素敵ですね。
見せ場を見せ場らしく作れる。良いと思います。
この都市の技術の高さと、ヒロインの魅力を引き出していると思います。
本当にかわいい。

ところどころで解説も入って、
新たなシリーズ展開をensembleさんが開幕させたという印象です。
今後も近い舞台は描かれるかもしれません。

バトル演出もなかなかですね。
緊迫感があり、格好良さがあります。騎士定例試合、良いですね。
立ち絵やイベントCGをそういう風に使うのかと、目を見張りました。
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自主自治で学園運営を行う騎士団。
外部から見ていると、非常に優れた組織に思えますが、問題があります。
内部ではいじめがあったり、女性に強引に迫ったりと、騎士道を重んじる、というわけでもなさそう。
問題を起こした騎士には、追放という手段しか取られておらず、更生は認められていません。
そもそも、騎士は一般学生と違うといった選民意識に近いものがあります。

その騎士団と、この都市をカバーしている新技術とが、問題の中心となりそうです。

体験版では姿も見えなかった、義賊のような存在、蝙蝠。
何故、悪事を決定的な場で暴くのか。どれだけ準備を重ねているのか。
個人なのか、組織なのか……。
蝙蝠を追いかけるなかで、御影迅は、魅力的な冬華学園のヒロインたちと出会います。

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「ああ、やっぱり……やっぱり忍者は実在したんですね!」
カノン・メイフィールド(月野きいろさん)

北欧からの留学生。
アニメ作品、紅蓮の忍者蝉丸が大好き。その思いが高じて留学した。
当然、AR着せ替えアプリも忍者装束がデフォルト。

通販でクナイを買ってこっそり投擲練習をしていたところへ、
潜入していた御影迅が現れてしまい、忍者認定される。
以来、弟子入りを申込み、師匠と呼ぶ。

家は名家らしく、闘技場特別席の年間パスポートを持っていたりする。
明るく、誰に対しても公正。騎士が相手でも怖じ気づくことなく注意をする。
センターヒロインらしい輝きがありますし、
武藤此史さんのキャラクタって、キラッとさせるのがどうしてこんなに映えるのでしょうね。
忍者と会えた喜びがすごく伝わります。

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「ウチはちょっと、普通の家庭とは違うから」
白鐘神楽(風音さん)

二つ名ヴァイスを戴く騎士。
学園最強として名が挙がるほどだが、強さに納得がいっていない。
名門の出で家が厳しく、独力で立てる人になるよう教育を施されている。

決闘に代理を依頼されたり、人望もあるが、責任を果たすことを肯定し切れていない様子。
そのため、真っ直ぐに義侠心を露わにするカノンに眩しいものを感じている。

余裕があればお手製のキャラ弁を作る。ぬいぐるみを買おうとするくらいゆるキャラ好き。

風音さんの演技が、尖った感じでも気負った感じでもないので、
芯に悩みを抱えて、それでも剣を振るうヒロインなのだと伝わりますね。

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「どんな発言に関心を示すのか、ずっと観察させてもらっていたわ」
蓮城寺舞(遠野そよぎさん)

生徒会などの機能を担う騎士団の長。
能力が高くカリスマ性から人気がある。

騎士団では団長命令は絶対ながら、あまり強権を振るうことはなく、
むしろ固まりすぎた騎士団の思想を薄めようとしています。
そのため、高潔な心を持つカノンや技術力のあるゆいを騎士団へ誘っています。
表立って敵対はしていないものの、
騎士を絶対なものとして捉えているアルフレッド(青葉七海さん)とは思想が合っていない。

柔らかな物腰ではあるが、他人をよく観察しており鋭い。

遠野そよぎさんと、からかい年上キャラ。良いですね。
綾瀬はづきさんのデザインは好みです。

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「いっそ嫌いになれたらいいのに……」
雨ノ森ゆい(くすはらゆいさん)

騎士の決闘などにおける機器のメンテナンスなどを請け負っているが、騎士団に入ってはいない。
ドローンなど
飛び級し上級院で研究をしている姉がいる。
実力で並びたいと思うが、姉との差を実感してしまっている。
姉に対してわだかまりを持ち、そのことで仲良くできないでいる。
姉の焼くホットケーキは大好物。

プログラミングなどで具現化する能力は姉よりも高い。

昔みたいに仲良くしたい、一緒にいてほしいと願う姉の雨ノ森りせ(和央きりかさん)のほうが、
ヒロインぽくってつい追いかけてしまいますね。
閃来学園都市におけるヴァーチャルAIアナトの基幹開発者。
オダワラハコネさんの目隠れ年上風キャラに和央きりかさん。なるほど。


AIアナト(白月かなめさん)もなかなかきれいですし、
主人公の母親、長官でもある静香(上原あおいさん)がとても美人です。
ちょっとこう、惹かれますよね。
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ヒロインそれぞれの魅力をしっかり尺を取って表現しているところ、
学園、舞台としての魅力を表現しているところ。
すごく好感が持てます。
これなら、今後の共通部分の展開も、緊張感を抱きながら楽しめるでしょう。

本来は荒唐無稽な世界。それを、そういうものだと画面のこちら側に認識させてくれる、
それだけの素材を整えてくれています。

新しい世界、新しい物語。
それを、フレッシュな体感と仕上げてくれた体験版、良かったです。


ただ、どうしてこれをensembleブランドで出したのでしょう。
……思い出しました。「お嬢様はご機嫌ナナメ」は、主人公かなり強かったですね。
おじょナナくらい御影迅が色々活躍してくれそうで、それも楽しみです。


2020年4月24日(金)発売予定です。