裸足少女さんの「プリンセスハートリンク」体験版プレイしました。

裸足少女さんの新作は、「プリンセスハートリンク 剣姫たちの艶舞」。

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「ぼくも男の子として頑張っているのに……」
湊つかさは、生まれる性別を間違えたといわれるほど華奢な容姿を持つ。
性格も引っ込み思案で、趣味も男性的ではない。
人見知りを直したいとは思っているけれど。

一緒に暮らしている姉、古仲まひろから、”プリンセスハートリンク”というゲームを勧められる。
中世ヨーロッパ風ファンタジーを世界観とするオンラインゲーム。
サービス開始から数年経過しているのに、未だに最新MMORPGと呼ばれている。
ウリは、最新VR技術とナノテクノロジーによるリアルな表現。
なんでも、生まれ変わったような感覚が得られるらしい。

「あ、でも、ぼくゲーム苦手だし」
プレイすることを断った湊つかさだったが、そんな自分でもドラゴン討伐ができると聞いて興味を持つ。
勧めてくれた一人は、「リアルな自分自身を無限に成長させていくことが出来る」と言ってくれた。

それなら。
湊つかさは思った。
「男らしくないぼくなんかでも……」と。
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体験版は、1.21GBでした。

原画は、葵渚さん、オギン☆バラさん。
シナリオは、間崎俊介さん、白魔術師さんとなっています。

コンフィグの設定が面白いです。
珍しい設定のオンオフがあります。これは初めて見ました。
後から知りましたが、主人公つかさの性質に合わせたものなのでしょうね。

デフォルトでは、マウススクロールでの読み進めがオフになっていますので、
使いたい方はチェックを入れるようにしましょう。
テキストウィンドウがMOVEボタンを押しながらマウス操作をすることで、
気軽に移動させられるのはすごいと思います。
セーブファイルも、簡易表示だけでなくサムネイル表示に切り替えることができます。
ここまではかなり機能豊富に思えたのですが、バックログジャンプ機能が無いんですよね。


体験版では、それぞれのヒロインとエンゲージリンクを交わす部分までを体験できます。
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主人公つかさは、プリンセスハートリンクのプレイデバイスを手に入れ、実際にプレイします。

すると、最新VRデバイスを用いたMMOだけあって、感覚のフィードバックがある。
さらに、本人が望んだ性格が反映されます。
日頃は容姿のかわいらしい、大人しい主人公も、
積極的になりたいと願っていたのか、ヒロインたち相手にはっきり喋ることができるようになります。

プレイ後は、ナノマシンの影響なのか、積極的な性格がそのまま現実にも残り、
積極的なままで居ることが多くなります。

ヒロインたちも変化は反映されていきます。

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「黙りなさい。姉とは崇高かつ絶対の存在なのよ。妹風情がおこがましいわ」
古仲まひろ(綾音まこさん)

つかさの従姉。
つかさが通う聖カトレア学園で教師として勤め、つかさたちの保護者役も務める。
三人の暮らし、家計を担っている。
学園ではかなりクール。身内であるからか、つかさには厳しめ。

帰宅すると何かと世話をしたがったり、姉であるところにプライドを見せますが、
それが、プリンセスハートリンクにダイブすると加速します。
初心者のつかさ向けのクエスト、つかさのためにと揃えておいた一級品武器防具を与え……。
魔剣グラムってPHL世界でどれくらいの価値なのか分かりませんが、
たぶん、集めているときは、「これでつかさに喜んでもらえるはず!」と思い込み、
大枚叩いた可能性が高いです。
そんな想像が気軽にできるくらい、つかさのことばかり考えています。

ところが、つかさは性別判定で装備不可で。おっちょこちょいさも備えています。

綾音まこさん、こういう声まで出るんですね。ほんっとすごい。
ちょっとびっくりしました。
姉モードと先生モードで口調が大きく違うのですが、これもいいですね。
PHLでは姉モードに甘える性質が加わって、さらにかわいいです。

ずっと、つかさのことが好きだったが年の差、従姉や教師といった関係がハードルになっていた。
なお、つかさも、性癖を育てたのはまひろのスタイルだった様子。

きっと、つかさたちなら幸運を持っているはずと、
PHLビギナーが運試しに使うパンドラミックスジュースを飲ませたり。
すごく信じているのがわかります。

近距離立ち絵、帽子差分の当たり方がおかしいように思いますね。
テキストも一部おかしいところがあるので、もう少しかな。

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「……葉桜とお兄ちゃんの場合は結婚できちゃうけど、な、なんちゃって」
湊葉桜(ひむろゆりさん)

つかさの義理の妹で、家事全般を担当。
家では、高い食材で無くても見事に調理すると信頼される腕前。
積極的に世話を焼き、朝起きるときには料理ができていて、
つかさのちょっとしたことに気付いて、でも見守ることを選んでみたりとか。

日頃は、つかさを甘やかす担当のすごく良い子なのですが、
PHL世界に入ると、小悪魔的な派生をします。
ボディタッチが増え、からかったりしてくるようになります。
相当、積極的。

葉桜と過ごすPHL世界では、つかさは日頃と変わらないように思えます。
相手と応対することによって性格は決まるので仕方ないと思いますが。

NPCアンナが、すごくメタ的なことを言ってきたり、シミュラクラ現象を突然入れ込んできたり、
七つ坂美織が追っているニコであることが明かされたりと、
その物語が展開していくのを少し望んでしまいました。

このくだり、アンナは正しいことをいっているのと、
少しニコにゾッとしてしまったので、そういう進行も興味がありますが、
またそのうち別な作品で期待するとしましょう。

誤解なんですよね。誤認というか。人の感覚器や脳はそうやっていますよね。

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「ところで……私のことを『お姉ちゃん』と呼んで、何か思い出しましたか?」
ロゼ・シンクレア(唯香さん)

日本人とアメリカ人のハーフ。
聖トレア学園の3年生で、学生の身分ながら理事長を務めている。
父がPHL運営のCEOでもあることから、プロトタイプへの参加をしており、10年のキャリアがある。
また理事長でもあることから、学園でのVR機器販売を手掛けている。

PHLでは超有名キャラクタの初代女王と呼ばれており、フィールドに現れると人が集まる。
パパラッチ的なものまで狙っているほど。
聖剣姫という上位職で、武器や防具の強化は最大値まで行っている。
現実の学園でも注目の的。

経験の豊富さをウリに、つかさに対し積極的に迫ってきます。
が、どうやら幼い頃、つかさと思い出があるようですね。

なお、PHLプロトタイプでは性格変化はなかったとのこと。
仕様ではない。
このあたりを派生させても面白そうでした。

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「お前は好ましい男子かと問われれば、頷く方だが、尊敬できるかと言われると……」
シーリス・イスマリア・バセテール(葵時緒さん)

イスマリア国からの留学生。
学園でもメイド服を揃えた一団を従える王女でもある。

しかし、ロゼ付きの従者のようなことを、現実でもPHLでもしている。
国元で弓を使っていたことがあるらしく、PHLでも弓姫を選んだ。

ITを学ぶために渡航、指輪を渡せる相手を探している。

シーリスとのシナリオでも、NPCアンナが手助けをしてくれるのですが、
そのつかさの反応を見ていて、シーリスが好ましく思う理由が分からないです。
つかさの怯え方も、戦闘に割り込んだことも、同じように思えてしまう。
正義感から助けたわけでも無いですよね。読んでいて違和感があります。
男らしくありたいとか、シーリスを助けたいあたりじゃないかなと。

で、現実に帰れば「胆力が無い」「それでも男か」といわれてしまうので。
PHLと現実との性格差がシーンにも反映されています。

公式サイト、どういうわけか、シーリスの衣装差分が表示されていません。

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「勉強も大変なんだもの。他のことに時間を割く暇なんてないわ!」
七つ坂美織(こはる凪さん)

つかさのクラスメイト。
父が警察剣道を学び、美織もその剣をベースにしながら、武道としての剣道を学んでいる。
全国大会準優勝の実力を備えながら、学力でもトップを維持。

PHLプレイヤーであることは、周囲に隠している。
たまたまプレイしてみたところ、ハマってしまい、ゲーム内の武道大会に出るほどのめり込んでいた。
ところがその武道大会で、ニコと名乗るプレイヤーに敗北し、以来さらなる研鑽を積んでいる剣姫。

現実ではクラス委員長。
PHLの感覚共有が現実にも残ったままで、教師に指され一緒に応答してしまうところなど、
なかなか面白いですよね。

結ばれるまでの過程が一番丁寧なシナリオ。
でも「赤毛のアンナさん」とは……。

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ファンタジー世界を表す背景などもかなり綺麗なものを選んでいるようで、
なかなか見応えがあります。
素材もかなり豊富だと思ったのは、時間経過を表す時計のカットインまであるとは思いませんでした。

ただ、どうして主人公をこういうキャラクタにしたのかなと。
引っ込み思案というには過剰な主人公像。読んでいて少し辛かったです。
好みと合うかどうかだとは思うのですが。

PHL内では、その人が望む性格が表層となる仕様で、
美少年としか思えないキャラクタが、しっかりと約束を大事にして、誰かの押しを断ることもできる。
そんな、キャラクタに合った、だからこそ、のストーリー展開もなされていて、すごく良いのですが。

何よりも、展開が早すぎると思います。
大抵のヒロインと、ゲーム内2日目にしてつながります。
9月4日にはじまり、9月5日には既に。
これはナノマシンで性格改変が起こるにしても過剰だと思うのです。
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(カレンダーのカットインはとてもかわいいですね)

選択肢に入ったらすぐというケースが多いので、もう少し尺が欲しい。
仲良くなるまでが長めの設定にある美織でも、作品内時間で2週目。
イーリスの侍女長が「最近笑うことが増えた」というけれど、たった数日の筈でその評価は不自然。
……いえ、丁寧にやって欲しかったです。

2大絵師の競演をセールスポイントにしています。
力を掛けたいところがここなのだとして、でも変化を着実なものとして感じさせて欲しかったなと。
それと、ウリとなるシーン。
シーン描写がウリとアピールしている作品に思えたのですが、快感リンクAVGという割には、物足りないです。
エンゲージリンクによって相手の感覚が共有できてしまう、のならば、
それを懇切丁寧にくらいの描写が欲しいところです。
行為中の描写が画面のこちらに伝わるくらい力を掛けて欲しかった。

つかさか、ヒロインか、どちらからかしか描けないとは思うのですが、
相手の感覚ってこんな風になってるの?!が読みたかったですね。

ロゼとのシーンで選択肢が急にロゼ視点になりますが、
その後、その視点が続かないのがもったいないですね。

シーンアニメーションがありますが、動作終わりまでアニメーションしないので、ちょっともったいない。
やっぱりこういうアニメーションって、最後の動きが大事だと思うんですよね。

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あと、誰か一人と仲良くなっても、他の人と仲が切れてしまうわけでは無さそうなのは良いことですが、
葉桜とまひろの場合、どんなことがあっても追いかけてきそうな雰囲気もあるのに、
そういう展開は無さそうに見えてしまいます。

つかさがあまり男らしくない反応を繰り返すのですが、
テキストウィンドウにフェイスでも入れると、悪いイメージが軽減されそう。

導入は、PHLを通したつかさの成長物語であるかのようなのに、
成長前にPHL機器の影響で応対が変わって、そしたら仲良くなれてしまったというのも、
少しもったいないかなと思ったりも。

アンナは最重要人物ですから、声が入っているほうが良いはず。

システム、RealLiveで、1.6.5.9。
新しいバージョンというわけでもなさそうですが、
プロローグの9月5日、ゴブリンとのバトルで、動作が不正に停止します。
AUTOモード限定のようですが、必ず止まる。
ゴブリンが1匹消滅して、ロゼがつかさの前に出るところでも。
画面演出の切り替えで、ハングアップするのかもしれません。
RealLiveは、以前のバージョンでも似たようなことが発生した覚えがあります。
製品版には修正されてくると思います。


2020年8月28日(金)発売予定です。


豪華版には「裸足少女 主題歌集2000-2020」が付属します。

後から気付きましたが、通常版はメディアが2枚、プレミアム版は3枚になるそうです。

ダウンロード販売もあります。