tone work’sさんの「星織ユメミライ」体験版プレイしました。
『星織ユメミライ』応援中!


tone work’sさんの新作は、「星織ユメミライ」。
相変わらずコンセプトはとことん盛り込んでいて、期待してしまうのですが、
さて、体験版はどうでしょうか。
tone works【星に願いを生ラジオ】も配信中です)

神奈川を出て3時間。
飛行機に乗り、7年ぶりに戻った汐凪市は、かなり開発が進んだようだった。

バスに揺られていると、記憶のある場所が目に付いた。
たしか、あそこは、キャンプ場のあった……。

汐凪市を離れた夏休み。
親と先生に連れられて、キャンプに出かけたことがある。
ペルセウス座流星群観測会。
先生が、気を遣ってくれたものか、最後の行事だからと挨拶を促したところで、
空には雨雲が広がり……その日、流星観測はできなかった。
――あの友達も、来なかった。

幼い頃の想い出を夢で見ていたと知り、乗り過ごしたバスを降り、
転入先の汐凪第一学園に足を踏み入れたところで、
星の形をした金色の折り紙が、風に弄ばれて舞い込んできた。

裏には”また会えますように”と書いてある。
見上げると、校舎屋上に、手すりに身を乗り出している人影が――。

と、冒頭のストーリーをご紹介したのは、
ここくらいしか、タイトルに繋がりそうな箇所が見つからなかったから、なのですね。

体験版は、1.3GB。修正ファイルも出ています。

グラフィックがとてもいいですね。
それと、音楽。
終わってからも、しばらくはシナリオについて気にならないほどでした。

原画は、唯々月たすくさん、武藤此史さん、恋泉天音さん、秋野すばるさん。
彩色が上手ですよね。背景とキャラクタと、しっかり合っていると思えます。

背景のレベルも高く、演出タイミングがなかなか良いと思います。

音楽は、天門さん、MANYOさん、水月陵さん、碓氷悠一朗さん、しょうゆさん、Meeonさん、どんまるさん。
どの方がどの曲を担当されているのかわかりませんが、
タイトル画面のピアノ曲からは、良いノスタルジーを感じますね。

青春、夏を感じる爽やかな曲もあって、良い感じです。
また律佳のシーンではきちんとピアノ曲を入れたり、うん、素晴らしい。

ボーカルソングも充実の13曲。
予約特典で手に入るのでしょうか?

システム面での不満はいつも通り。
ウィンドウモードで、サイズ縮小すると、画質が落ちてしまうのがいつももったいないなって。
Siglusシステムエンジンの問題、なのかな。
モニタとの相性の問題と書いてありますが、
それだったら他の作品では解像度維持したまま縮小できているわけで。
またセーブファイルが10×10ページなのですが、確実に足りなさそう。

セーブファイル展開、AUTO指示してからの動作がもっさり。
コンフィグに、画面の暗転をクリックで飛ばす指定も出来ますが、
これ動作していないような。

細やかな演出がいいなと思っていて、
飛行機搭乗中の背景の動かし方、バス乗車時の細やかな振動、光の差し込みなど、
うん、なかなかすごいなって。

前作「初恋1/1」でもあった、主人公が持つスマートフォン。
今回は自由に撮影ができるだけでなく、メッセージアプリでやり取りするシーンもあります。

気になるのは2点。
キャラクタとあっていない声優さんの配役があること。
人気があるのは分かるんですが、これだとその声優さんの良さが活きません。
結果、ミスマッチでキャラクタの魅力が失われてしまいます。
最近こういうケースを見かける度に、アニメ映画劇場作品の、俳優さんが声を担当しました、
みたいな感じがするなと、いつも思っています。

キャラクタが強ければ少々の配役ミスくらい何てこと無い、とは思うのですが、
あまりエピソードが強くなかったので、乗り越えられておらず、
ちょっともったいないですよね。

それと、ヒロインが多い。
6人いるんです。

こうなると一人当たりのシナリオが小さくなりそうで、ちょっと心配ではあるんですが、
この作品は、スクール編とアフター編に分かれており、
>一般的なアドベンチャーゲームと比較して1.5倍のシナリオボリュームで、
>ヒロインの現在と未来、夢と願いを描きます。
>同棲、結婚、新婚生活、そして新たに家族を迎えるまで…。

とのこと。
こっちは心配要らない、かな?

では、ヒロインの紹介を。

逢坂そら(桐谷華さん)
「……好き、だから……」
星形の短冊に願い事を書いていた、天文部員。
屋上の鍵を持ち、14等級まで観測できる望遠鏡を持っている。
観測中はパーカーと偏光グラスで天体望遠鏡を覗く。
たまに、星ではなく海を見たりすることも。
口数が少なく、表情変化も乏しいが、天体知識はなかなかのもの。

篠崎真里花(あじ秋刀魚さん)
「だって、捨てられないよー……」
主人公の幼なじみ。
幼い頃は喘息持ちで休みがちだったが、今はプールでアルバイトをするほどに元気になった。

隣の席だった主人公が、喘息発作を起こした時に、気持ち悪がらずに助けた。
その時に主人公も、面倒に思うこともあった”学校に一日通う”ことが、
真里花にとっては特別なことなのだと知った。

ガスが開通してなくてお風呂に入れない主人公を、自宅に誘ったり。
そうしたらお父さん当然ムスっとしているし、
幼い頃のエピソードを持っているだけあって、一番ヒロインらしいキャラクタ。

瀬川夏希(桃井いちごさん)
「あたしの撮る写真は、今を未来に届ける為のものなんだから!」
卒業アルバム制作委員会所属で、いつもカメラを持ち歩いており、
主人公との出会いもシャッターチャンスに無理をした時。
賑やかで、かつマイペースというか強引なところも。
面白そうな事があるとシャッターチャンスがあるのではないかと首を突っ込みたがる。
とはいえ、そのマイペースさでだいぶ助けられるシーンも。

スタイルがほぼぴったり同じな透子と競う場面が何度か。

沖原美砂(奏雨さん)
「よろしければ……深い青の世界へ、ご一緒しませんか?」
自然科学部で独りクラゲを飼育していたり、閉館した水族館に入れたりと、
謎の多い先輩。
スタイル抜群で、水族館をとても大事にしていた模様。
マリンピアしおなぎ水族館は、美砂の父が代表を務める法人団体が経営していた。

……ということは、親子関係なんかも展開としてはあるのかな。

このふわふわとした空気を醸し出すのは、奏雨さんならでは。

鳴沢律佳(北見六花さん)
「……カツサンドなんて、はじめて食べたかもしれないわ」
隣の席になったが、全く興味を示されず、覚えていてくれなかったクラスメイト。
放課後は独り、音楽室でピアノを弾いている。
その理由は誰も知らない。

両親は海外おり、独り暮らし。
妹はCDデビューしているピアノ奏者。

もしかして才能がないと思われて放逐された、とかでしょうか。

雪村透子(有栖川みや美さん)
「足だけ真っ白で靴下みたい。カワイイねー?」
部活荒らしと綽名される女の子。
だからか、部活勧誘を受け続けている。

主人公より少し前に転校してきているが、以前通っていた学校制服を着て過ごしており、
整った容姿と相まってとても目立つ女の子。
立ち入り禁止の旧校舎の鍵を持ち、放課後はそこで過ごすことが多い。

意外と気っ風が良かったり、交渉が上手だったりと、つかみにくい部分もある。
猫を愛でるシーンや、スマホを一応持っているけど頓着しない部分もあって、
妙なネーミングセンスを持っていたり、要素が多いですね。

一日が終わると日付が表示されるのですが、それをみていても、
異様な速さでヒロインや周囲と関係をつくっていく、コミュニケーションスーパーマン主人公に思えてしまいます。
どちらかというと、ヒロインのガードが緩い、のかもしれませんけど。
真里花以外はパーソナルスペース無視、
真里花には主人公が踏み込むという仕組みだと感じていますが、
ともあれ、あっという間に主人公の周りには6人ものヒロインが集まってしまいます。

出会ってからの接近が早いのって、最近の流行なのでしょうね。
もうちょっと丁寧に描いて欲しいと思うのですけど、それは流れに反するのかな。
でも、だからって上の層の強制もなしに出会い数日でキャンプ&温泉……うーん。

ヒロインそれぞれが散っていて、ルートに入ってからは一対一になれる場所があるわけですが、
ちょっと都合の良さを感じてしまったりとか。

表情差分指定がちょっと甘いかな。
メッセージアプリも、その分、音声はなくなるわけだし、
自在に使えるわけでもないです。
またプレイヤーが勝手に撮れるんですけど、リアクションがあるわけでもないので。
ただ、ここまで色々演出があるのに、普通の選択肢制だと、もったいないですね。

何となく、雰囲気がhibiki worksさんの「PRETTY×CATION」に近いイメージを持ってしまうのは…、
明るい彩色の他、にも何かあると思うんですけどね。思いつかない。

というか、キャンプに行ってまでするタイプの遊びじゃなくて、それ合コンのゲームか何かでは……。

幼い頃、待っていた友達は真里花と思わせつつ、そらだった、なんて展開もあるの……かな?

なんにしても、七夕祭りに向けて進み出す7人。
画面、演出、音楽と、かなり力の入った作品のようです。

2014年7月25日(金)発売予定です。


ダウンロード販売もあります。