でぼの巣製作所さんの「神楽黎明記~ちはやの章~弐」感想です。

「神楽黎明記~ちはやの章~弐」はシリーズ10作目。

修行の旅に出掛けた犬童ちはやが、怪異解決に向かうローグライクRPGです。

それでは感想です。
ネタバレ少しあります。


体験版通りのイメージです。

神楽黎明記シリーズになって、敵が色々なことをしてくるようになり、
その一つが状態異常攻撃です。
その状態異常を有効利用するようになってきているのが、ここ数作。
また、ローグライクRPGは、こちらが何か行動し1ターン消費すると、相手も動くという形ですが、
その数ターン攻撃し続けるとやっと敵を1体倒せる。
そんな敵に、複数囲まれやすくなっているのも、ここ数作の傾向です。

少しだけ難易度がある、そんなゲームでもあります。

犬童ちはやの武器は槍ですが、ダンジョン内では2マス先を攻撃することができます。
ダンジョン内で出くわす敵妖怪は、攻撃して弱らせると、
捕縛の技でなかま妖怪にすることができます。
攻略には、早めに捕まえることをお勧めします。

何故かここ数作、ダンジョン内で分断されやすくなっているのですが。
kr15
ちはやがすっかり孤立することが多いです。
この状態は、分断されたなかま妖怪も、ちはやも不利になるので、
整列を使うことで遠くに居ても呼び戻すことができます。

今回の妖怪たちは、睡眠と麻痺攻撃が多いようです。

罠の中では、祟りの罠が強力です。
状態異常を全て与え、おとしあなの効果まであります。
落とし穴の中では、フロア全てに垣根が無く、敵妖怪だけが10体以上ひしめきます。
ちはやが装備で状態異常を防ぐとしても、お守りと服に付与された2種類のみ。
多種の妖怪から一斉に攻撃を受けると、とても防げません。
しかも既に状態異常を受けている。符や薬を使うにも、睡眠などから回復する必要があります。
簡単にいえばピンチです。

ダンジョンは3階層に分かれており、最下層のボスを倒すことを目的とします。
その最下層のボスは、一本だたら。
一本足の妖怪です。

一本だたらで気をつけなければいけないのは、地団駄と、怒髪天。
地団駄はダメージと混乱を全体に与えてきます。
怒髪天は韋駄天と豪腕が合わさったもの。
元々攻撃力が強いので、注意が必要です。

その攻撃力の高さは、盾にしたなかま妖怪が3回程度の攻撃で倒されてしまうほど。
回復ができる符を買って持ち込むか、拾って蓄えるかしましょう。

怒髪天を使った状態で踏み潰しをしてくるのが怖いですね。

そういった性能アップ妖術すら、吸い取ることができるのが、子泣き爺の乳吸い。
これは絶対なかまに加えた方が良いです。
戦闘が長引くほど有利になります。
kr18
敵の突然変異体の子泣き爺に抱きつかれると、ちはやが埋まってしまいます。

あと、畳叩きの畳返し。この技は、いわゆる読心。
相手からの攻撃を1回受け流すことができます。
なかま妖怪の妖術は、生存している限り何度も使ってくれるので、
1回受け流し終わったらまた付与してくれる、なんてこともあります。

溜めた妖力で解放をしないといけないのですが、
猫又の回避アップも有効です。加入させる場合はなかま配置を先頭にすると良いでしょう。

回復系の符を複数所持していると安心です。
混乱対策が無いなら薬なども。
あとはやっぱり頼りになるのが、妖術の百鬼夜行・蒼。
全体攻撃を反射するので、なかま妖怪はちはや前方へ壁並びに配置して発動させましょう。

ちはやの技、体力を完全回復する瞑想、ダメージに加えぶっ飛ばす猛火陣。
どちらもうまく使えば有効ですが、主力にするくらいだと勝てないと思います。
おちみずの硫酸による攻撃力低下も、さほど有効性は無い印象です。

kr20
犬童ちはやは、自信たっぷりなタイプ。
神社で待機していると聞ける、「もしかして、私に見とれてたー!」はとってもかわいいんです。
こういうセリフは、鶴屋春人さんが活きてる感じがします。

けれど、犬童ちはやらしさってどこにあるのかな、と思うところも多く。
その、鶴屋春人さんの声以外のキャラクタを感じられないといいますか。
そこがもったいないですよね。
”毎回タイプの違うヒロイン1人と”というところ、掘り下げて魅せてほしいです。

でも、今回登場した妖怪たちは巧者で優秀です。
今作のシーンでは1回目と2回目のつながりを妖気でみせていて、楽しめる展開になっています。
3回目があったらどんな風になるのか、あるいは、2回目のシーンが終わって、解放されるまでが見てみたいです。
つまりもうちょっと長くシーンが見られたらなと。
そんな、続きに期待が持てるシーンが多いです。黎明期シリーズの中ではかなり上位と思えました。

登場妖怪との相性が良いともいえます。
例えば、公式サイトや体験版でも見られますが、古狸。
古狸のような大きな獣タイプは、ちはやを包んでしまうようなビジュアル。似合います。
気丈に抵抗し続けるちはやですが、古狸は特殊な技巧があるため、その抵抗を剥ぎ取る。
kr18
変化の表現が良いですよね。
そして二回目では、抱え込まれ擦り付けられるだけで、一度与えられた快を思い出す。
(うぅ……)という思い出し声に滲む悦びの予感。声の表現も良いですよね。

畳叩きには叩く部位がちはやの弱点。八目鰻は得意な水中へ。
全体的に、ちはやは、敗れても抗おうとするのですが、妖怪が上手に立ち回ります。
おちみずは、何度もちはやを幼くさせ、経凜々はちはやから快を引き出すなど、責めが上手いのです。

シーン構成や責めはすごく良いと思うのです。
だからこそ、もうちょっと長く見たいなと。欲張りすぎでしょうか。


気になるのは。
今回のエンディングだと、ちはやと鏑木紫、そして男性退魔士と一緒に旅立つような流れが示唆されています。
できれば、そういうのは見たくないのですが……。

10作目、黎明期シリーズも同じキャラクタでの作品は、弐までで一旦終了でしょうか。
「舞歌の章~弐」「いぶきの章~弐」「なずなの章~弐」「小春の章~弐」もお待ちしています。



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