PurpleSoftwareさんの「青春フラジャイル」体験版プレイしました。

PurpleSoftwareさんの新作は、”壊せない恋と止まらない青春のADV”、「青春フラジャイル」。
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周囲を山に囲まれ、雄大な自然と古い家並みと――
ついでに良質な湯に恵まれた温泉町、悠賀原。

士紀優人の家はガイドブックに載るような立派な洋館だが、既に廃業した旅館でもある。
洋館である理由は、祖先が150年前に渡来したヨーロッパ人であることだ。
日本に馴染んだものの、家は故郷の伝統を建てたようだ。

敷地には、もう一つ故郷の伝統が建てられている。
それが教会。
適時補修が行われているわけでもないため、外見は廃墟そのもの。
修繕費用もないのだから仕方が無いが、士紀家にとって神聖な場所とされているため、
掃除はすることになっている。

いっそ壊れてくれれば、掃除なんかする必要もなくなるのに。
見上げた巨大な天窓から落ちてきた埃に悪態をついた士紀優人は、
埃よりも遙かに大きなもの――耳障りな破砕音とともに、天窓をぶち破って落ちてくる、
黒い帽子、黒いローブの女の子の姿を見上げていた。

天窓の高さは、余裕で10メートル以上。間違いなく女の子は死ぬ。

「お待たせーっ!」
その驚き慌てる士紀優人に掛けられた声は……、士紀優人を突き飛ばし、
「うっしゃーっ!」
華奢な身体に似合わず、落ちてきた女の子を力強く受け止めた。

落ちてきた女の子は知らないが、突き飛ばして士紀優人の代わりに受け止めた女の子は知っている。
鳥羽せつな。士紀優人の――。
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体験版は、783MBでした。

原画は克さん。
SD原画に鳥取砂丘さん。
背景デザインは、わいっしゅさん、彩雅介さん。
シナリオは、鏡遊さん、保住圭さん、はまぐり孤之助さんとなっています。

判断が難しい体験版でした。

タイトルロゴデザインがもう少し良くなっても良さそうです。毎作思うのですが。
グラフィック面ですが、
例えば、他ブランド作品でも活躍されている方がクレジットされていますが、
見比べると強い差を感じる部分があります。

何よりも。ここしばらく作品の傾向が、少し暗い部分がありました。
そのため、画面の中で楽しくキャラクタたちがやり取りをしていても、身構えてしまう。
いつ落としに来るのだろう?いつ表情が暗く変わるのだろう?
そんな見方をしていました。
プレイして2時間過ぎても緊張が変わらない。
画面の中では、キャラクタたちが仲良さそうにしているはずなのに。
これは、キャラクタデザインに染みついてしまっているイメージです。

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だから共通10あたりをみて、ああやっぱりと思うわけです。
同傾向の物語なのでしょうね。
AUTOモードでじっくり味わってプレイするのですが、
いつ落としてくるのだろうと、クリック進行させてしまっていました。
先が気になって、ではないところが良くなかったです。

それと、テキストウィンドウやボタン、コンフィグ等デザインが古びて感じます。
これ、デザインは「明日の君と逢うために」ですよね。
10年以上も前から使っていることになりますが、もう少し凝っても良いところだと思います。
一方で、選択肢分岐進行になったこともあり、懐かしさもあります。


今作は、ゲーム紹介インタビュー02によりますと。
美少女ゲーム=キャラクターコンテンツであることを強く意識して製作しています。
とのことですが、現時点ではそこまで見せていないと思います。

ヘッダーにキャラクタやストーリー紹介を入れない理由は何故なのでしょう。
キャラクターコンテンツなのであれば、公式サイトが、
キャラクターページやキャラクターの成り立ちを表すストーリーページを、
ユーザーに探させる仕組みなのが良く分かりません。
まず見て欲しいものを、どこでもアクセスできるようにデザイン発注するのではないでしょうか。

また、システムのセーブファイル数も少ないですよね。
長さがどれくらいの作品なのかは判りませんが、キャラクタコンテンツであればもっと用意するでしょう。
セーブファイル数は、それだけ記録したくなる良い場面を用意したという自負だと考えるからです。

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共通10まで進めて、ほら、やっぱり、となる。
なんとなく不安を強いて引き付ける、そのやり方はあまり好きでは無いので強く警戒してしまっています。

公式サイトのインタビューでは、「未来ノスタルジア」との関連性が挙げられていますが、
それはスタッフ間同士での気持ちであり、作品そのものに対するアピールではない。
やっぱりここ最近の作品と同傾向というイメージから抜け出せていません。
ビジュアルを変えていればイメージも変わったのでしょうけれど。
人が受ける情報の多くは、ビジュアルイメージです。それを分かっていないはずはない。
もし、最近の作品と違うタイプなのであれば、そこを変えてくるはずです。

確かに、過去、スタッフさんがSNSなどで愚痴めいた投稿をされたことも見ています。
当時はそれだけでネット記事に仕立てられていました。
けれど、そんなことは当たり前だと思うのです。それこそ、生きていれば、くらいに。
周囲は騒ぎ立てるでなく、受け入れてあげてもいいと思うのです。
トラブルがあっても、もう一度。そう思って作品作りに掛けてくれたことは歓迎して良いはずです。
鏡遊さんの場合、現在執筆中のライトノベルも好調、
ブランド過去作「明日の君と逢うために」は、相当な売上本数となっていました。
公式サイトではショートストーリー、スピンアウトユーザー投稿ページが作られるほど。
かなり長い間賑わっていましたよね。

再び作品参加する。そのことは歓迎して良いはずです。
負担が大きい、益が少ない。ライトノベル数本分の執筆量が掛かるのに。

(「僕のカノジョ先生」はコミック化もされています)

となると、見るべきなのは、言葉だけでなく、作品にどこまで反映されているか。結果を見るべきです。
お金を出すコンテンツに仕上がっているか?それだけでいいと思っています。

その点で見ると、期待の割に、ちょっと物足りないです。
ここ最近のPurpleSoftware作品は、各ルートボリュームがとにかく足りない。
これしかキャラクタに対して語ることがないのかなとがっかりしてしまう。
そんなはずなんてないのに。
セーブファイル数の少なさは、正にそれでしょう。

作中で、正体不明の存在が語るように、
今はとても奇跡的で幸運な幸せ、としたいのでしょうけれど、うまく染み入ってきませんでした。

ヒロインたちは好意を持っている。でも踏み出すほどではない。
主人公は鈍感。全体的に懐かしい構造です。


共通10まで進めてもヒロインの魅力までは見せず、
ヒロイン側にも何かありそうだという匂わせる程度に収まっています。

キャストはかなり良いと思うのですが。
鳥羽せつな役の東シヅさん、冒頭の箇所を「ンお待た、せっ!」と発声していますよね。
確かにテキスト表記とは違いますが、士紀優人を突き飛ばしたタイミングであることを表しているわけでしょう。
こういう演技を盛り込める方というのはすごいと思っています。
リズ・メイサース役の秋野花さん、明るく天然風な味が強く出ていますし、
不破ゆら役の蒼乃むすびさんはふわゆら。
桜宮響希役の山田ゆなさんは姉の印象が強くでています。
一緒に場に出すと氷緒役の小鳥居夕花さんはツッコミで大変そう。
卯月透音役の小波すずさんは下手な歌を聴いてみたい気もします。
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ただ、このご当地ソングを歌う場面も、キャラクターコンテンツを標榜するのなら、
もっと力を掛けるのではないかと思うのです。
鳥取砂丘さんのSDもかわいらしいですが、出して終わり。

過去、ブランドさんが嫌っていたはずの、キャラクターの記号化にしかなっていません。

そういえば、せっかく舞台を湯河原モチーフにしているのに、湯河原らしさが特にありませんね。
舞台を良いと思えるような部分が見当たらない。例えば聖地巡礼したくなるような。


最近の作品のように、脅すことで引きつけるが、そこから先は魅力的ではなく、
メインルート以外が寂しい造りになっていなければいいなと思います。
分岐型とのことなので、大丈夫だと思いたいのですが、どうにも不安で。

恐らく体験版2もリリースされるでしょう。
そこで印象が変われば良いのですが。

2020年8月28日(金)発売予定です。

ダウンロード販売もあります。
鳥羽せつなの抱き枕とデジタル特典付き版もあります。


ブラウザ対応版もあります。