でぼの巣製作所さんの「霊神楽」感想です。
「神楽箱・肆」に収録されているミニゲームです。
プレイしたのは、2020年7月発売の「霊神楽~奮闘記~」パッケージ版特典のものになります。
南雲佑馬と鏑木紫が妖怪退治に行く、ローグライクRPGとなっています。

早速感想に入りますが、これ、「神楽」シリーズの中では、難易度が高いのです。
難しい理由は、拠点帰還という概念がないこと。
ゲームを始めると、いきなりダンジョンへ入ります。
つまり、緊急離脱が一切できず、拠点で一息いれる、買い物をすることができません。
もちろん、装備を改めることもできません。
ローグライクRPGでは、取得したアイテムは不明です。
この薬は何なのか?自分で使って良い回復薬タミフリンなのか、
敵に投げつけて状態異常を起こす鈍足薬なのか、分からないのです。
鑑定の符はいくつか持たされますが、拾った符の鑑定に使いたい。
妖気の満ちた道祖神に入ると、道祖神層がなく、即ボスが登場します。
これも難易度の高さにつながります。探索用に千里眼守りを使っていたとして、ボスを目の前に睡眠守りに切り替えないといけません。
何よりも、食べ物を買うことができないこと。
これが本当に厳しい。
食べ物は、まんぷくゲージを回復しますが、これがゼロになると次に体力が減っていきます。
体力が無くなれば、ゲームオーバー。
食ベ物は、一定量を持っていないと確実に詰みます。
これの問題は、探索に影響するのです。
ローグライクRPGは装備の現地調達が基本ですから、探索し尽くして、
良い装備を得る機会を増やした方が良いわけです。
それが、できない。
意外に長い道程で、どんどん減っていくまんぷくゲージが、させてくれません。
おまけに敵妖怪にヒダル神が登場します。
ヒダル神は、攻撃と同時にまんぷくゲージを減らしてきます。
さらに、南雲佑馬が持っている食べ物を盗んで逃げるのです。
この食糧難で、何ということをするのか。

何度となく「腹減った……」「お腹空いたよう……」という声を聞いたことか。
減っていく体力をタミフリンで回復させながら探索しました。
退魔を頑張る二人に、ひもじい思いをさせて申し訳ない気持ちになりながら。
戦闘は、ツーマンセル。
最初は、血気盛んな南雲佑馬が、鏑木紫を引き連れて退魔に出掛けているのかと思っていましたが、
ダンジョンに入ると、鏑木紫のほうが高性能。
「霊神楽~奮闘記~」でもそうですが、弓を使っていることもあり、有利です。
いつの間にか強力な技を次々覚えてくれて、
連射、光陰の矢、雷神と、気力ゲージの縛りを受けず連発してくれて、とにかく頼りになります。

雷神は直線方向への範囲攻撃。南雲佑馬の通常攻撃が77ダメージに対し、ご覧の通りです。
つかの間、退魔は紫だけでも良かったのではないかと思うほど。ただし、紫は混乱を受けることに注意が必要です。
必殺の雷神を放ってくれて、窮地を脱したかと思ったら、南雲佑馬も一緒に倒していることがあります。
フレンドリーファイア。たまたまなのだと思いますが、罠によく引っかかりました。
進入警報、道具忘れ……。落とし穴だけは見掛けませんでしたが、突然変異妖怪も登場します。

満腹の守り、千里眼の守りなど、探索が有利になるアイテムが拾えると良いですね。
最下層ボスは人面樹で、体力がそれなりにあります。
体力ドレインや大回転アタック、韋駄天と豪腕を併用してきます。
意外に使えるのが、ぶっとび薬。
紫がどういうわけか横に並びたがります。
防御力が弱い紫が狙われ倒されると、戦力が大幅ダウンしてしまいます。
それを防ぐためと、距離を離したところで手裏剣など武器を投擲して削ります。
削っていると、紫が雷神を使ってくれるので、さらに削ることができます。
とまあ、ローグライクRPGを堪能できました。
ミニゲームとは思えないくらいでした。
さて、ミニゲームでもシーンがあります。
4シーンしかありませんし、「神楽黎明記」シリーズで追加されたバッドエンドはありません。
1シーンあたりの長さも短いです。
とはいえ。
まずグラフィック。
彩色が、「神楽花莚譚」シリーズに寄せられたものか、明るいのです。
これが結構良いと思うのですよね。

それと、今作では蒼依ハルさんの演技も、紫のビジュアルイメージに合っているように思います。
容姿は幼いですが、周囲に対する認識がはっきりしていて、精神的には大人びた印象。
ADVパートの「ちょっと食休みしてただけだもん」がとびきり良いですよね。
元気さがあるのです。
舌っ足らず、でも直向き、きちんと主張ができるといった雰囲気で。
やんちゃしそうだけど素直にお礼が言える、南雲佑馬とピッタリです。
単体版のダウンロード販売もあります。

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