きゃべつそふとさんの「さくらの雲*スカアレットの恋」体験版2もプレイしました。
2020年9月25日(金)発売予定です。
きゃべつそふとさんの新作、「さくらの雲*スカアレットの恋」。
体験版1に続き、2つめの体験版、フルバージョンも公開されました。2020年の東京から、1920年の東京へ。
理由も原理も分からず過去タイムスリップしてしまった学生、風見司。
そこで出会った女性探偵の助手となり、珍妙な帝都人が起こす事件に応じながら、
自らが探偵に依頼した「未来から来た謎」に挑もうとして、数日。
帝都博物館からの依頼で、怪盗ヘイストが”渾天儀”を盗んだ事件の解決に繰り出す、
チェリイ探偵事務所。
司は、朝刊に載っていた事件に目を剥いた。
後藤新平、暗殺。
令和から大正時代へ来た司の知識では、後藤新平は、関東大震災後の東京復興に尽力した人物。
しかし、1920年、震災が起こる前に殺された。
「歴史が――」
――歴史が、変わってしまっているのだ。
体験版フルバージョンは、1.23GBでした。
インストールが必要です。
面白くなってきました。
事件が起こり、解決を見ないまま次の事件が起きる。そして……。
体験版フルバージョンは四章まで入っています。プレイ時間もかなりあるほうでしょう。
何故そこまで必要か。
ここまで、四章までが導入だからに他なりません。
この時代にとっての未来人、風見司が知る歴史では、
タイムスリップした時点から3年の後、1923年、大正12年に関東大震災が発生します。
しかし。メリッサと銀座でお茶をしていた風見司は、大きな揺れを味わいます。
外に出ると、こうなっていました。
途方もない混乱を味わったことでしょう。
メリッサたちその時代に生きる人たちはもちろん、そして知っている未来と違うという風見司にも。
この時代でも美しかった帝都は焼け落ち、事態を”鬼の仕業”と考えた人々は暴徒になり……。
関東大震災を扱う。とてもチャレンジングですよね。
前後して、アララギが気になることばかりを言ってくるのです。
歴史改変が歪みであること。
その歪みを、止められなかったとの宣告。
しかもアララギは、魔人と噂される加藤大尉とも関わっているようなのです。問題は、この流れで、果たして風見司は本気になれるのかということ。
以前、アララギに渡された電報は、風見司自身が風見司に宛てたもの。
だとしても、それを受け取る事象遭遇前の風見司は、一切本気にしなかった。
送った並行世界の風見司は、とてつもない後悔を篭めたのかもしれないのに。
そもそも、危機感が全くないタイプです。
進んで罠にハマりに行き、示唆も教示も意に介さない。
だから敵は加藤大尉ではなく、風見司自身なのだと思えます。
が、そういう展開があるかどうかは分かりません。
体験版1の時からどうにも引っかかっています。
でも風見司の意識が変わってくれないと問題があると思います。
風見司は、怪盗ヘイストの正体に心当たりがあるようですが、糾弾せず流しています。
理由が知りたいから一旦旨に留めるということでもなく、深く考えることを放棄しています。
これは物語のための行動ですよね。今明かすべきではないという。
震災の混乱も、風見司が味わうと、いまいち危機感が伝わってこなかったり。
双竜館のリーメイに騙されそうになった時も。するすると罠に入って行く。
数日前に、加藤大尉に刃を突きつけられたというのに。
命の危険があると、悪意や害意があると学習しない。
今まで出会った人が良い人だったから、では済ませられない。
現代人ぽくないかもしれません。
モヤモヤするところは他にも色々あるのですが、
風見司が変化してくれないと、大正ヒロインたちが気持ちを寄せてくれたとしても、どうして?と思ってしまうから。
ヒロインの価値が下がってしまうと思います。
もう一つ。
加藤大尉、熱波整さんの演技が素晴らしいのです。
体験版の終わりの場面になりますが、風見司が根拠や論理を持たずに糾弾した事に対するこの反応。
「ほう」
テキストではたった一言、ですが。
しかし。
この、意外な反応を見たという驚き、そして待っていたという感情の残る声音。たまりません。
ただ、風見司は、加藤大尉が目指す帝都再建計画の障害となりません。
未来でしっかり学生期間を過ごしてきたのか、かなり洗練された知識を保持しています。
とはいえ。その知識は使える部分もありますが、今の大正時代が違ってきていること、
今の大正時代で何の地位や力を持っていないこと。
そして風見司本人の意志や危機感の無さから、敵になりようがない。
加藤大尉は、風見司の相手をする理由がないのです。
もしかしたら、アララギはそれを見越して、加藤大尉をぶつけたのかもしれませんが。
熱波整さんの熱演に見合った相手になっていない。熱演の価値を削いでいる。……今の時点では。
ここからどうやって風見司が巻き返してくれるか、楽しみです。
しかし。
怪盗ヘイストを擁する勢力の狙いは、時の力を得ることであることは疑いようがありません。
帝都博物館で盗まれたのは、現代でも解明されていないアンティキティラ島の機械でした。
加藤大尉も伏倉万斎に研究を行わせ、時を越える技を狙っていると思われます。
伏倉万斎は、アインシュタインの理論を具現化しようとする発明家でもあるのです。
探偵すら、風見司に「信用するな」と伝えています。
風見司が未来に戻るために立ち向かう相手は、複数いるわけです。
どこまで広がって、どうやって集束していくのか。
期待するのは鮮やかな展開と事態の終息になるでしょうか。
ここまで広げたら、すごいことになりそうだと期待しています。
なので、お願いとしては、セーブファイルを今の3倍用意していただけないかと。
絶対、ボリュームに見合っていないですよね。
鳳凰ヶ原ヒミコこと、ちよ(瀬兎りょうさん)。
占い師であり、よく当たると評判。左利き。
いちばん柵がなく、素直な反応が好意的に見えてしまっているのでしょうね。
かわいい。仲良くなりたいですよね。
ただ、何もないとはいってないんですよね。見せていない部分もありますよね、これは。
本当に、どういう流れが用意されているのか、結末はどこか。
とても気になりますね。さすがです。2020年9月25日(金)発売予定です。
ダウンロード販売もあります。
製品版をプレイしました。感想はこちら。