でぼの巣製作所さんの「神楽黎明記~初花の章~」感想です。
2020年9月発売作品。
でぼの巣製作所さんの「神楽黎明記~初花の章~」は、ローグライクRPG。
妖怪退治を終えたる音羽初花の携帯電話に着信が入り、
近くの村へ続けて妖怪退治へ向かってくれと、父からいわれてしまう。
不満を口にしつつ、訪れた村では、夏なのに雪が降り始めたのだという……。

それでは感想です。
ネタバレは少し多めにあります。
うん。体験版での予想通り。
プレイスタイルを少し変更せざるを得なくなったと判断し、少しずつ進めていったのですが、
おかげでかなり堪能できたと思います。
拠点があるタイプのローグライクRPG。
ダンジョンへ入る度に地形は変わりますが、適宜アイテムなどを使えば拠点に戻り装備を整えることもできます。
ダンジョンは3層に別れており、下層ほど危険度が増すといった仕組みです。
プレイヤーキャラクタは、退魔巫女の音羽初花。
幼い雰囲気ですが、活発な動きと豊かな表情。
元作品では武力巫力ともに、姉の桂香のほうが達者。
ですが元気に弓を使い妖怪を呼び出し、ダンジョンの奥へ向かいます。
今作は神楽黎明記シリーズ15作目で、攻略法や進行は変わらないのですが、
大きく変わったのが、なかま妖怪についてのこと。
召喚できる妖怪が、3体だったところ、1体のみに変更されました。
これが一番大きな変更点だと、製品版をプレイして感じています。
敵妖怪たちの集中攻撃に、とにかく弱くなりました。
敵妖怪たちを1体ずつ倒せば良いのですが、そこはローグライクRPG。
ランダム性があるため、溜まった妖怪たちに出くわしたり、
進入警報の罠を踏んでしまったり、落とし穴に落ちて妖怪の巣に放り込まれたり。

その層に入り一つ目の部屋へ進んだところ、これ。
マップの赤い点は敵妖怪です。溜まりすぎですよね。
なお、混乱させてくる一つ目入道が2体、3回受けると初花が倒れる一撃必殺を持つ金槌坊が2体、
積極的に子守唄で眠らせたり、韋駄天を使い攻撃回数を増やす経凛々が1体の、計5体。
ちょっとした妖怪の巣ですよね。
このように何が起こるか分からないのがローグライクRPGです。
また、召喚妖怪も、初花と同じようにダンジョンに潜るとレベルがリセットされます。
これで召喚できる妖怪は1体だけ。
ダンジョンに潜り直したスタートの危険度が、かなり上がっています。

1層目でいきなりの突然変異妖怪と対面するなんてこともあるのです。
また、1体だけというのは、召喚妖怪を成長させるための妖力獲得にも影響が出ています。
フィールドに呼び出し生き残った召喚妖怪に、妖力はランダムで与えられるため、
みんな成長させたいと思っているのであれば、時間が掛かります。
今作でしかできない稼ぎ方もありますが、正攻法でダンジョン探索を繰り返すことが前提です。
さて、初花のたった一体お供になってくれる召喚妖怪。
未成長の場合、上層では、初期から召喚可能な木霊か水母。
中層では骸骨武者。
下層では経凛々をお勧めしておこうと思います。
特に骸骨武者。
目潰しで敵妖怪の攻撃を明後日の方向に向かせ、恵みの雨で初花の状態異常を回復。
さらに遠距離攻撃なので、初花の弓攻撃にユニゾンできます。
ただ。召喚妖怪が1体だけになってしまったので、妖力解放の恵みの雨範囲アップが意味を成さなくなりました。成長させるなら他の妖怪が良さそうです。
上記のお勧めは、ぬりかべを除いています。
というのも、ぬりかべ、捕縛できていたはずなのに、ずっと登録されなかったのです。
過去作では弱らせて接敵した上で、技の捕縛をしなければならなかったのですが、
今作では捕縛がかなり楽になっており、攻撃して倒しても、ランダムで捕縛できるようになっています。
そのため、技の捕縛は1回しか使っていません。
記録を取っていなかったので分かりませんが、
突然変異妖怪と一緒に、通常サイズのぬりかべが出てきて、そちらを倒したときに捕縛のエフェクトが見えたと思ったのです。
が、拠点に帰還して成長させようかと思ったら登録されていない。
うろうろしていたら、他の妖怪の妖力がこんなに溜まってしまいました。
再現しづらく、勘違いとしても良いと思って報告はしていません。
レベル3は妖力300ポイントです。

召喚妖怪は、ダンジョンへ潜り直すと、レベルこそ1に戻ってしまいますが、
Bestレベルは記録されており、ステータスにも反映されているのです。
レベルを上げる、または拠点でレベルを強化することに意味はあります。
ダンジョン攻略で大事なのは、1に食料。
2に召喚妖怪を守ることです。
まず食料。
今作は妖怪召喚中だと腹減り速度が上がります。
また、ネタバレになってしまいますが、三層の救いなき雪原は、寒さで腹減り速度が増す設定のフィールド。
つまり、2倍以上の速さで減っていくのです。
どれくらい必要になるかというと、三層から潜るとして、毎層隅々まで歩くタイプのプレイでは、
拠点で携帯食料を8個買い入れる必要があります。
さらにお弁当を1個増やしても良いでしょう。
お弁当の場合は消費を遅らせないように気をつけます。腐ってしまうためです。
まんぷくゲージが0%になると、次は体力が1歩ごとに減っていきますが、
ダメージは1歩ごとに3程度発生し、毒状態と同じで歩行による体力回復がありませんから、
探索不能になってしまいます。
そして召喚妖怪を守る。
今作では妖術が少し変わり、妖怪を捕縛していくと、妖術ゲージが最大900%に。初花が使える最大の妖術は、百鬼夜行・空亡で、
召喚済みの妖怪に、さらにストック済みの妖怪6体を追加召喚、
初花まで突然変異、そして攻撃反射まで備えています。
神楽黎明記シリーズ最高の妖術です。
体験版時点だと、ここまで強力な妖術が使えるとは思っていませんでしたが、
これなら、金槌坊がたくさんいる落とし穴に落ちても安心です。
むしろ反射できる間にどんどん攻撃してほしいくらい。
突然変異妖怪だらけの妖怪の巣も余裕がありました。
空亡の二段階下の妖術、百鬼夜行でも充分に強力です。
なので、5ターンだけとはいえ、最大火力を求めるのであれば、
追加召喚妖怪が突然変異する百鬼夜行を狙いたい。
ただし、700%溜めなければいけない。
妖術ゲージは、体力回復と同様に、歩いて行くと溜まっていきます。
召喚妖怪を守ることは、妖術ゲージのキープをすること。
召喚妖怪が倒されてしまうと、ゲージが消失してしまいます。
なお、妖術ゲージが溜まりやすく改善されていますので、ver.1.01aへ必ずアップデートを。
また、召喚は気力ポイントを1消費しますが、倒されても召喚し直してすぐ復活させることが出来ます。
召喚しなおせば、妖怪の体力ゲージは溜まった状態でフィールドに復帰します。
初花が倒されない攻略を考えますと、妖術ゲージにしろ、惜しみなく使うことだと思います。
ダメだったら拠点へ戻れば良いのです。
全く関係ないですが、ぶっ飛び罠から落とし穴へのコンボが決まって、
落ちた先が妖怪の巣で、しかも妖術ゲージを使い果たした後という事がありました。
シリーズ通して初めてだったので書き残しておきます。
さて。各最終層ではボスが待ち構えます。
上層、儚い森はぬりかべ。体験版に収録されていますのでこれは省きますが、
中層、忌み嫌われし沼では、一つ目入道が出てきます。
直近の作品「霊神楽~奮闘記~」で強力な技を備えていたので、身構えてしまいましたが、
一帯に攻撃をし、混乱を与える乱れ無双を使ってきます。
ボス妖怪共通ですが、口寄せを使い、敵妖怪を数体呼び寄せます。
呼び寄せた妖怪に豪の印を使い攻撃力を高めてくるので、ボス1体だけと考えない方が安全です。
そして下層、救いなき雪原では、予告されていたように雪女が登場します。

鈍足効果もある氷結の術をデフォルト攻撃として、
ダメージを与えながら吹き飛ばす突風や、範囲攻撃の吹雪。
マップ広域一帯に氷柱をばらまく氷の世界。
結局、ボス戦闘でも大事なのは百鬼夜行・空亡を使えるようにしておくことなので、
まんぷくゲージと妖術ゲージを溜めておきましょう。
回復薬なども持っていた方が安全だと思います。
その他、ちょっと気付いたことですが。
今回、突然変異妖怪を倒すと必ず言霊が出るように思います。
言霊は、初花がやられなくても妖怪とのシーンが見られる重要アイテムなので、
見掛けたら積極的に突然変異妖怪と戦っていきましょう。
乱れ縛りの技や混乱ガスなどの罠であれば、混乱守りなどの装備で対抗できますが、
祟りの罠や死神の罠に掛かると強制的に混乱させられます。
救いなき雪原で空腹状態による体力ダメージは、
階層が深いからか、それとも、強力な腹減りのためか、1歩ごとに4にも。
レベル比例なのかもしれませんが、お供を連れていることも加算されていると見て良いでしょうか。
救いなき雪原、ダメージフォントが小さくなりますね。
マップ忘れの罠を踏むと、同じ部屋にあるアイテムが見えなくなりますね。毒林檎、毒キノコの使い方。
食糧難に陥ることも多いため、手を出したくなりますが、
食べると状態異常になるため、道祖神の傍で食べます。
あるいは、不明な食べ物を食べる時も。
禁断の果実を食べてしまったら、道祖神に触れて次の層へ行けば、悪い効果はリセットされます。

この遊子弓が少し気になっていたのですが、
良い付加のものがなかったことと、プレイスタイルに合わないので運用できませんでした。
さて、シーンですが。
こんなキャラクタがこうなったという変化を表現するものだと思いますが、
ロープライス作品だと、前提パートに割けるコストがないのかもしれません。
シーン作りは難易度が高いと思います。
とはいえ、いきなり責めが始まり、責めに応じるところは少し納得がいっていなくて、
見ていてシーンのテンションに上手く乗れないことがあります。音羽初花のパーソナリティって、仕事が終わったら自分で自分に褒美をあげるタイプで、それが甘い食べ物。
頼み事をされたら逆に欲しいものをねだり、眠らされると「あと5分……」。
妖怪退治は自分が勝つことを疑っていなくて、明るい。
そんな音羽初花が、少なくとも責めに応じる理由を何か付けて欲しいですね。初めてなのに。
例えば、こんな感じで。

前提の一つを考えると、油すましや経凛々、一つ目入道は良いですよね。便利な設定があり納得しやすいです。
そして、今回新たに明記されたコンセプトとして、子孫繁栄のために襲ってくるという部分。
特に、ハンザキとのシーンが良く描かれています。
出て来るハンザキの目がしっかりとビジュアルで描かれていて、少し怖く、ぎょっとしました。
コンセプト通りですよね。
このコンセプトは好みとは違うのですが、だいぶ迫った描写になっているような気がしました。
戦っているマップ上では、マスコットキャラクタみたいでかわいらしいのに、乱れる。
テキストでは描写されていると思うので、ビジュアルが合わせてくれるとより良いですよね。
例えば、口の端の涎は見当たらなかったりしますので。
小豆洗いが割と責めていて、特に2回目は良いなと思ったのですが、やっぱりもう少し長さが欲しいです。
ビジュアルで見られる、初花の表情が良いですよね。
体験版に収録されていた油すましとの1回目も。堪えている風な口元が肝ですね。
油すましは、2回目も初花のビジュアルがかわいらしいと思います。
2回目は、ねだるセリフとも合っていますし。素直にねだることができるのは初花らしいとも思います。
経凛々の2回目も良いですよね。流されて素直に応じてしまう。さらに延々責められる。
気絶から戻って、周りにいる他の鬼にも同時にされると、なお良かったかも。
見ていたり囃し立てたりするだけではもったいない。
次はやると、初花も予告を受け取っているのだし。

とはいえ。
2回目になると、多くの妖怪に対し素直に求めてしまうところが初花の魅力。
どこかあどけない初花、なのに、油すましや一つ目入道に焦らされ、抑えが効かずに……。
ただ、音羽初花って、どういうスタイルなのでしょう?
身長は低く腕なども細いが、身体のサイズの割りに、一部は姉譲りを思わせる立派な箇所もある、で合っていますか。
ここがよく分かりませんでした。
金槌坊とのシーンビジュアルでは大きく見える、けれど油すましとだと手頃なサイズに見えるのです。

拠点でのLive2Dモデルがとにかく魅力ありますよね。
3Dモデルデザイン、キャラクタアニメーションは、和坂工房さんとクレジットされていますが、
今回もすごく良いと思います。
ついクリックしてしまいますよね。
姉の桂香を飛び越えて先に「神楽黎明記」シリーズに登場した音羽初花。
躱した時の「へっへ~ん」がちょっとかわいらしいですよね。何か食べた時に、「おいしい」などのボイスSEがあっても良いかも。
これまでが簡単だったとは言いませんが、システムが変わったと思えて、
色々と隅々まで遊べたのが堪能できた理由かも知れません。
シンプルなんだけど集中して楽しめるのが良いですよね。
ダウンロード販売もあります。

一定期間、33%オフ、さらに20%(¥400)ポイント還元も。
#追記
雪女が召喚する雪女は、残念ながら捕縛できないようです。
雪女に敗れた場合の選択肢、結果が逆に設定されていますね。助けを求めるとバッドエンドになってしまいます。
やはり埋めたかったので、最初からやり直しました。
ぬりかべは結構あっさり捕縛、登録されました。何だったのでしょう。再現しません。

ぬりかべの妖力解放300ポイントは塗り直しなのですが、あまり有用とは言い難いです。
同じ300ポイントなら、金槌坊や水母の共鳴打ち、一つ目入道の乱れ無双、木霊の鎮魂歌など、
他の妖怪の妖力のほうが良い感じです。
探し物ついでに、溜まりきったので妖魂もふりわけしました。

金槌坊のような分かりやすいパワー妖怪は、攻撃アップに50全て振り分けます。
ただ、一つ目入道に混乱させられた金槌坊が、後ろから必殺の一撃をしてくることがあるので注意です。
やっと探し物が見つかりました。
変身ギアが見つからなくて苦労しました。
ヒーロー装備をすると、攻撃エフェクトが初花の全周囲に出ます。
過去作をプレイされている方は、戦国無槍などと同じです。
囲まれやすい本作と、打たれ弱い初花をどうにかしたかったのです。

ところが、エフェクトはあれど、ご覧の通り。初花の隣にある岩に攻撃が当たっていません。
全周囲に攻撃ができるわけではないのですね。
(#追記
このヒーロー装備を揃えた攻撃ですが、バグだったようで、ver.1.00.b更新にて修正されています。)
ということは、単純に攻撃力の高い弓や、付加のあるものを選ぶしかなさそうです。

こういう付加は、クリティカル率が3倍になったらいいのですが。
残念なこともありましたが、本作は手頃な難易度で最後まで楽しめたと思います。