あざらしそふとさんの「アイベヤ2」体験版プレイしました。

あざらしそふとさんの新作は、「アイベヤ2」。


進学というタイミングで、御空朔の親御さんの転勤が決まってしまった。
そこで、幼馴染みである鴇崎陽一の家に居候してもらうことを提案。
以来、御空朔と鴇崎陽一は、大きな部屋を分けて暮らしている。
間仕切りは、父のDIYによるものだ。
姿は見えないが、音は結構聞こえる。
そのため、陽一は、ゲームや音楽もヘッドホンで楽しむなど、部屋で過ごす時は気を遣っている。

ある夜、エアコンが故障した。風は出るが冷えないのだ。
間もなく夏休みという頃。業者によれば、部品を取り寄せての交換となり、修理まで時間が掛かるという。
買い直せば早くはなるが、出費が嵩む。どのみち、今日明日でエアコンが使えるようにはならない。

「あ、あの。あのね。部屋、スライドドア、あるよね」
陽一が母と出費についてため息をついていたら、御空朔が話に入ってきた。
「あのドアを開ければ、両方の部屋とも、涼しくできるんじゃない、かな」
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体験版は、487MBでした。

原画は、おりょうさん。
SD原画は、まろたろさん。
シナリオは、もみあげルパンRさん。
音楽は、えびかれー伯爵さん。
ディレクターは、天海向日葵さんです。

今回の体験版は、プロローグを味わえるものとして、短いながらも主人公たちの関係性が良く分かります。
印象としては、過去作「アイベヤ」と似通っているのも、らしいといえるのかもしれません。

”ある日突然幼馴染と同じ部屋で過ごす事になるADV”という割に、
実は1年以上も一緒に暮らしていることが冒頭で分かり、不思議に思ったのです。

隣の部屋でずっと過ごしていて、生活感も音も伝わっている。
幼馴染みという関係性で気心も知れている。生活時間帯も同じ。
音や動きも伝わる引き戸越しの生活。
そこで1年過ごせていたのであれば、兄妹のような関係性に落ち着いたかとも思えたのですが。
二人は、そうはならなかったようですね。

隣の部屋で過ごすヒロイン、御空朔の声を恋羽もこさんに割り当てたのは素晴らしいと思います。

御空朔は、恥ずかしがり屋で人見知り。
舞台季節は夏ですが、陽一の友達とは春からの付き合いでも、話掛けられると狼狽えてしまう。
本が好きで、特定の本屋に行くけれど、店長さんとも上手く話せない。
でも言葉にしないだけで、内心は割と饒舌。
どちらも、ビジュアルとセリフとを合わせた御空朔らしい声となっているのです。

陽一の母親とは話ができる、けれど恥ずかしがり屋のベースのままでいるところ、
陽一のことは好きで気になる。言えずにあれこれ思っている場面など、
たくさん話していても、ベースが変わらない。
恋羽もこさんが御空朔らしさを作ってくれていると感じます。
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体験版時点で思うのですから、この後は間違いないのではないかと。

という形で、口が上手くは無い御空朔と、
実は結構喋る御空朔を味わえる、Another Viewが今作でも搭載されています。

一方で、陽一は、朝起きるのは苦手だけれど、勉強会前に勉強をしたり、
御空朔が前髪をあげたほうが良いと思いながらも、たまに見られる瞳が良いことも認めるなど、
必要があればやる、そのままの良さをきちんと見るといった、
設定年齢よりも遙かに大人びた行動ができるタイプです。

そのままでいても、緩やかに関係が育めそう、ですが。
二人をある程度隔てていたスライドドアが、
エアコンの故障により解放されることになって……。
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サーキュレーターで風を送ったりしたら、そりゃあ隣人の香りも、ですよね。


気になるのは、テキストフォントが読みにくいこと。
読みやすいフォントの搭載をお願いしたいです。
また、折り畳み式のパネルドアとテキストでは記載がありますが、背景画像ではスライドタイプですよね。
セリフで発してしまっているところもあるので、収録前に気付いて欲しいところです。修正できにくい。
そして、オープニングまたはエンディングテーマがありそうなのに、まだ明かされていないのは何か理由があるのでしょうか。

ロープライス。

2020年12月25日(金)発売予定です。

ダウンロード販売もあります。