HOOKSOFTさんの「ゆびさきコネクション」体験版プレイしました。



ADVは、表示されるテキストをどうしても読んでしまうものだと思います。

「まずはどんなことでも接点を持つこと、ですかね」

「私はね! 食欲と同じくらい映え欲があるの!」

「ふふっ、お出かけ前でよかったです」

発表時から気付いていましたが、この作品に感じたのは、SMEEさんの名作「ピュア×コネクト」との似通った雰囲気。
HOOKSOFTさんの新作は、「ゆびさきコネクション」。

高校生になれば自然に彼女ができて、一緒に大学に通うようになり、そのまま社会人になり結婚……。
水無瀬悠真は、そう、思っていた。
気づけば彼女いない年齢がかなり辛い歳になってきた。
上司の酒に二件目を付き合うと、連れて行かれたのは、よく映画などで見るバーそのものだった。
場違い感から気後れしたものの、上司の後をついていくと、あまりにも絵になるバーテンさんがいた。
思考停止状態になり、社外の人にするような挨拶をしてしまうほど。
上司が話をリードし、話題は一件目と同じように恋愛へ。
色んな一面を見て好きと思える人と付き合いたいと悠真が答えると、バーテンダーの女性が応じた。
「例えばキミとものすごくいい相性の相手がいても、キッカケがないと永遠に出会うことがなくなる」出会いのためとはいえナンパはしたくないと思っていた悠真だが、納得させられてしまった。
「もっと、彼女を作る努力をしないと」
新しい住居探しにと誘われたはずの後輩の女の子に会うと、美容室に放り込まれた。
出る頃には、自分からワックスを探そうと言い出し、アクセサリーまで選ぶようになった。
そして悠真は、変わった自分で、あの時はあれほど気後れしたバー再び向かう。
今度は、自分一人で……。

体験版は、1.16GBでした。
原画は、綾瀬はづきさん。
音楽は、SONO MAKERSさん。
ディレクションは、椋木咲夜さん。
エグゼクティブディレクターは、宅本うとさん。
プロデューサーは、亜佐美晶さんです。
エグゼクティブディレクターは、宅本うとさん。
プロデューサーは、亜佐美晶さんです。
恐らく、スタッフ構成からすると、同時期に開発されているSMEE作品「ハジラブ -Making*Lovers-」と同じ考えなのだと思います。
次のHOOKSOFTブランドを考えての動きの一環。新体制と表現されています。
システムはEthornellです。
ウィンドウサイズの可変ができない、テキストウィンドウのボタンが押せない、セーブファイルが自在に追加できないなど、使いづらいシステムです。
が、今作は表現の部分で変更を加えてくれています。
タイトル画面のボタンデザイン、コンフィグ画面でのボタンデザイン、
そして選択肢における既読の表現。

今作コンセプトに沿った表現で良いと思います。
何よりも、キャラクタビジュアルがものすごく良い。
魅力的な表情差分が豊富で、セーブファイル足りないです。
いや、本当に魅力的ですね。
魅力的な原画を、よくここまで彩色仕上げてくださいました。
綾瀬はづきさんの原画は元々魅力的ですが、うん。いや、すごいですね。
このまま専属になってくださいませんか。
原画を引いて貰っても、彩色が合わないとうまくいかないのですが、ピッタリ。
また、過去作品で、ここまで差分が多いことは無かったはず。うん、素晴らしい。
テンポ良く闊達な会話主体の進行には、差分があるとすごく良いですよね。
ADVは、表示されるテキストをどうしても読んでしまうものだと思います。
視点がテキストウィンドウ側に寄りやすい。
だけれど、表情差分が豊かで、キャラクタとして在るような気がして、
視線はセンター、キャラクタがいる方を見ていられるのです。
見ていて気付くのは、目に力がある上で、口元の差分がかなり活きています。
キャラクタの会話が一段楽しく感じます。良いです。素晴らしい。
イベントCGにおける表情差分も豊かですし、私服差分も複数あるようです。贅沢。
さて、ビジュアルは完璧だとして、どんな進行かと思いましたが、
恋愛に理想を抱いている水無瀬悠真が、小さなキッカケを掴むことで、新しい出会いをも掴んでいく流れのようです。
それは、魅力的なヒロインたちとの出会い。

「まずはどんなことでも接点を持つこと、ですかね」
橘伊織(葵時緒さん)
オーセンティックバーのバーテンダー。
落ち着いた雰囲気からか、店では恋愛相談なども良くされている。
ほとんどが愚痴だという話だが、橘伊織本人の恋愛は……。
店でもコーヒーを出しているため、コーヒーにも造形が深い。
茶目っ気があるという設定に沿った表情差分が豊富。
目元に注目してしまいますが、特に、ヒロインとしてのの魅力は、口元差分で表現してくれているような気がします。
「いらっしゃいませ」と客に対して言っているだけのはずなのに、この笑顔。
本当に迎えてくれているなと感じられるのです。
初登場のヒロインを橘伊織に任せたのは、とても正しいと思います。
別な考え方を提示してくれて、水無瀬悠真が物事への姿勢を変える第一歩となりましたが、
このやり取りとビジュアルとで、これまでの作品と違う、新しい作品の雰囲気をストレートに伝えてくれたと思います。
シェイカーを振るうイベントCGがあるのですが、こんな方がいたら通うと思いますね。
私服の立ち絵も素晴らしく美しい。
これなんですよね、綾瀬はづきさんの良さ。ぜひ体験版をプレイして欲しいと思います。
進行を止めてじっくりキャラクタビジュアルを見続けたくなるはずです。
知り合っていくと、イタズラ好きで、水無瀬悠真の反応を見て楽しんでいます。
細かいところをいえば、ウー・ウーを頼んだはずが、テキーラサンライズみたいになっていますね。
また、付き合ってからは、呼び捨てをしてくれるようです。
このペア感が良いですね。名前の呼び捨てだからこそ感じるパートナーの間柄。
シーン中のビジュアルもすごくすごいです。すごいです。

「私はね! 食欲と同じくらい映え欲があるの!」
双葉夏歩(佐夢来ジェニさん)
水無瀬悠真の元後輩。
独り暮らしを予定しており、連絡してくる。今回、連絡するのは久しぶりだったが、もし水無瀬悠真に彼女ができていたら、
連絡しても無視されるのでは、とは一応考えたらしい。
とはいえ、連絡が帰ってくるといつも通り。からかってきたり、主語が無い会話を繰り出す。
水無瀬悠真は、双葉夏歩にファッションプロデュースしてもらうことになる。
ニヤリ差分がすごく良くて、いい表情するな夏歩は、と思いますし、

「なんて……いま私が食べたい気分のおすすめです♪」
だからこそ佐夢来ジェニさんとの声も良く合っています。
メッセージアプリでのやり取りは、現状、声が入っていませんが、読んでいると声が聞こえてくる印象です。
なお、ニヤリ差分、立ち絵だけでなくイベントCGにもあります。
立ち絵で、見て欲しいのはスカートの部分。
ウェストベルトあたりの描き方も良いのですが、キュロットスカートなのかなと。
大人の女性への憧れを持ちつつも、現在の活発な双葉夏歩が身につけるものらしくて良いと思います。
また、ポケットを誤魔化さず描いていたり、細かくて良いですよね。
ニヤリ差分のイメージのまま。
一緒に遊びに出掛けても、付き合うようになっても、誘惑自撮りを送ってきたりと、
水無瀬悠真を振り回していくように見えます。
でも実際は、寂しいから。好きになると一直線で、こっちを向いて欲しいから、ですね。
色々考えてポーズやメイクを決め、撮ったは良いけど送るまでの葛藤。
送ってからも水無瀬悠真のレスポンスをじっと待つ。
両手でスマートフォンを握りしめている姿が想像ができますよね。
水無瀬悠真は、いい後輩との出会いがあって良かったです。

「なんて……いま私が食べたい気分のおすすめです♪」
桜坂悠月(月野きいろさん)
個人経営の喫茶店のアルバイト。
上司に教えられた水無瀬悠真は行ってみるが、店先で気後れしているところに声を掛けてくれる。
ヒーローショーのアルバイトも掛け持ちしている。
これは人気になるのもわかる店員さんです。距離感の壁を感じさせないのですよね。
目まぐるしく表情が変わるのに、押しつけがましくない。
目まぐるしく表情が変わるのに、押しつけがましくない。
目線が一緒というのでしょうか。目線を合わせてくれる感じがします。
困ってると打ち明けると、同意をくれるような。
ヒーローショーのアルバイトしていることも併せて、保母さんのようなイメージがあります。
(月野きいろさんの「良い子のみんなー!」にそういう威力がありますね)
付き合ってからは尽くすことにも力を入れてきて、バイト学生のため忙しいながらも、
水無瀬悠真の食生活は私が守るといわんばかりに食事を作りに来てくれます。
一気に水無瀬悠真の自室が甘い空間に。
なお、和食だけでなく、ケーキなども作れるようです。
いや、私服差分良いですね。
喫茶店は制服がかわいいから選んだそうですが、私服もなかなかかわいいです。
桜坂悠月の魅力を引き立てくれていますよね。
ヘアスタイルがとても良いですね。さっぱりした部屋着とも仕事着とも合うのが。
だからシーンに移行した時に、ああ、髪長いんだな本当はと、感慨深くなりますね。
気付いたのですが、桜坂悠月と桜坂結月、どちらが正しいのでしょう。

「ふふっ、お出かけ前でよかったです」
秋月美琴(風音さん)
水無瀬悠真の隣の部屋に住むOL。
仕事ができる感じがあり、それなりの企業に勤めているとのこと。
スーツスタイルの時はビシッとして見えるし、応対にはウイットすらある、
でも意外と抜けていて、人に傘を勧めるが自分は忘れたいたりも。
なお自室で過ごしているときはすごく油断をしている。
メッセージアプリでのやり取りも割と丁寧語。
でも、付き合うと、一気に丁寧語が抜けて、映画に文句をいっている姿がとてもかわいらしい。
ああ、こういう素を見られるのって、付き合わないとできないことだとよく分かります。
眉を寄せる差分が良いですね。日頃はしっかり社会で戦っているのかもしれません。
また、仲良くなってからの隣りにいることを感じさせる横向き立ち絵。
学生の頃は、恋愛の良さが全く分からないと思っていたし、
未だに恋愛と結婚は違うと思っているものの、付き合うことに幸せを、隣りに恋人がいる実感を見せてくれる表情がまた。
シーン中も、髪きれいだなと、つい見入ってしまいます。
水無瀬悠真は幸運です。こんな人と出会えた、最初の出会いで秋月美琴に避けられなかったのですから。
そうそう。公式サイトで、のいとさんによる四コマ漫画が掲載されていますが、
この秋月美琴のキャラクタがすごくかわいらしくて、一コマ目から四コマ目までかわいいのがズルいなと。
四人のヒロインを味わえる体験版ですが、
水無瀬悠真の上司だけでなく、サブキャラクタも豊富に登場するようですので、
どんな関わりになるのか、そこも楽しみですよね。
気になるのは、システムと、メッセージアプリの名称をはっきり書いてしまっているところ。
HOOKさんはこういう部分の修正も早いので、修正されていないということは、
音声収録にも掛かる部分なのかもしれません。
背景もかなり良く、東京にありそうな地形も見られたりもしますし、
そういった場所を探していくのも楽しそう。
過去作をプレイされた方なら、このバーは見たことがあるぞ、という場所もあります。
SONO MAKERSさんの音楽がとても良いですね。
大人の恋愛を描いていますが、選択肢の画面でなどで聴けるアコースティックギターなど、
しっとりした音楽ものが多く、沿ったものになっていると思います。ところで。
メッセージのやり取りを見て、やっぱりなと思ったのです。

SMEEさんは、過去にこんなことを仰っていました。
『二次元の女の子の可愛さを堪能する』ために舞台を学園にする必要性てない
本作は、正にその通りの作風。素晴らしい。
キャラクタをどんな場で動かすか。
それに沿ったビジュアル、キャラクタが何を話すか、そして声の配役とが噛み合っているのです。
マスターアップも間もなくと思いますが、素晴らしい完成度だと思います。
こういうのを待っていた気がしています。
2021年4月30日(金)発売予定です。
なお、のいとさんデザインのアクリルキーホルダーも付属します。
これもなかなかかわいらしいですね。
ダウンロード販売もあります。