でぼの巣製作所さんの「霊神楽~奮闘記~弐」感想です。

2021年4月発売作品。

でぼの巣製作所さんの「霊神楽~奮闘記~弐」は、”巫女さんタクティカルSRPG”。

依頼を進める退魔巫女たちは、一連の騒動が鏑木紫の内に眠る力を欲した大天狗によるものだと知る。
犬童ちはやは雉杜神社に戻り蔵を調べるが、力に関する資料が全く見当たらない。
そんな折、南雲佑馬の元に新たな依頼が……。

という導入でした。
それでは感想です。ネタバレは多めにあります。
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長らく、1作完結型の作品作りをされてきたでぼの巣製作所さんですが、
この「霊神楽~奮闘記~」は連作。

その二作目である本作は、どんなストーリーになっているのか、完結への道はどうなっているのか、
どんな妖怪が立ちはだかるのか、どんなシーンになっているのか、などが楽しみなところでした。

概ね、納得しています。
恐らくこのストーリー展開ならば次作で完結するだろうこと、
敵妖怪がなかなか歯応えがあったこと、シーンもでぼの巣製作所さんらしいと思えました。
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まず、SLG攻略の話から。

ステージマップが7つありますが、なかなかの難易度です。
ボス仕様のステージボスが良いですね。
体力などのステータスが高く、概ね2回行動をするようになります。
集中攻撃しないと倒せないため、追い詰めなければいけないけれど、するっと逃げられてしまうとか。

これに対し、退魔巫女たちは、1ターン中に移動と行動とができるので、最大限有効に動かして進めます。
攻撃の後に移動して敵から離れたり、移動が終わった先で召喚するなどですね。

敵妖怪を倒せなくても、攻撃的行動をしただけで経験値が入るシステムです。
無効化される技であっても仕掛ければ経験値が入るので、成長を考えるなら積極的に使うべきです。

霊脈争奪になりやすい。
霊脈を占拠しているとターン回復が高まりますが、奪われると妖怪が延々と発生するため、敵妖怪も狙ってくるのです。
韋駄天の符で移動力を増して先制したり、犬童ちはやの石砕衝撃で敵を押し出すこともうまく使って進めます。

今作では五行属性を優先したほうが攻略が進みます。
例えば金属性の雲外鏡に対し、火属性のすねこすりが攻撃をすると、攻撃+50%ボーナスになるのです。
すねこすりを少し成長させただけで、雲外鏡を一撃で倒すことができます。
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武器攻撃へは、特殊能力または状態異常が有効です。
犬童ちはやの見切りや、盲目付与。
回避として頼り切れはしませんが、1ターンの行動が大事になってきますので、必ず当てたい時には注意しましょう。
油体質がある油すましは、ちはやの石砕衝撃だろうとスルッと躱します。

ステージマップをクリアすると、過去ステージリプレイとして、再度チャレンジすることができます。
レベルアップ目的で潜ることになると思いますが、今作では周回するよりも、ステージごとに装備や妖怪を調整していったほうが良さそうです。
先述した五行属性を優先し、退魔巫女たちには弱点補強の勾玉を。召喚する妖怪には木の実を持たせて強化します。

退魔巫女たちがレベルアップすれば強力な技を覚えるのですが、
例えば前作で有効だった鏑木紫の滅雷は、今作では相手の五行属性でやや有用度が落ちるようです。
レベルアップさせても、精神の勾玉で精神力をアップさせても倒しきれません。

妖怪合成については、今作も理解が及びませんでした。
当初、登場していない妖怪を合成することが出来るのかと思っていましたが、
その作品に登場しない妖怪は合成できないことと、
合成で技を引き継いでも、1ステージ上で数回しか発することができないためです。
妖怪を強化するメリットが無さそうにも感じるのですよね。
上級の技を獲得しようと思ったらレベルアップさせるしかありませんし。
この妖怪合成について、何か公式からガイドが出ると良いなと思います。

攻略の注意点として。
今作の疫病神は、やばい息という即死技を使います。
犬神は、周囲にダメージを与える起震と、防御を半分無視してダメージを与える明鏡止水に注意。

そして最終ステージには、鎧武者が登場します。
この鎧武者はなかなか強いです。
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金属性。
傀儡で妖怪召喚し、その妖怪が倒されると断捨離が発動、鎧武者の体力を回復する。
廃棄処分で気絶(即死)を範囲に与えてくる。
通常攻撃は豪気付き。雷撃で範囲攻撃。
忘却の彼方で沈黙と盲目などの状態異常を与えてくる。
一部の状態異常に耐性がある。
跳躍4移動で、出現場所の霊脈がある地点から、真下にある小さな霊脈まで自在に移動できる。
霊力は100程度もあり、吸収で枯渇させるのは難しい。

どうやって攻めるか?
準備として、気絶を防ぐ即死守りは最低限として、沈黙や盲目を防ぐ勾玉も持っていった方が良いです。
召喚する妖怪が上手く動けるよう跳躍の実などを装備させます。

まず、鎧武者を袋小路になんとか追い込みます。これが一番難しいところですが。
鉄鼠が猛毒の牙で攻撃。耐性があるとはいえ、毒は通りやすい。
断捨離の発動で体力が95回復しますが、毒のダメージが通ると毎ターン100程度与えることができます。
対金属性で不利になるとはいえ南雲佑馬は退魔士側の最大火力。犬神やぬりかべなどから鉄壁を貰いつつ、鳳鳴斬で攻撃します。
ダメージが蓄積されてきたら霊脈へ撤退させ、厚塗りをかけたぬりかべが入れ替わり、鎧武者をブロックし続けます。
飛縁魔で霊力吸収。霊力を少しでも減らした方がいいです。
鎧武者に壁でバウンドダメージを与えられるよう位置調整し、ちはやの奥義・猛火陣。
鎧武者を追い込むための妖怪は、紫が召喚し続けます。霊力の勾玉を装備させた上で霊脈に陣取れば、5体は召喚可能です。湧霊の符で霊力を回復させても良いと思います。
また、召喚した妖怪で他の霊脈を占拠するよう動きます。
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つまり、総力戦でした。
鏑木紫は滅雷で妖怪の体力を削った後は、後衛から妖怪を召喚し続ける。
犬童ちはやは韋駄天の符で霊脈を占拠しつつ、遊撃として奥義・猛火陣で追い込む。
南雲佑馬は鎧武者に接敵しつつ豪腕の構えから鳳鳴斬。

レベルを上げれば勝てるという形ではなかったので、なかなか歯応えがありました。
前作の大天狗より強い印象です。

クリア後に売店の商品が豪華になったので、攻撃の勾玉を複数装備させて鳳鳴斬を使ってみましたが、
そもそも鎧武者の体力が1,000ありますので、8回も鳳鳴斬を放つのは難しい。
最大レベルは20で、それ以上成長できません。そう考えるとレベルデザインは上手かったのだと思います。
攻略したい方は、正攻法のみになってしまうと思います。


さて、シーンですが。
一つのボス妖怪とのシーンが設定されていて、ステージが7つですから7種類、うち1種類はバッドエンドとなっています。
バッドエンドはもう1種類ありますので、バッドエンドが2種類でしょうか。
診察と治療が1種類ずつ、診察はバッドエンド前にも別なものが用意されていて、退魔巫女は2人ですから、合計24シーンになります。

全体的には「神楽黎明記」シリーズとほぼ同様ですが、「霊神楽~奮闘記~」シリーズの良いところとして、バッドエンドに至る道が表現されているところだと思います。

シーン回収は、妖怪に倒されなくても、ステージボスを倒すと言霊システムで回収が可能です。
(シーンは見られるけれど、在ったことにならないシステム)
ですが、妖怪に負け、シーンを見ることで、ADV場面において、妖熱に浮かされている退魔巫女たちを見ることが出来るのです。
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残念ながら、前作と同じものだったりするので新鮮味こそ薄れてしまうのですが、
段々と変化していく様が描写されると、良いですよね。バッドエンドへ至る過程。
(シーン中のバックボイスも前作と共通だったりします。)

鏑木紫は、疫病神と2回目で唐突にスイッチが入るのがびっくりしましたね。
また、音声の部分で、例えば水妖との2回目などがそうなのですが、
ハッキリと浮かんでいるのは悦びだ。
高まる快感に怯えながら……、などと記述されていても、声音には特段それが乗っていないのですよね。
難しいとは思いますが、そこはしっかりお芝居をお願いしたいところですよね。

また、犬童ちはやです。
多くの妖怪たちが、ちはやの弱点を知っているかのように後から責めるのが、ちはやのシーンの特徴です。
ちはやの側も、初回でも何となく慣れている、経験済みであるかのように見られます。これはもう少し前の段階を置いて欲しいです。

あと、ちはやの名前を誤字はちょっとなと思います。辞書登録して欲しいですね。

今回、責めがよかったのは疫病神の2回目でしょうか。
構成自体は過去作「神楽黎明記~奏の章~」の疫病神と概ね同じなのですが……、
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違いは、ちはやの弱点がスタートだということ。
弱点を徹底的に責められ、ちはやの身体ができあがってしまうのです。

ちはやにとっては後を責められることが本番なので、流れに逆らうことができない。
悔しいとは思っても、悔しいと思う心のセリフが既に受け入れた声音を聴かせてくれますし、
抗っているようで、それは快感を表に出さないように努めているといった風情。
疫病神が動きを本格的にしたら、ゴールまで走るだけなのですよね。
あっけなく達して、達することを口にする。
聞き応えがあり、今作も鶴屋春人さんの芝居の巧さが堪能できます。

気丈さ、弱点を衝かれた弱さ。艶声がとても良いですよね。
声質がキャラクタと合ってもいますし。事後の身悶えと表記されている音声も本当に良いですね。

細かいことをいえば、テキストで瞳から気力の光が失われていくと書かれていたら、グラフィックでも反映させてほしいし、
逆にグラフィックの側で、疫病神がちはやの部位を掴んでいる場所に対して、テキストで一切描写がないのはもったいないですよね。
疫病神のスローな責め方や、ちはやの育った部位の掴み方は、恋人のそれっぽい。ちはやの変化をさらに描写しても良いはずです。
触られていることへの嫌悪感から、頼り甲斐を感じてしまうようになったり、身体を預けたり、もっと疫病神が触りやすいように姿勢を動かしたりとか。
そういう前提があって、ちはやが疫病神と視線を合わせると、その意味が増す気がします。
その際に、口づけもあってもいいのかもしれませんよね。
また、白山奏は心でお願いをしっかりしていたので、それも無いのはちょっと寂しい。
要するに、シーンが短いという話に帰結してしまいます。

戦闘マップ上の疫病神の臭い息には混乱効果がありますから、段々とおかしくなっていく、とするのも良いですよね。
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また、雲外鏡。
体験版の時にも、雲外鏡が老人の姿をしていることに疑問がありました。
というのも、白雪姫童話の鏡などでも、年若い従者めいているように思います。
今作の雲外鏡は、祠が壊されて荒れ、悪い振る舞いをする妖怪になったとのことですので、
妖力を吸い上げ回復していくと若い姿を取るようになって、ちはやたちを弄ぶバッドエンドが……というのも良かったのかも。
なりすましも、戦闘ステージ上で南雲佑馬の姿を真似しているので、敗北したら南雲佑馬が襲う形にしても良かったと思います。
バリエーションを広げてみるのも良いのではないかと。

それと。
今作から、診察シーンがあります。治療前にシーンを一つ挟んでいる状況です。
診察は、バッドエンド前の変化を表すシーンにも使われています。ですが呼び水にはなりませんでした。
バッドエンドも唆る形にはなりませんでしたが、物語として意味はあると思います。


正攻法で攻略を進めたために時間がとても掛かってしまいましたが、その分だけ楽しめたともいえます。
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鏑木紫は、戦闘でも力の抜けた感じの掛け声で、ちはやのしっかりした戦意を感じる掛け声と比べると聞き劣りしますが、戦意があまり無いキャラクタという表現なのでしょう。
そんなキャラクタが内に大いなる力を秘めている設定は面白いですし、次作の完結編ではどのように描かれるのかが楽しみです。
鏑木紫は、前作と同様に、今作のバッドエンドシーン中にも妖怪化して見せています。
その姿は、あの大妖怪。

果たして、妖怪殲滅派の犬童ちはやと対峙することがあるのでしょうか。
その犬童ちはやに、今作の犬神は何かの力を渡したようなのです。

次作は今年末以降になるでしょうか。




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