花澤さくらさんの引退が告知されています。
所属されているAGプロモーション公式サイト、2021年10月1日(金)付けの「お知らせ」。
この度、花澤さくらが2022年3月31日付けにて声優業を廃業し、引退する運びとなりましたことをお知らせします。また、AG-promotion Channelの「はんなりバリカタNo.244」でも引退のコメントがあります。
来年春までの活動となりますが、温かく見守って頂ければ幸いです。
花澤さくらさんは、クラシックピアノのような涼やかな声をされていらして、印象が強いです。
多くのジャンルに出演され、出演作品数がとても多かったと思います。
最近は、ASMR作品でも活躍されていて、含めると200近い出演数があるのではないでしょうか。
2012年頃から、少なくとも170作品。そのほとんどがメインヒロイン。
あかべぇそふとすりぃさんの「できない私が、くり返す。」栗原ゆめ。
公式サイトのキャラクタページにキャストコメントがありますが、
一番力を入れて演じられたという箇所。聴いていて力を感じました。
ある意味、ギャップであり、そこに至るまでは栗原ゆめを理解できないのも含めて、良かったと思います。
Nomadさんの「今夜、お義父様に抱かれます…」岩淵遥


滝沢遥が岩淵遙となり、岩淵健にとっては念願の結婚生活。しかし……という作品。
歴史ある神社の巫女、凜とした遙。
その遙に、そんなことまでさせるのか、と思い、でも受け入れているとしか思えない、
「今夜、妻が父に抱かれます…」では、さらに、遙にとって健は完全に外の人間へ。
そうなっても淑女らしさが見事に声にのっていたと思います。
だからこそ、痛いのですが。
エレクトリップさんの「魔法姫士アリカ&リン」愛彩ありか

親の教えで心優しく育ち、クラスでも人気者。
スタイルも良い、そんな愛彩が魔法少女になったら。
デビューから3年程のはずですが、この時すでに聴かせる艶声をしていらしたと思います。暁WORKS響さんの「PRETTY×CATION」朝霧希美。
転入した主人公に対し気さくに話し掛けてくれる、人気者。
しかし実はサブカルチャー好きで、それを隠そうとしているところがありました。
この作品はアニメーション化されており、そちらでも朝霧希美を演じられています。
Clochetteさんの「はるるみなもに!」松房英麻

甘味処の看板娘。
幼なじみの親密さがわかる呼びかけ。
ビジュアルと、とにかくマッチしていたなと感じます。
ニヤリとした差分にも合っていて、ハマり役でしたよね。
Qruppoさんの「抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?」冷泉院桐香
実務処理能力だけでなく武力も高い生徒会長。
隙が無い無敵さ。最後までその姿勢を変えないことが、魅力だったと思います。
「抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?2」では一緒に行動するようになって、意外な一面を見ることもできました。
ASa Projectさんの「かりぐらし恋愛」荒波杏
しっかり者の幼なじみ、と思いきや。
実は何もしないタイプ。やらせてみても大惨事。
かわいがるしかないのですが、外見はとにかくスペックが高い、そんなキャラクタに声で説得力を与えてくださった気がします。
Casketさんの「家神女房 -イエガミニョウボウ- ~名無し猫又は神Tuber~」ねこ

洋菓子店で働く妻。
ちょっとライバルのようで、でも互いが互いを思いやる、特別な距離感。
大人の様が素晴らしく、これもハマり役だと思います。Whirlpoolさんの「初情スプリンクル」百々咲雫
ラーメン大好きな下級生。
主人公の宗太は人気ラーメン店の長男であるため尊敬してはいる、
けれども、本当は宗太そのものがずっと気になっている。
素直には言い出せず、他の誰かの用事に駆けつけて行く宗太の背中に、文句をつぶやいてしまうところが印象的でした。
ローテンションさが味わい深い声になっていましたね。
ALcotさんの「将軍様はお年頃」徳田義宗

本来なら屋敷の奥に控え、指示を出す将軍。
けれど、好きになった江戸の町で、悪党に苦しめられている人がいるならと、
お忍びで町を歩き、民の声を直接聞く、義に生きるヒロイン。
表情がくるくる変わり、爽やかな笑顔を見せたり、負けず嫌いなところを見せたり、かわいらしい続きでした。
町では私、城では余。
こんなにかわいらしい一人称の余を聴けるのはこの作品だけかもしれません。
「将軍様はお年頃 ふぁんでぃすく -御三家だヨ! 全員集合-」でも魅力満載です。
ウグイスカグラさんの「紙の上の魔法使い」日向かなた
自分の魅力を理解し、笑顔で人を振り回し、強引にそして着実に下調べをする。
それは好奇心を満たすため。
明るさを保ち続けてきた日向かなたは、しかし、物語に囚われてしまいます。歪な愛情が、一つの嘘をつかせてしまう。望んだとおりの物語に。
かわいらしい日向かなたのままの、真実の韜晦。降される審判。閉じる物語。
前半の、魅力を振りまいた彼女のまま、日向かなたに戻りゆく。
演技力、ですね。
日向かなたの物語が終わっても、登場場面がある度、すこし心が苦しくなりました。
シルキーズプラスさんの「バタフライシーカー」天童優衣
殺人事件が続く街で、珍しく落ち着いた家庭環境で過ごしてきたからか、優しい性格。
しかしその能力は共感。凶悪な犯人のブラフに惑わされること無く見抜いてしまう。
その能力の強さは、同じメンバーにも際限なく届く。
根は優しいから、相手のためを思って引っ込める。追い詰めたりしない。でも、相手を助けたいと思うのなら、申し訳ないと思いながらも踏み込む。
相手を助けたいと思えば、相手の抱えた寒さすら身に写してしまう。
穏やかながら、芯に強い気持ちを持っているところを見せてくれました。
とにかく役にマッチしていました。そうそう。
先述の「はんなりバリカタ」だけでなく、ラジオ出演なども多くされてました。
キャラクターソングの歌唱も担当され、「ぬきたしキャラクターソングコレクション」や、
「バタフライシーカー・カオスナイトメア」での歌唱曲をイベントで披露されることもありました。
こうしてプレイした作品を並べて振り返ってみると、
黒モノ、愛でたくなる存在、ストーリーにおいての重要キャラクタと様々。
元々の声質が素敵な上に、どのジャンルでも演技が光っていたと思います。
だから、これからの作品でも期待をしていました。
Aino+Linksさんの「創作彼女の恋愛公式」。
主人公の鏡寿季の後輩、雨星結菜役としてクレジットされていました。
現在公開中の体験版でもシルエットが一瞬だけ登場します。
鏡寿季は、現在は離れた距離にいるけれど、どうしているか気にかけるくらいには、雨星結菜を認めていたようです。
締め切りもクオリティも両立させる努力家。このあたりが鏡寿季が認めていたところなのかもしれませんね。
ただし、あざといところがあるようで、作品本編での登場が楽しみでした。
ヒロインの一人、凪間ゆめみと親交があるように思われ、アペンドによる後日談で出番が多いのかなと考えていました。
9月でしょうか。雨星結菜役キャスト交代のお知らせがありました。
「創作彼女の恋愛公式」では、作品終了後もアペンドが配信予定となっています。
その収録が、恐らく来年に掛かるとのことだったのでしょう。
残念です。
現在のところ発表されている上での最終作は、2021年12月24日(金)発売予定、
Casketさんの「リンカーベル・アカデミア ~アルケミストは恋煩う~」でしょうか。

半年って、限りなく短いです。
引退宣言とは、これから先、新たな役で声を聞くことができないということ。
それが、残念でなりません。
#追記
2022年3月10日(木)、シルキーズプラスさんが「「花澤さくら」さんありがとう!感謝の気持ちを込めて卒業会!」を開催します。
2022年3月30日(水)、AGプロモーションさんが「花澤さくらさんを囲む会」を開催します。