Princess Sugarさんの「プリンセス☆シスターズ!」体験版プレイしました。

Princess Sugarさんの新作は「プリンセス☆シスターズ!~四姉妹は全員あなたの許嫁~」

「鏑木亮様でお間違いないでしょうか」
鏑木亮がバイトから帰ってくると、明らかに場違いなメイドがアパート前に立っていた。
「私はサクラと申します。急なお話となり恐れ入りますが、あなた様にたってのお願いがございます」
「……聞かせてもらおう」
鏑木亮の生活は苦しい。
この春、家庭を顧みずに西欧のどっかの国で長年よくわからん事業を手掛けていた父親がぽっくり逝き、
親戚一同に父親の遺産を取り上げられた挙げ句に身体一つで放り出されている。
生活のためバイトを三つ掛け持ち、時間はないのだが、
周囲に黒服の気配を従えるメイドに話を促したのは、
今度はどんな酷い報せか、逃げても無駄だろうと荒んだ気持ちで応じただけ。
「あなた様には我が主の日本への留学をサポートしていただきたいのです」
物が無い鏑木亮の住まいを見て、生活様相を察したらしいメイドが話したのは、要領不明な依頼。
全文英語の分厚い契約書に目を通すと、すぐに引っかかる一語が出てきた。
「カイネスブルク共和国……先に言え。要はウチの父親ゆかりのご依頼ってことか」
鏑木亮の今の生活は、いってみれば父親が理由。
契約書を突き返そうとしたところ、メイドが契約金を話し始め、鏑木亮は契約書の一部を何度も見直す。
具体的には、0の桁数を。
「引き受けよう」
「食いつき」
そして、1カ月後。
専用機内では、美しい四人の姉妹が、これから向かう日本の会話を繰り広げていた。

「仮にもあたしらお姫様なんだから。結婚相手も含めて、自由な生き方が許されるなんて思っちゃいなかったってゆーか」
「でもサクラちゃんが、『痩せ細った野良犬のような青年だった』って言ってた」
「もっと然るべき……そうよ、彼がもし私の運命ならもっと演出された華々しい出会いがふさわしいわ」
日本留学に乗り気で無さそうな姉妹の会話。そこへ長女がのんびりと言うと、話の流れが変わる。
「そうだわ♪ 今からでも留学の話はわたくしだけという形で、お父様に考え直していただきましょうか」
「鏑木様の長年に渡るご尽力が無ければ今頃カイネスブルクはどうなっていたことか」しかし素直に物事は進まない。
「はい決まり。それでは『成り行き任せDEドキドキ脱走大作戦』の詳細を詰めていきまーす」
我が主とやらを迎えるため、100人は住めそうな部屋数を備えた屋敷の掃除をしていた鏑木亮は、
あのメイドから不穏な電話を受けた。
「ひ、ひー、……ひ、ひっ、えふっ、お屋敷ですか?……すぐ駅前に来てください」
鏑木亮は、自身が平穏から見放されていることは知っていたので驚きはしなかった。
……そう。驚きはしなかったが。
「……すぐ行く!」
人生を変えるおいしいバイトが、関係ないところで吹っ飛ぶ……そんな未来だけは受け入れられないのだ。
体験版は、857MBでした。
原画は、みけおうさん。
SD原画は、eco*さん。
シナリオは、近江谷宥さんです。
うーん。
今回は体験版1とのことですが、ボリュームたっぷり、作品の雰囲気も感じられ堪能できる体験版だと感じました。
面白かったです。
ともすれば、前置きが少なくあっさり進行するかに思えましたが、
妙にカチッとハマっていて、良かったです。
キャラクタがそれぞれ良いのです。
そのキャラクタとは、主人公の鏑木亮も含めます。
朴念仁ということもなく、ある程度は察することもできる、けれど突然の苦境で素直に受け止められない、ある意味、奥手になっているところ。
姫達にも、奥ゆかしいとも律儀とも思われる一面を持っているのです。
ヒロインそれぞれが積極的。
飛行機内での、興味無さそうな会話は鞘当てだったのかと思うほど、鏑木亮の想像を超える積極性で迫ってきます。
理由は、婿取り。
鏑木亮の父親は、カイネスブルク共和国の立役者。
国家存続と経済再生を担った、銅像が建つレベルの英雄。父親も、鏑木亮の卒業を待って色々と話す予定だったが、あえなく亡くなってしまう。
強く恩義を抱くカイネスブルクは、鏑木亮を招くことを決定。
もうカイネスブルク共和国には鏑木亮のポストが用意されている状態。
鏑木亮が選んだ姫こそが国家を担うのです。
姫たちが乗り気でないのには、このあたりもあります。
確かに英雄。恩は計り知れない。でも、それで婿を決めてしまって良いのか。
決定権は鏑木亮にある。
このあたりが少し納得のいかない部分である、ように見せてはいますが……。
それでも、婿と定められた相手に、興味と期待があるのでしょう。
迫り方も違いがあります。

エイミ(藤崎紗矢香さん)は容姿が幼く見えるため、そこを活かして鏑木亮を兄扱い。
抱き付いて背におぶさっては、ツッコミを入れようとする鏑木亮の頬を襲います。
鏑木亮は、エイミが同年代と初見で見抜きますが、それでも積極的な接触にペースを狂わされてしまうのです。
エイミは第一印象で鏑木亮をコントロールしやすそうだと感じますが、
けれど自分に魅力を感じて欲しいと思っていて、隙を見てゲームに誘ったり、寝起きの鏑木亮に迫ってきます。
気付けば近くにいる、無邪気。そこがいいですね。
初手、膝に座ってくるところもかわいらしい。
過ごしやすそうな部屋着も似合っていると思います。

シェリル(飴川紫乃さん)は、ノリが良くエッチなことにも耐性がある、というより自分から積極的に話をしていくタイプ。
男を夢中にさせてしまえば言うことを聞くとする考え方。
日本の学園にもあっさり馴染み、姫としての立場を感じさせない振る舞い。
接触もさることながら、そのスタイルの良さを見せ付け、さらに煽ってきます。
この煽りがなかなか良く、奔放さが現れていると思います。
髪型はかわいらしいのに、スタイルの良さとマッチしているのも良いですよね。
逆らえなさそうな魅力があります。

アニス(綾音まこさん)は、エイミやシェリルを叱る、理知を持っています。
節度のある行動、姫らしい振る舞いをするべきと考え、
恋に理想もあるようです。
……なのに、出会いがかわいそうなことに。
ハプニングが多いのかなと思われましたが、しかしアニス自身で選んで鏑木亮を求めようとします。
これはすごく良かったです。
色々考えたけれど、自分で選んだ。これは大きいですよね。
その後、鏑木亮に対して距離感が明らかに変わってくるところとか、かわいらしいですよね。

フローラ(東シヅさん)は、おっとりとしたタイプ。
最初から姉妹の鞘当てのようなものには加わらず、姿勢が全く変わらない。
相手のことを考える。
この姉妹たちの姿勢では、鏑木亮に失礼になってしまうかもと、
姉妹たちが乗り気でないなら自分が嫁になろうとする。
姉妹が実は乗り気だったと知れば、先を譲る。
しかし、以前から鏑木亮を知っていたような素振りがありますね。
食事に興味を持っていますが、かなりの大食い。
堪能しているだけでなく、食事のペースはゆっくり。
四姉妹の中で、梅干しおにぎりを鏑木亮の父親と食べた経験があるのは、フローラだけの様子。
この四人は異母姉妹であるため、同世代でもあるわけです。
父親が同じだというところにも、色々なフラグが見られますね。
つまり、鏑木亮が四人コンプリートしても文句を言われないのです。
むしろ、四姉妹の父親からそのように匂わせているとか。
で。
その四姉妹だけかと思いきや、おバカメイドとよくいわれてしまうサクラ(和央きりかさん)、
鏑木亮の幼馴染み、だけど幼馴染みと主張するのも恥ずかしがる猪瀬ゆい(相模恋さん)もかわいらしい。

それもこれも、みけおうさんの原画と声とのマッチングだと思います。
こういうタイプの作品に需要があるの、良く分かります。
ただ、そろそろシステム更新がなされても良い頃合いかなと。
ウィンドウサイズ変更やバックログジャンプも無いのは流石に。
2021年11月26日(金)発売予定です。
同梱特典は、「ドレス姿のフローラといっぱい抱き合って出しちゃうASMRボイス」。
体験版2も公開されました。感想はこちら。
ダウンロード販売もあります。