ORTHROS Softさんの「ツヴァイトリガー」体験版2もプレイしました。

オルトロスさんのデビュー作、「ツヴァイトリガー」。
導入体験版に続き、本体験版もプレイしました。

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「これ見てみろ」
呼び出された小鳥遊慎也は、私立探偵の篠原啓吾に、ある映像を見せられた。
画面に唐突に一人の男性が映る、まるで映像が飛んだような内容だ。

「この街は行方知れずになる人間が多い。異常なほどにな」
埋め立て地だったこの街は、ソーマ製薬が開発権利を取ったことで二十年前に開発が始まったというが、
何故、いち製薬会社が開発しようとしたのか……、
ともかく、警察は、行方不明者の捜索に妙に消極的だ。

小鳥遊慎也の幼馴染み、明坂藤花が行方不明になり、そして戻ってきた時も、あっさりしていた。
一度だけ話をして、それ以降は捜査しているようにもみえない。

「帰ってきた人間は、ほぼ決まってこう言う。『変な世界に迷い込んだ』と」
明坂藤花も、そうだった。そして、戻ってきてからは、急に体が弱くなっていた。
何とか助けたくて、小鳥遊慎也は、篠原啓吾と関わりを持っている。
行方不明になったときに、明坂藤花が言う怪物に、何かされたのではないか。
解明が進めば、明坂藤花の体を治す手がかりも掴めるのではないか……。

篠原啓吾がタブレットに映る画像を切り替える。
「来栖雄馬。お前と同じ学校の、二年生だそうだ」

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紛れ込んだ異世界で、刀を振るって助けてくれた人は、秋月かなめだった。
来栖雄馬が、ずっと探して、ずっと再会したかった人。

しかし。
秋月かなめは、再会を喜びつつも、寂しい顔をする。
来栖雄馬たちが行き来できる謎の扉に、通ることができない。
それだけでなく……、自ら折ってみせた、その指が……。

「ごめんね。私はもう手遅れ」――


体験版2こと本体験版は、1.65GBでした。

体験版1をプレイした時点では、とても広い舞台設定に思えたのですが、
今回の体験版では、思ったよりも場が狭まった感じがしました。

近しいキャラクタのみ、同じ街であることなど、構成されているものが画面枠内に収まってしまっている印象です。

物語が進むことで、この街の始まりの時から、行方不明者が産まれる地であったと明かされていきます。

ソーマ製薬。
この製薬会社が、街を築く前からこの場所にいたこと。
製薬会社が何らかの意思をもって街に変えたこと。
その製薬会社に、小鳥遊慎也の父親が勤めていること。

そして、来栖雄馬を異世界へ呼び寄せた、謎の女もソーマ製薬に関わっていること。
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もう一人の主人公、小鳥遊慎也は、このソーマ製薬との関わりがあります。

小鳥遊慎也も主人公で、来栖雄馬と似通ったところがあります。
同じ街に住んでおり、同じように行方不明となった幼馴染みがいること。

しかし、小鳥遊慎也の幼馴染み、明坂藤花は帰ってきています。
そして、小鳥遊慎也が異世界を見ていません。
探偵の篠原啓吾と、異世界を外郭から探っていくかのような動きをします。

緊張がもたらされる場面もあり、どうなっていくのか、楽しみですね。

ビジュアル面や演出に気を配っているのがわかります。
まず、この構図はとても珍しいなと思います。
チーム全員の群像劇などでは見掛ける、場に居る全体を伝えてくれる構図です。
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右から、明坂橘花(八ッ橋しなもんさん)、明坂藤花(柚原みうさん)、小鳥遊慎也。
元警察官で今は探偵の篠原啓吾(やまなか正之さん)、ソーマ製薬勤務で小鳥遊慎也の父の部下、天城芽依(みたかりんさん)。
全体が見えると、場の雰囲気も伝わるので良いと思います。座り方にも個性が出ますから。

篠原啓吾の行方不明者捜索に対する熱意はどこにあるのか、少し気になりますし、
天城芽依は何に賛同して動いているのか。ソーマ製薬が行う研究だけでなく、小鳥遊慎也をフォローすることにも自発が見えます。

そして、撃つことを選択させている画面演出。
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実銃を準備して異世界に渡った来栖雄馬の選択肢。

楽しいとは思ったのですが、意図が少し掴みかねました。
例えば、今後も継続させるのであれば、最初は有効打にしておくと良さそうですが。
撃ってしまったという表現であるなら、しかし結果を突きつけておらず足りません。

それと。手のみが活動し、足を掴むところも。
もう少しだけ何か、脅かすタイプの演出があってもいいなと思います。
扉を叩くSEはすごく良いと思うのです。あの、ノックとは明らかに違う音。良いですよね。

ともかく、ビジュアル面の強さは良く伝わっています。
何より背景デザインが今回も良いです。

あの場所。
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現世界ではソーマ製薬敷地は、異世界では異様な場所となっているようです。
異世界で襲ってきた怪物は、この施設を守るような動きをするのだとか。
この中では、一体何が。
そして、攫った人たちを、何に変えているのか。

関わった人たちは、どうなっていくのでしょうか。
できれば、誰もが幸せであって欲しい、ところですが。
明坂藤花は帰還者ですが、一度戻ってきた者はもう一度誘われ、そして二度目は帰ってこないことが多いといわれています。
秋月かなめは難しい状態ですし、来栖雄馬にも同じような変化が見られます。
その変化は、現時点では、誰かを倒せば解決するものではなさそうでもあります。


ところで。明坂橘花がかわいらしいです。
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姉が大事で。気遣いもできて、自分の心も守りたいから、ちょっと斜に構えている。
よく食べるのはサブキャラクタとしてのキャラクタ付けとしても。
こういうキャラクタが、何かに心を動かしてしまうタイミングが見てみたいですよね。
父親の、姉に対する扱いを察して、男性に対する不審のようなものを根付かせている。
そんなキャラクタが、どんなことが起これば……と。

残念ながら、小鳥遊慎也は明坂橘花を見誤っています。
小鳥遊慎也は、明坂藤花しか見ていないところがあるので、これは仕方ないです。
すると、誰と、でしょうか。


2022年11月25日(金)発売予定です。

げっちゅ屋特典は、明坂橘花のタペストリーです。


ダウンロード販売もあります。