HOOKSOFTさんの「恋にはあまえが必要です」体験版プレイしました。

HOOKSOFTさんの新作は、“女の子一人で二度オイシイ恋愛ADV”、「恋にはあまえが必要です」。

まず、今回の体験版の構成を説明しておきますと。
ヒロインキャラクタの“かわいさ体験版”と呼ぶものです。

主人公の状態や環境についてはさておき、選んだヒロインキャラクタと、どんな会話を繰り広げるかを知ることができ、
この作品の特徴である、ヒロインの発展性も知ることができるものです。

通常の製品版とは進行が違います。編集版といって差し支えないものです。

ヒロインにあまえてもらうか、ヒロインにあまやかされるか。
ルートに入った時点で選択肢により、ヒロインにどうして欲しいかを選ぶことで、接し方が変わります。
ブランド過去作「どっちのiが好きですか?」とコンセプトを同じくしています。

まさに“かわいさ体験版”と呼ぶべきところは満たしており、
今後のプロモーションとして正式体験版を出す予定なのかもしれませんが、それは不要と思うほど満足してしまいました。

本当に、ヒロインキャラクタがみんなかわいらしいのです。

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体験版は、1.32GBでした。

原画は、Go-1さん。
シナリオは、桜城なおさん。
SD原画は、のいとさん。

システムはEthornell。
セーブファイル数は114と減っています。
以前の190でも少なかったのですが、どうして減ってしまったのでしょう。
体験版プレイ時点で18ページが埋まってしまっていて、製品版を巧くプレイできるか自信がありません。
今後、増やす意向もあるようなので期待したいところです。
そして、ウィンドウサイズ可変が出来ません。
ただ、ボタンデザインなどは気を遣っていて、進化していますね。
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今作も、まばたきと口パクが搭載。セリフに合わせて動きます。
口パク動作ですが、一部調整が必要かなと思うところがあります。
セリフ終了時に最初に指定した差分に戻るため、セリフが終わって音がないのに口が動くケースがあります。
全く動かない箇所もあります。


さて。
いわゆる母子家庭で、なるべく母を支えようとしてきた森野賢人。
性格は穏やかなようで、場にいるとツッコミに回ることが多い様子。

そんな森野賢人は、学生生活の中で色々なヒロインと出会っていくようです。

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「ん。おはよう」
獅子喰桜雅(小波すずさん)

幼馴染み。
朝、バス停で待ち合わせるともなく合流し、一緒に通う。
挨拶こそするけれど、ベタベタすることもない。
相手のことを見ていないわけじゃ無い。必要があれば聞くし、話す。
隣に居るのが自然なタイプのようです。

だからこそ、将来を考えた時。
ずっと一緒に居られるわけではない。このことが、二人の関係性を変えていく物語のようです。

二人が過ごす明戸花笛学園は進学校で、獅子喰桜雅はその中でも上位。
しかしコミュニケーションに難があり、人から注目されてしまうと気分を悪くする。
授業中に先生に指名されるといったことでも調子を崩し、一度、倒れています。
他者と対応できない。
このことは生活に影響しており、買い物も一人では出来ていないようです。

獅子喰桜雅がどう変わっていくか。
ルートに入ると、二人で一緒に成長していく様子が見られるようです。
「ケンと離れたとき……」
この一言の重み。本当に考えたことがなかったのですよね、そんなこと。
森野賢人と居ることは、それくらい当たり前で、それで良かったからなのだと思えます。

のいとさんのSDなどで、犬タイプとして表現されていますが、
セリフと小波すずさんの演技とで、本当に懐いているのがわかります。
色々な表情を見せてくれるのですが、それは森野賢人とだから、なのでしょうね。
二人だからできる会話。

通学のためバスを待っていると、肩をぶつけて挨拶してくる。
この登場の仕方は、素晴らしいと思います。二人の関係性を一気に伝えてくれました。

家庭環境はちょっと特殊な様子。
部屋には何故か「敬天愛人」の書道額が。そういう教育を受ける環境だったということですよね。
母親は巷で闘神と知られています。
ビジュアルは正に闘神ですが、声が平野響子さんなので、良い親なのだろうなと思えてしまうのがすごい。

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「お兄ちゃんとの結婚なんて許しません!! お姉ちゃんも必要ありませんッ!!」
天枝千羽(七種結花さん)

修学旅行先で出会い、その後、親同士が再婚して義妹となる。
出会いが良かったのでしょうか。森野賢人に対し、かなり懐いてくれています。

目が離せない義妹です。
うん、これはすごい。

森野賢人は、再婚相手の連れ子として、この年から妹になる相手に対し、
兄たるべく接するわけですが、やや誤解を生んだ様子。
よく「そういうとこだよお兄ちゃん!」と発してきます。

Go-1さんデザインのビジュアルから、性格の良さも伝わりますが、正にそのまま。
気遣いも良く出来て、色々と考えすぎてしまうところもある様子。
父親に気を遣わせてしまったとフォローすると、好意まで溢れてしまうところに良さが出てきます。

転入した明戸花笛学園でも、早くも人気者になっていて、
クラスメイトから何かと声を掛けられるようになっています。

天枝千羽はとても懐いてくれていますが、
こんな様子ですと、森野賢人のほうが心配になってしまいそうですね。

一方で、母親のことを嫌っており、嫌うだけの何かがあった様子。
似てしまう行動に気づき、嫌悪する様が見られます。

そのあたりも含めて。
ビックリするくらいかわいらしいキャラクタです。
七種結花さん、バッチリがっちりハマっていますね。
寝言のフリした「ん……ふふっ、お兄ちゃん……♪」が素晴らしい。

ただ。あの姿勢からどうやって二の腕を噛むのかな、とは思いました。

設定上はあざとらしい部分もあるようです。
製品版ではそんな面も見られるでしょうか。

まだ声優さんの紹介がありませんが、父親の天枝誠さんの声がとてもいいですね。
芝居も巧いです。

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「私のことも、獅子喰さんのように名前で呼んでいただけたらな……と」
唐朽氷華(月野きいろさん)

修学旅行先で出会う、織音女学院のお嬢様。
唐朽氷華の飛ばされたハンカチを拾ってくれたのが出会い。

恋愛については憧れもあり、小説などで多く触れている様子。
しかしこういう作品に出るには純粋すぎるところもあるようですね。

唐朽氷華のことは、懐刀茨が教えてくれます。
森野賢人との間を邪魔をするように見えて、そうでも無いあたり、
そうですね、「どっちのiが好きですか?」の四谷・グレンジャー・ハンナと、朱鷺崎紫子の関係に近いでしょう。
しかし、懐刀茨(彩瀬ゆりさん)もかわいらしいのがやや問題。
森野賢人と遠慮の無い会話ができてしまうことが一つ。あとはデザインでしょうか。
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輪郭線に良さがあると思います。キャラクタとそれ以外がはっきりしている。
全体的にすっきりしているのが特徴で、そのためか、瞳を閉じる差分でも魅力が強く残りますよね。

懐刀茨は、忠告というか注意というか予告めいた話をしてくるのですが、
近づいてくると、顔が良いのでとてもやばいなと思います。
正直にいえば、ルートがあっても良さそうです。

唐朽氷華は、正統派の印象がありますね。
仲良くなってからは、恋に恋している様が見られます。
勢いがついてくる、あまやかされるルートがオススメになる予感がします。
でも、名前で呼んで貰うことを嬉しがる、あまえてもらうルートも良いですよね。

唐朽氷華として、お嬢様設定に合わせて、大きな声ではないけど通す、届けるように発しているのが面白いですね。
マイクとの距離を調整しながら巧みにストローのように通している感じがします。

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「良かったよぉ。今日もちゃんとうちにいてくれてぇ……」
藍城満留(明羽杏子さん)

大学生になった森野賢人が再会する、ルームシェア相手。
本来はお酒に強いはずが、この日はワインで酔ったのか、盛大なリバースを受けることになる。

衝撃的な再会ですね……。
なし崩しで同棲することになったため、生活ルールを決めるところなどから見ていくことができるようです。
コミュニケーション性能が強く、僅かに年齢差はあるものの、会話に垣根はなく、森野賢人の相手として申し分無い関係性が築けているようです。

一人でいることが苦手なためか、森野賢人と暮らしてからはテンションが維持されます。

変なこと言い続けているのに、妙にかわいらしいのは、
このビジュアルと、明羽杏子さんの声ですね。強すぎます。
新時代の“タコ焼き”とは。
二日酔いで睡眠も短いときのテンション、吐き気ギリギリの演技、なるほど納得です。

というか、ヒロインの独白、いわゆるガーリートーキングのフレームが、ワインボトルやカクテルグラスなのですね。

最初から生活を一緒にしているから、物理的な距離が一気に近づいています。
そして、藍城満留も、寂しいから誰かに居て欲しかったという理由で、森野賢人を囲います。
心のベクトルも向き合っているといえて、恋愛に至るには、整っているといえるのかもしれません。

製品版では、藍城満留の格好いい部分も多く見られるといいですね。



制作陣の意図とは違うかも知れませんが。
体験版では、森野賢人の成り立ちが見られないため、受け止め方がおかしくならないか不安でしたが、
キャラクタの良さを味わう体験版という切り出しは、見事に成功していると思います。

森野賢人は、環境を理由にしてか人の善いタイプで、
獅子喰桜雅と長年の付き合いができた理由も分かるし、
修学旅行先で、天枝千羽の信頼を得たり、唐朽氷華を助けたり、
藍城満留と出会って後年再会できるような切っ掛けを残せたりするのは、
やはり、森野賢人だからだと、よく伝わります。

色々な人と関係を巧く築けるタイプなのでしょうね。

Go-1さんのデザインがHOOKSOFTさんの彩色と合うかなと思ったのですが、
そこもクリアしていました。
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マッチ度合いが高いせいか、体験版を始めて最初に登場する、
森野賢人の母親、森野利枝子(みすみさん)が既にかわいらしい。ヒロインではないかと思ってしまいました。
ただ、私服はもう少しデザインがんばってあげてほしいです。
仕事に掛かりきりとはいえ、それなりの生活を維持している稼ぎがある人です。
必然、ファッションはもう少し気を遣うことができているはず。
少なくともその服で再婚相手の紹介をしないのではと。

懐刀茨もかわいらしかったですし、従姉妹の森野小鳥(榎本ねむさん)、藍城満留の友達の姉ヶ崎頼子(鶴巻ちとせさん)もかわいいのでしょうね。

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また、今作も背景が素晴らしいですね。学園の雰囲気が良く伝わります。
恐らくは、進学校ゆえ、人が過ごす空間を中心に改築しているのかなと想像してしまいました。

HOOKSOFTさんは、背景担当の方のお名前を公式サイト掲載しても良いと思います。


これくらいのキャラクタを創造できるのであれば、個別ルートの分岐はいらなかったようにも思います。
むしろ、味が薄まるというか、堪能できる、体験できる時間が少なくなる危険が高い。
そこが少し不安です。

それでも、魅力的なヒロインキャラクタが登場し、
見合った相手の森野賢人との恋愛物語は、とても楽しめそうだと思えます。


2023年3月31日(金)発売予定です。

B2Wスエードクロスポスターと、A5アクリルプレートが付属。
パッケージイラストも違うように見えますね。


ダウンロード販売もあります。

ついにHOOKSOFTさんも、パッケージと同日にダウンロード販売を行うようですね。


#追記
公式体験版プレイムービーがあります。