でぼの巣製作所さんの「神楽黎明記~御琴の章~」感想です。
2023年1月発売作品。
でぼの巣製作所さんの「神楽黎明記~御琴の章~」は、シリーズ23作目のローグライクRPG。
数ヶ月前に、武居涼香の行方が分からなくなって以来、消息が気になっていた。
しかし、目の前の被害を見過ごすことはできない。
須波御琴は、割れた殺生石と、妖怪による被害を収めるため、
相談してくれた神主に力強く応えるのだった。
「――分かりました。私に任せて下さい」
それでは感想です。
ネタバレは少しあります。

期待は、前作「神楽黎明記~涼香の章~」の発表時点から。
その高さは、前作を超えていました。
というのも、須波御琴のキャラクタが良いのです。
キャラクタデザイン、性格設定の良さ。
そして榛名れんさんの声。期待は高くなりますよね。

10周年記念として行われた人気投票でも結果は高い。
ところが、体験版プレイ時点では、期待を下回りそうな印象がありました。
期待が高すぎたためか、製品版でもその印象を拭い去ることができなかったようです。
さて、まずはローグライクRPGパートから。
須波御琴は、何があったのか一人で行動している最中、ニュースで知った、割れた殺生石の元へ赴きます。
近くの神社では妖怪が跋扈し、被害に困っているとのこと。
手を貸すことにした須波御琴は、まずは殺生石周辺を調べます。
恐らくその殺生石が封じていた存在が、最下層にいるはずです。
依頼で聞いた通りに妖怪が多く出現し、ダンジョンに入るとすぐに戦闘になってしまいます。
ダンジョンはターン制。須波御琴を動かすと、フロアにいる妖怪も行動をします。
須波御琴は一人ですが、ダンジョン内にいる敵妖怪を捕縛すると従えることができます。
敵妖怪を攻撃して弱らせ、捕縛の技を使うか、一撃で倒せるダメージを与えると捕縛することができます。
捕縛した妖怪は召喚すると一緒に攻撃してくれます。

須波御琴は、刀と術とを操ります。
刀武器を使う退魔巫女の特徴は、攻撃力と防御力が高く、接敵しないと攻撃できないこと。
探索において気をつけるべきは、状態異常になり、その攻撃力を発揮できないこと。
……なのですが。
今作は、敵妖怪に金槌坊がいます。
金槌坊はシリーズ最高クラスの高い攻撃力を持っています。

必殺の一撃という高ダメージ技を持ち、ご覧の通り。
須波御琴の体力が800弱。必殺の一撃の被ダメージが226ですから、
次に行動するであろう、右隣の金槌坊が同じように必殺の一撃を放ってくると……。
部屋にいる妖怪は、金槌坊が2体、鵺が1体と、これだけでピンチです。
幸い、妖術ゲージが溜まっていますので、使って切り抜けます。
ノーマル難易度の設定でプレイして、レベルが下がった状態で出くわすと、
一発で御琴は倒されてしまいますので、探索スタート時点は、より注意が必要。
では、この金槌坊を仲間妖怪にすれば、須波御琴の攻撃力アップになるかというと、
金槌坊は混乱の状態異常を受けると、後ろから須波御琴を攻撃してきます。これが危険。
混乱を与えてくる敵妖怪は、疫病神に鵺と2ついます。
安定して探索できる仲間妖怪は、靫蔓。

状態異常回復の万能エキスと、相手を麻痺させる痺れエキス、状態異常を与える消化液が強いです。
相手の攻撃力を下げる硫酸は、期待するほどではありませんが、敵の金槌坊の攻撃力を落とします。
相手の攻撃力を下げる硫酸は、期待するほどではありませんが、敵の金槌坊の攻撃力を落とします。
消化液で防御力を落とす効果は、九尾にも有効です。
追加ダンジョンでも安定して探索ができます。
最下層のボスは九尾。

殺生石に封じられていたらしい九尾ですが、過去作にも登場しており、対処は同じで問題ありません。
体力が多いこと、遠距離から狐火を使うこと、体力が減ってくると口寄せを使い他の妖怪を呼び寄せること。
そして、罠縛りを使うこと。
罠縛りは、フロア広域に罠を撒き散らします。
そして、須波御琴の装備を弾き飛ばす効果があります。
これのすごいところは、退魔巫女の最高妖術、百鬼夜行・空亡の反射能力すら貫通すること。
また、九尾は、体当たりをして御琴を移動させることがあり、移動先に罠縛りで敷かれた罠があることが……。
九尾には、毒と防御力低下が有効です。
体力が高いので1ターンあたり50程度を奪う毒と、
体力が高いので1ターンあたり50程度を奪う毒と、
須波御琴の与ダメージを30%増すことになる防御低下とで、有利に進めることができます。
須波御琴は、シリーズ最強と呼べるくらいの技を持っています。
武芸と霊力とを合わせたもので、過去作では神の器と思しき存在を封じています。
それが、奥義・四柱・神雷。

気力ポイント5消費しますが、最下層まで来たらぶつけてやりましょう。
さて。お楽しみのシーンです。
体験版をプレイしていて、ここが気になっていたところです。
期待が高すぎた面もありますが、差し引いても不満が残りました。
まず。
須波御琴の性格設定を改めて振り返ると。
高い霊力と刀の扱いで、過去作では大業を為しています。
須波神社の跡取りで、霊力が高いだけでなく立ち居振る舞いでも人気を集めていて、
周囲にも次期当主と認められる存在、それが須波御琴です。
本人は落ち着いた雰囲気で、本来従者であるはずの相手を「涼香ちゃん」と親しみを込めて呼ぶ関係性。
妖怪に対しても対話を行い、節度を以て公平に対応します。
妖怪に対しても対話を行い、節度を以て公平に対応します。
そして、イメージを固めているのは、榛名れんさんの声によるところが大きいと思います。

全体的にグラマラスで、今作のビジュアルもなかなか。見応えあります。
とすれば、シーンに対する期待も、とても高い。ところが。
前作「神楽黎明記~涼香の章~」のほうが満足度は高い結果となりました。
須波御琴の魅力を引き出し切れていないように感じます。
時間がなかったのかなとは思いますが、シーン中の描写は物足りない。
例えば化け蛇は、どうしてその動きなのか。回旋するほうが蛇鱗を活かして悶えさせることができそうです。
置かされてる、はないと思いますし、妾ではなく童とした意図が伝わりません。
1回目の蝦蟇の舌は、絡み付いて揉みしだくビジュアルではありません。
1回目の蝦蟇の舌は、絡み付いて揉みしだくビジュアルではありません。
2回目の蝦蟇は、サイズが小さく思います。
乱れ方にも物足りない部分あると思ってしまうのは、前作が良かった反動でしょう。
乱れ方が良い鵺のシーンは、2回目の終わりの須波御琴のセリフが唐突に、一足飛びに思います。
それでも、榛名れんさんは声だけでなく演技もいい。たまりません。
「許しませんよ」と言い放っても、かわいらしさが潤沢。
執拗に責める相手に対し絶望していく声も、聞き応えあります。
事後に引き抜かれた反応を示す声も上手い。
例えば靫蔓の2回目など、進行に合わせた御琴の変化を確実に届けてくれます。
テキストにはありませんが、シーン後半になると、舌が迎え入れるように動き、腰が浮いていそうな御琴のイメージが持てます。
艶声の中でも受け入れているのが分かりますよね。語尾による演技が上手い。
グラマラスに描かれる須波御琴のビジュアルと合わせると、反応も良いボディの持ち主なのだと思えます。
知識があり、自分でも慰めていた描写がありますが、年頃の須波御琴らしいキャラクタだと受け止められます。
改めて見ると、公式サイト掲載の3つのシーンビジュアルはどれも良いですよね。
鎌鼬に捕らえられてしまった表情、靫蔓の捕虫嚢に捕らえられ、気化した蜜を吸ってしまって上気する顔、鵺に組み敷かれて後ろから責められる姿。
ビジュアルの満足度は高いです。

製品版では、化け蛇、靫蔓、疫病神なども良いですよね。
とはいえ、せっかく描かれた須波御琴の豊かなボディを活かしたシーンがなかったり、
乱れ方で武居涼香に負けているところなど、やっぱりもっとシーンが見たい、聞きたいです。
追加要素として、例えばですが。
「神楽訪神歌」では、ダンジョン内で混乱を受けた涼香に、「あは~、ちょ~ちょ~(蝶々)」という混乱ボイスが搭載されていました。
ここまでなくとも、近い混乱がシーン中にあってもよさそうですね。
疫病神とは、最後は口吸いしながらとか。魅力的な御琴がするから良さそうです。
あとは、過去作で登場していた天邪鬼も。相手の望んでいることとは逆のことをするので……。
須波御琴、再登場して、もっと多くの艶姿を見せて欲しいです。
日常会話の声も、もちろん楽しみたいです。

それにしてもこの2Dモデルはかわいらしいです。
さて。
殺生石から出てきた九尾を退治した須波御琴。
残念ながら武居涼香との再会が成りません。
期待した「神楽漫遊記~御琴と涼香~」という展開に繋がらず、二人はそれぞれで旅を続けるようです。
トメ様を窘めつつ、涼香と一緒に旅をする場面が見たいものです。
ダウンロード販売もあります。
一定期間30%OFFとなります。
#追記
追加ダンジョンの攻略です。

まず、どんなダンジョンか。
帰らずの迷宮は、途中で帰る帰還の符が使えません。
物いらずの迷宮は、道具が持ち込めません。
どちらも21層目がボスで、敵のレベルは最大61。
シナリオのダンジョンより敵のレベルが10高いことになります。
最下層近くでは、レベルの高い武器が落ちています。
ボスは、過去作と同じように今作も九尾。
レベルは僅かに高いようですが、強さは本編と変わりません。
さて。
登場する妖怪は本編と同じですが、本編では下層にしか登場しなかった妖怪が1層目から出現します。
そしてレベルが高い。
例えば、14層の金槌坊がこの体力。400もあります。

本編では20層でも400には達しません。
複数出て来ると危険です。
この金槌坊のために何度となく百鬼夜行・空亡を使うことになります。
ゲージを溜めるためにも食べ物は積極的に回収しましょう。
無音領域効果中は、必殺の一撃は発生しません。
無音領域効果時間が200ターン強と少し減ったように思いますので、まんぷくゲージと相談して踏んでみるのも良いと思います。
メモとして。
精錬の符には、呪い解除の付与があります。
毒が20ターンくらい継続しています。
蝦蟇がバックステップ移動をするようになりました。1マス下がることがあります。
浄化の符の状態異常予防効果は有効ですが、符の使用はターンを消費するのですよね。
九尾に奥義四柱神雷を使うと、スーッと体力が減り、その後何故かゲージが戻る。
靫蔓が自身に万能エキスを使っても状態異常が治りません。
この二つはバグかもしれませんね。
今回の災難。
祟りの罠から祟りの罠コンボがこんなに恐ろしいとは。
祟りの罠から祟りの罠コンボがこんなに恐ろしいとは。

まっすぐ下層へ向かう道祖神を引き当てるルートを辿った、と思ったら、
道祖神の近くに祟りの罠。
祟りの罠は、状態異常+ぶっ飛ばし。
祟りの罠から祟りの罠へと連続的に踏まされ、状態異常盛り沢山で行動不能なところに、敵がたくさん近寄ってきて……。
そして、やっぱり勝てませんでした。

再チャレンジしてみます。