あざらしそふとさんの「アマカノ2+」体験版プレイしました。

あざらしそふとさんの新作は、“もっと甘えたがりな彼女と俺の純愛学園ADV”、「アマカノ2+」。

季節はめぐり、夏の始まりを感じさせる6月になった。
和倉賢一は、欠品していたコーヒー豆を受け取りに出掛けると、
突然、緋衣亭の制服を引っ張られた。
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「え、嘘、お兄さん!?」
引っ張られた方を向くと、そこには、少しくすんだ銀色の髪をツインテールでまとめ、大きなキャリーケースを引っ張っている、年下に見える女の子がいた。

話によれば、その女の子は、白鷺学園に入学を予定していたところ、手違いで学生寮に入れず、
知り合いの息子の家が空いているとのことで、居候できることになったらしい。
その居候先へ向かう途中、スマートフォンの電池が切れて、場所が分からないという。

案内を頼まれたのは構わないが、和倉賢一は、女の子の話の内容が気になった。
……その知り合いの家は、流れ茶屋街にあるというのだ。
和倉賢一は、去年も似た話を聞いたと思い、母親に電話する。

「母さん、俺たちに伝え忘れてることあるだろ」
「ああ、来たのねー。可愛い子でしょー。今日からよろしくねー♪」

こうして、氷見山玲に続いて、咲來が和倉賢一の同居人になったのだった……。
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体験版は、3.0GBでした。

原画・キャラクターデザインは、ピロ水さん。
企画・シナリオは、龍岳来さん。
ディレクションは、あおきゅんさん。
デザイナーは、cao.さん。
デフォルメイラストは、茜屋さん。
ゲームサウンドは、sawamurahさん。
背景美術は、塩澤良憲さん、chiki-coさん。
背景彩色は、岡部順さん。
総合演出は、やけざけさんです。


システムはCS2。
セーブファイルは135箇所と、決して多くはありません。
また、セーブファイルにタイムスタンプとサムネイルしか表示されません。
セーブ地点のテキスト表示があると良いですよね。セーブファイルを開いて該当箇所を探すことを繰り返さなければいけなくなってしまいます。

一部、ジャンプ機能を使うと開始地点がズレる印象があります。

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背景が相変わらず美麗、なのですが、
人が居てほしい背景にも、人の気配がゼロなのは少し違和感があります。
ビジュアルに何か加えなくても、例えば、ざわめき音を入れて、人の存在を表現しても良いと思います。


「アマカノ」には、プロフィール設定機能があります。
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特別な日に「アマカノ」を起動すると、設定したヒロインに祝って貰うことができるのです。

ヒロインの誕生日など節目にも起動イベントがあると期待していますが、
これは、購入してからのお楽しみですね。

体験版は大容量ですが、新ヒロインのルート導入を味わう、手頃なボリューム。
オープニングムービーを製品版クオリティで丸ごと入れたため、大容量になったと考えられます。

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その新ヒロインは、咲來(游木凛々さん)。

男兄弟が多いため男性に独特の慣れがあり、家事などは進んで行ってきた。
朝からきんぴらごぼうと切り干し大根の煮物が作れる。
白鷺学園では家庭科部に入り、クッキーなども焼いている。

咲來の特徴は、輝いている人を眩しいと思い、自分は輝けないと思っていること。
青春にコンプレックスを持ち、青春から一歩引いていること。

周囲に美女ばかり居ながら、誰とも恋愛関係にならなかった和倉賢一を同類のように見つつも、
からかってみたりしています。
からかうということは、距離感の近さがある。
肩肘の張らない会話が弾み、互いを理解する時間が増える。
そこから、恋愛関係になっていく……ということのようです。

少し気になるのは、咲來が見抜いてみせた、和倉賢一の環境、
蔦町ちとせのような最強の幼馴染みがいたからこそ、恋愛ができなかったのではないか、という説。
この説を打破するには、咲來との進行は弱いと感じられることでしょうか。
納得できるイベントを期待します。

なお、公開されていなかった名字は、体験版中に明かされています。
そういう名字だろうと考えては居ましたが、仕掛けがあって、もう少し何か設定を持たせているのかと考えてしまいましたが……、
どうやら、本人が恥ずかしがっただけのようでした。

とはいえ。
咲來がどこから来たのかも、予想がついていた人は多かったのかも知れません。
即ち、世代が一つ下ということになるのでしょうね。
あの人、アグレッシブだったのだそうです……何か大きな変化があったのでしょうか。

さておき、そもそも、どうしてあの場所を離れ、引っ越すことにしたのか。
その理由が、咲來に深く根を張る、“一番になれないから”だとすると……。

そんな咲來に何か近いものを感じたのか、黒姫結灯は独特の表情を浮かべて見せます。
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このルートでは、黒姫結灯は髪をバッサリ切ってしまいます。

そうそう。ビジュアル面での潤沢さは流石で、
咲來は朝が弱いようなのですが、寝起きで髪が跳ねた差分まであります。



「アマカノ2+」の主題歌は、『Memoria』。

歌唱は、Ducaさん。作曲は、ANZIEさん。
ピアノによる静かな始まりから、高らかに歌い、これまでの道のりを表した曲調は流石です。
これまでとこれからとが、優しいハッピーエンドを経由しているのがわかります。
この曲の雰囲気そのものが、「アマカノ2+」であるともいえます。
タイトル画面で、オフボーカル版が流れますが、何とも優しい曲調。ずっと聴いていられる、心地よさ。

「アマカノ」シリーズは、「アマカノ」で充分に素晴らしかったところ、
「アマカノ ~Second Season~」で新たなヒロインを産みだし、
これ以上はないと思っていた、ところに「アマカノ2」が登場し、また新たなヒロインと世界とを見せてくれました。
毎作が、頂点と感じられます。

今作では、登場冒頭の、咲來の描写。
不安そうだった女の子の顔がパッと一気に明るくなる。
それは今日の眩しい空模様にも似ている。
読んでいて、ワクワク、しますよね。
そこに、このビジュアルがあって……。
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咲來との行方。
そして、恋を知った、黒姫結灯(明羽杏子さん)、蔦町ちとせ(歩サラさん)、氷見山玲(神代岬さん)たちのその後も、
とても楽しみです。


2023年4月28日(金)発売予定です。


ダウンロード販売もあります。こちらは「アマカノ2」と「アマカノ2+」とのセットです。