X・らびっとさんの「ヴィヴィと魔法の島」感想です。




テキスト表現のあるイラストタイプには慣れていたところもありますが、

例えば。こちらはヴィヴィが捕まってしまったわけです。

2023年12月発売作品。
X・らびっとさん「ヴィヴィと魔法の島」は、横スクロールアクション。

突然、オーロラが見られるようになった島へ、
商機を見出したロロに連れられ、島へ渡るヴィヴィ。
しかしそこは、魔女の噂がある島で……。
という導入でした。
それでは感想です。
うん。すごく楽しめました。素晴らしい作品です。
良いところがたくさんあります。
要約すると、アクションゲームとして楽しいこと。
グラフィックを含めたキャラクタが魅力的なところ。
そして、それらはストーリーという柱に沿って成り立っているところ、でしょう。
これだけのクオリティを持つ作品が同人として発売されている。
いや、同人作品だからこそできたのかとも思います。
さて。
システムはUnityですが、軽快です。
アクションの動きは軽妙で、画面で大型ボスが大きく動くのに負荷が高くありません。プレイしていて一度もシステムダウンしたことがありません。

グラフィックの魅力もさることながら、こういう表現良いなと思えるものばかりです。
横スクロールアクションゲームですので、進行方向は画面右か左。
格好いいアクションが用意されていて、ヴィヴィを動かすのが楽しい。跳躍から斬り動作の良さ。格好いいですよね。こういう動きを、簡単な操作で扱える。
斬り中にダッシュを混ぜるのも楽しい。
しかも、ちゃんとアクションが効果的なものなのですよね。
ダメージアクション、ステータスフェイスといった表現。
音声もしっかり入っていますから、ヴィヴィがダメージで苦しんでると伝わり、何とかしてあげなきゃいけないと思ったりしますよね。
キャラクタデザインもかわいらしいまま。良いデザイン。
どのキャラクタにも魅力を感じます。性格設定も、それを表す声質も良いですね。いいキャスティングだと思います。
これらを彩るグラフィックの選択。童話めいた表現。これが活きるストーリー。
不思議な物語に引き込んでくれるのですよね。
この島で起こったこと。起こっていたこと。
たくさんのことが集束していきます。

さて。
この作品のもう一つの特徴として、シーン表現があります。
島の魔物、そして島の一部の人たちにとって、ヴィヴィたちは狙うべき対象となっており、
敗れてしまうと、一方的な行為がなされてしまいます。
その表現として3タイプのシーンがあります。
アクションシーンそのまま移行するアニメーションタイプ。
テキスト表現のあるイラストタイプ。
そして、キャラクタが大きく動くムービータイプ。
これ、どれもがシーン表現としてかなり良く、見応えがあります。

テキスト表現のあるイラストタイプには慣れていたところもありますが、
CGクオリティが高く、動きも大きい。
アニメーションタイプも、アクションキャラクタが良いから非常に楽しめます。
そして、ムービータイプ。
体の大きな動きの表現があり、非常に見応えがあります。

例えば。こちらはヴィヴィが捕まってしまったわけです。
薄暗い場所。気を失っていたのか覚醒間もなくといったところでしょう。
そして首輪がつけられている。
となれば、鎖を引っ張り……という動きが想像できますが、その通り。
鎖を引っ張っては、やりやすいようにしていくのです。大きな動きですよね。
また、ムービータイプでは、ロロやココのシーンがとてもいいですね。行為そのものも、口元にも魅力があります。
どれも、ストーリーの流れから、ここで敗北すると起こりそうだと思えるシーンばかり。
そして、なかなか他の作品では見掛けない表現が多くあって、とても楽しめました。

ヴィヴィは、やや引っ込み思案といった雰囲気。
引っ込み思案というのは、ヴィヴィ役の来夢ふらんさんの演技によるものです。
そんなヴィヴィは、身近な人のために動く。
良くしてくれていた商人のロロ。姉のように守ってくれるココ。そして商船団のみんなのため。
ヴィヴィの行動はここが基点で、持ち前の刀や銃の腕前の高いヴィヴィが、
出会った人のためにも一生懸命戦っていく。
軽快なシステムで、軽快なアクションが楽しめて。
……えっちなところも楽しめる。
実に、楽しい作品でした。
shadeさんの音楽も、かなりよかったです。