でぼの巣製作所さんの「神楽新風記~みくるの章~」感想です。
2024年4月発売作品。
でぼの巣製作所さんの「神楽新風記~みくるの章~」は、ローグライクRPG。
「……おお、こちらが花杜神社の退魔巫女様……なんとおさ……小柄で可愛らしい!」
町長の本音にむくれてみせる、新人退魔巫女の花村みくる。
だが、被害は深刻。山の奥を根城にしているらしい妖怪が、さらに妖怪を喚び、町の人を苦しめているらしい。
みくるは、早速準備を整えて、山道へ向かう。
……という導入でした。それでは感想です。
ネタバレは少しあります。
長らく続いた「神楽黎明記」から、「神楽新風記」とタイトルが変わり、
大幅に3D仕様となりました。
そして、バッドエンドも増えているのが特徴。
見た目の新鮮さと、展開の新しさを備えて「新風記」となっているのかもしれません。
これらを楽しむことができる作品でした。
さて、ダンジョン最奥でボスを倒すとゲームクリアになる形式は変わらず、
シリーズをプレイされていた方なら遊びやすいと思います。
3D化するのは良いとして、3Dならではのプレイ体験が得られるのか。
意外にも、ありました。
敵妖怪の動きがなかなか面白いです。
とはいえ、全体的に2D故の魅力であるため、難しいところもあります。
恐らく3Dにするということは、ソリッドさを持たせるということで、
2Dにあった曖昧さゆえの魅力が無くなるということ。
靫蔓はコミカルですが厚みを感じるようになり、花村みくるとのサイズ比から、怖さが備わった気がします。退魔巫女もかなりかわいらしく造られていますが、やはり2Dが勝る。
鉄鼠も、ぬいぐるみのようですよね。猫又は倒すと少しかわいそうです。
さて、攻略としては詰まるところはないと思います。
登場する妖怪が、睡眠を多く使ってくるため、睡眠守りを優先したほうが良いことと、
靫蔓が硫酸を使ってくるため、武器の攻撃力に注意することくらいです。
中層と下層ボスの攻撃力は高いので、防御を高めるか回復を持ち込んでも良いと思います。
下層最奥ボスは牛頭馬頭ですが、2体から同時に攻撃を受けることに注意です。
つい、花村みくるがレベル40で覚える奥義、天誅・獄炎殺を使いたくなると思うのですが、
妖術百鬼夜行・空亡と相性が悪いです。天誅・獄炎殺は目の前の相手に大ダメージと吹き飛ばしの効果があります。
百鬼夜行・空亡は、相手の攻撃を反射してダメージを与えるのが特徴です。
牛頭馬頭がどちらか一体になった時、あるいは百鬼夜行・空亡効果時間中でない時に使いましょう。
さて、お楽しみのシーンです。
まず、今回はシーンシナリオ面を讃えたいと思います。
描写がしっかりしていて、妖怪のどういう動きで反応してしまったかが分かりやすい。
花村みくるの反応などを理解して責める。
反面、妖怪の知能がかなり高く描写されているともいえるわけですが、ある程度は花村みくるを理解できたほうが、妖怪が一方的に責めていないともいえて、良いのかもしれません。
誤字脱字や文頭と文末で重複していたりもするので、時間がなかったかなとも見えてしまいますが、
なかなか読み応えがありました。
花村みくるは、身体は華奢ですが、反応が良く。
妖怪の責めに何度も達してしまいます。
しかし。今回、グラフィックに不満があります。
かなり良いグラフィックと、そうでないものとの差が強く感じられるのです。
例えば。花村みくるの身体。
華奢だけれど、胸などはしっかり女性らしさを感じるタイプ。のはずですが、
シーンごと、どうにも違いがあります。
靫蔓の2回目など、身体を描くよりも隠す方法のデザインですよね。
鬼の2回目は、その手は何の動きか全く分かりませんでした。鬼の身体はもっと大きいはずです。
シーンごとに、特に表情に違いがはっきりしてしまっていて、安定していません。
テキスト面ががんばっているのに、もう少しがんばれないかと思ってしまいます。
これまでの作品でもそうであったので、ユーザ側が慣れさせられているのだと思います。
色々な作品が出ています。
こだわりを感じられる作品は多く、勢いもあります。その中で、埋もれていかないよう、考えなければいけないかと思います。
キャラクタ紹介の、この部分は理解できませんでした。
たまに割り切った考え方をする場合がある
諦めやすい、芯の強さがないことを意味しているのであれば、
シーンシナリオによく反映されています。
花村みくるは、周囲の期待に応えようとがんばろうとするのですが、
この、芯の強さに欠けていることから堕ちやすいもともいえて、
バッドエンドが多いのは理解できると。
導入シナリオが、なんとも微笑ましい印象であったため、バッドエンド側にも何かあっても良いかもしれませんね。
なお、バッドエンドが複数追加となっていますが、
バッドエンドへの入口は、各層のボスに2回敗北することです。
バッドエンドの展開は、これまでの作品にも見られたもので目新しさはありませんが、
3つもバッドエンドがある構成を見せてくれると、期待してしまいますよね、これからの「新風記」にも。
やっぱり、キャラクタの性格通りに勝って無事に帰って欲しいという気持ちと、
バッドエンドがたくさん見たいというワガママな気持ちがあるものです。
ダウンロード販売もあります。
#追記
バグではないのですが、
召喚を使わずに戦っていても、何故かゲージが溜まる表示がなされます。
罠と次のフロアに移動できる道祖神を探せる“どちらにしようかな”。これがかなり使い勝手が良いです。
食べものが無く、素早く次のフロアを目指したい時などに使います。
気力消費が2。次のフロアに移動すると気力は1回復しますから、気力消費は差し引き1。効率がよいです。なお、追加ダンジョンのボスは、がしゃどくろになりました。
牛頭馬頭と違い単体ですが、強さは同等です。攻略の際には注意して挑みましょう。