でぼの巣製作所さん「神楽漫遊記 弐 ~桂香と初花~」感想です。

2024年7月発売作品。

でぼの巣製作所さんの「神楽漫遊記 弐 ~桂香と初花~」は、ローグ型RPG。

休暇で訪れた村から、退魔の依頼を請けた桂香と初花。
強い妖気を感じる、森の奥へ向かう……という導入でした。



それでは感想です。
ネタバレは少しあります。

さて、漫遊記シリーズ2作目。
概ね、「神楽黎明記」シリーズと同じですが、交代のできる1つのキャラクタを操作するという違いがあります。
一緒に行動しているということでしょう。レベルアップしていくと、相方が確率でガードや支援をしてくれるようになります。
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面白いのは、ピンチ状態や強敵出現時に発動確率が上がるサポート技が多いこと。
ピンチの時は少し体力や気力が回復する技もあります。

また、今作では「黎明記」シリーズと階層構成が違い、五層になっています。
五層の仮初めの桃源郷は10層探索します。
少しだけ、ローグライクパートが長い印象です。

ただ、登場妖怪の数は同じ。
ですから、黎明記シリーズでは次層までしか出て来なかった妖怪が、さらに次の層まで出てきます。
例えば、怪しき平野で現れる雲外鏡が、次の次、意地汚い竹林にまで出てくる。
言霊集めをする場合には、この仕様を利用して、同じ層で粘らずとも、進んだ先の階層で解決する場合があります。

登場妖怪8種類のうち、倒すことに手間が掛かるのは、ぬらりひょん。
ぬらりひょんの攻撃の、ふっとばし。追い詰めて倒せそうだと思ったタイミングで放ってきます。
また、垢嘗めも。
防具外し攻撃と、嘗め回しによる体力回復で、倒すのにターンが掛かります。
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ぬらりひょんのふっとばし、垢嘗めの防具外し攻撃は、どちらも防ぐことができないようです。
垢嘗めの防具外しは盗み守りも効かないとは思いませんでしたし、仲間のガードを貫通して防具を外されてしまいます。
通常攻撃に対する付与という仕様が強く、装備し直す次のターンでまた外される、といったことが発声します。

ボスは牛頭馬頭。
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牛頭が豪腕、馬頭が鉄壁を使うこと、
片方倒すと、残りの片方は必ず付加がかかること、くらいでしょうか。
これまで何度となく登場しているため、慣れている方なら問題ありません。

さて、お楽しみのシーンです。
「夏神楽」登場の人気キャラクタで、それぞれ「神楽黎明記」でも登場している桂香と初花。

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数年ぶりの登場ですが、桂香も初花も魅力があります。
堅い性格の桂香。年下らしい元気さと素直さの初花。
身体は、桂香が長い黒髪でふくよかな。初花がポニーテールで控えめです。

はるかめぐみさんは、声質が特徴。
攻撃の声などがそうであるように、生真面目さがあります。
だから、妖怪に対して誘うようなことを言うと、すごく合います。
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声で状況を巧く演技しているのは、大波こなみさん。
幼いながらよく反応してしまったり、素直に求めてしまうと、魅力が増します。

神楽シリーズは、シーンの前段描写、キャラクタの紹介などがほぼありません。
よってシーン中で何もかもを表現しきらないといけない。
キャラクタだけでなく、妖怪が何をどうして、退魔巫女がどんな反応をしてという展開と反応を描写し、かつユーザが魅力的に思えるシーンを作らないといけない。要求が高いですね。

妖怪だからどんなことでもできるかというと、していません。
様々な理由がありそうですが、ひとつには、変えてしまうわけにはいかないという考えもありそうです。
だから、シーン構成は過去作に似てしまう。
すると、あとは声とビジュアルだけになってしまうのですが。

特に、今作の場合はグラフィック面。
顔が安定しないこともそうですが、以前から身体の描き込みも甘いように思います。
ここはもう少しがんばってほしいところですね。
桂香は美しい身体をしているでしょうし、初花は溌剌としたものを感じる身体のはずです。
それが、妖怪に組み敷かれている。
そんなグラフィックが見たいです。
「神楽凌艶譚」の沙耶は、身体のバランスが非常に良かったと思います。どのイベントCGでも。
代わりに、今作は疫病神がすごい感じになっています。
しかし疫病神の責めが単調で、桂花と初花の反応も物足りません。もったいないですね。



二人が揃った「神楽漫遊記 弐 ~桂香と初花~」でしたが、
シーンだけでみると、「神楽黎明記~初花の章~」のほうがよかったと思ってしまいます。
神楽黎明記 ~初花の章~

さて。
退魔の仕事になってしまった二人は、どこかでもう少し休暇をしていくのでしょうか。




ダウンロード販売もあります。
神楽漫遊記 ~桂香と初花~


#追記
追加ダンジョンのボスも過去作に登場した九尾。
また、通常ダンジョンの階層が増えたので、追加ダンジョンも増えるかと思いましたが、
今まで通りでした。
レベル上限も上がっていません。

シーン中のテキストも、「桂香は」が「今日は」と誤字になったりしていますし、
やっぱり、もう少しシーンにこだわってほしいなと感じますね。